【自主レポート】 |
第33回愛知自治研集会 第1分科会 自治体の「かたち」を変える |
ポンプ施設管理事務所オペレーターの技術の継承問題や、設備ごとに構造や操作方法が異なっていることへの対応のため、操作マニュアルを作成した。マニュアルは、分かりやすさ、更新しやすさ、確認しやすさ、故障復帰の迅速性などに配慮した。市民PRも積極的に行い、業務への市民の認識を高めてもらうとともに、オペレーターの業務への責任感を高めることにつながることを期待している。 |
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1. はじめに 緑政土木局河川部ポンプ施設管理事務所では、 2. 技術の継承・向上について (1) 作業マニュアルの作成 (2) 作成内容 (3) マニュアル作成例 |
この操作マニュアルは、新規採用者への技術指導時の手段として使用することができます。また、地区異動に伴い、はじめて配置される者や以前配置されていたが設備が変わってしまって細かい注意点がわからない者にとっては、ポイントを確認しながら円滑にポンプを運転し、排水することができるようになると思います。その他、トラブルや急な増水によってポンプをすぐに運転しなければならないような緊急時においては、ヒューマンエラー抑止効果を期待することができます。 ③ 直営作業マニュアル 直営作業記録とは、作業を行った担当者が、実際にその日に行った作業を、全オペレーターに報告する簡易的なものです(操作上必要なものはより詳しいものにします)。例を示します。 直営作業マニュアルは、直営作業記録を基に、その作業の工程をマニュアル化したものです。このマニュアルにより、作業の効率化を図るとともに、皆に周知することで技術の向上ができると考えます。例を示します。 直営作業は主に、設備に何らかの故障が生じたときや、古くなった設備の保全のために行います。これをマニュアル化し活用することで、故障時の対応と、迅速化かつ的確に行えるようになります。また、このマニュアルにはその設備が故障した原因が記してあるため、他設備で同じような現象が起こった時、原因の追究、対応に非常に役立ち、故障復帰が迅速に行えると考えます。 ④ 自家発電機操作及び受発切替手順マニュアル 今までテキストベースのものがありましたが、見易さに欠けているため、有効に活用されてはいませんでした。また、マニュアルが存在しないポンプ所もありました。そこで、この機会に全ポンプ所を見直し、フォーマットを統一したマニュアルを作成することにしました。作成した例です。 写真を加えることで、とても見やすいマニュアルとなり、有効に活用できると考えます。 豪雨に雷はつきものです。雷やその他の要因で停電になった際、ポンプを運転し排水する為、自家発電機を運転し電力を確保することが必要となります。 停電時はベテランオペレーターでも慌ててしまい、誤操作を起こす可能性があります。新人オペレーターであれば、その重圧は計り知れないものがあり、そのような時こそ落ち着いて操作することが重要です。そのために操作手順書を作成し、経験の浅いオペレーターでも迅速かつ確実に操作ができるよう日ごろから複数名で手順書の読み合わせを実施し、実際に操作することで、操作手順を確実なものとし、停電など突発的な災害時においても、誤操作を防止できると考えます。 (4) マニュアルの共有化 各地区で最新のマニュアルを作成・改定し他の地区との共有化を継続していくことにより、オペレーターの技術力向上が期待できます。また、研修会を開くよう準備をしています。 |
3. 市民へのPRについて (1) 市民へのPRの意義 (2) PR内容例 |
図で示したように荒子川の紹介からポンプ所のしくみ、さらにはポンプ所にある設備を紹介するものをA3用紙2枚にまとめました。 4. 今後の展望 作業マニュアルについては、今後も必要なものは速やかに作成し、作成済みのものについても改定や更新を行い、より使いやすく解りやすいものにしていきたいと思います。また、マニュアル作成だけでなく、他にも技術の継承・向上に必要だと思われる事は積極的に取り入れ、オペレーター全体のレベルアップを図って行きたいと思います。 5. まとめ 私達が今まで行ったいずれの改善も、直接コスト面や数値的に反映されるものでは無く、また効果も目に見えてすぐ表れるものでもありません。しかし、私達の業務は、市民の生命と財産を守る事です。そのためには、トラブルが起こらないように施設の維持・管理をすることはもちろんのこと、様々なトラブルが起こっても対応できる様、技術力の向上に努め、万全を期す必要があります。その意味で、マニュアルの作成は大きな効果が期待できると考えていますし、ポンプ所が担っている業務を市民の皆様に知っていただく事はポンプ施設管理事務所の存在意義を高めると共に、私達オペレーター一人ひとりの業務に対する改善意識も高められると考えています。 |