【自主レポート】 |
第33回愛知自治研集会 第4分科会 「官製ワーキングプア」をつくらないために |
自治労京都府職員労働組合では、昨年11月、京都府で働く臨時・非常勤・嘱託職員に対し、仕事の内容や雇用期間、賃金・労働条件、労働組合への関心などについてアンケート調査を行いました。アンケートの回答からは、継続雇用に対する強い不安や、賃金・労働条件に対する不公平感が根強いことがわかりました。紙面の都合上、このレポートでは、非正規が担う仕事の内容や、賃金・労働条件の不満・不安を中心に報告します。 |
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自治労京都府職員労働組合では、昨年11月、京都府で働く臨時・非常勤・嘱託職員に対し、仕事の内容や雇用期間、賃金・労働条件、労働組合への関心などについて、アンケート調査を行いました。アンケートの回答からは、契約期間は1年未満が最も多く、本来、正規職員が担うはずの恒常的な仕事をしている人が半数以上を占めました。また、賃金等の労働条件に対しては、不満を感じている人も半数以上を占め、なかでも任期満了後の継続雇用が大きな不安の要素となっていることがうかがえます。アンケートの結果からは、 1. 回答者の概要 (1) 調査の概要 (2) 職場・雇用形態 (3) 勤務の日数・時間・年数・契約期間 |
2. 一時金・昇給・交通費について
3. 雇用保険・社会保険の加入状況について 雇用保険には77.4%が、社会保険には81.0%が加入していました。雇用保険の加入要件は、1年以上継続して雇用が見込まれること、契約期間の定めがあっても、契約の更新により1年以上の継続雇用が見込まれる場合、65歳に達した日以後に新たに雇用される者でないことなどです。社会保険の加入要件は、所定労働日数及び所定労働時間が一般社員のおおむね4分の3以上であること。また、日々雇い入れられる人、臨時に使用される人で2カ月以内の期間を定めて使用される人、季節的業務に使用される人、臨時的事業の事業所に使用される人以外の人は、加入できます。回答者は、勤務日数が「週5日」が88.1%、1日の労働時間が「7時間以上」の人が90.5%いることから考えると、加入率が高いのは当然の結果だといえます。 |
4. 仕事の内容について (1) 仕事の内容 |
(2) 本来、職員がするべき仕事か |
(3) 仕事のやりがい |
5. 年次有給休暇について
また、年休をとれない理由では、無回答が多く、「雰囲気が取りにくい」が7.1%と最も多い結果となりました。正規職員でも、年休を100%取得する人は非常に少ないと思われますが、非正規においても同様の課題があることがわかりました。 |
6. 賃金等の労働条件や仕事の上での不満・不安
任期期間満了前になると、継続任用されるかどうか不安になるかどうか聞いたところ、「不安になる」は66.7%と、多くの人が不安を感じている結果となりました。その背景には、仕事にやりがいを感じていることや、非正規であっても仕事がなくなれば、生活がなりたたなくなる人が多く存在することが考えられます。非正規雇用者は、こうした不満を相談したり、解決するための手段をもたない場合がほとんどであるため、必要な対策が求められます。 また、現在の賃金・労働条件について感じていることについて、複数選択で答えてもらいました。そのなかで一番多かったのは、「継続雇用の希望」(63.1%)でした。これは、上記の回答とも符合する結果で、任期が定められている職場は、いかに働く人にとって安定感を喪失しているかを示しています。次に多いのが「一時金の支給」(54.3%)で、一時金が賃金格差を感じる大きな要因になっていることがうかがわれます。その他、賃金面では、「昇給がない」「賃金が安い」がそれぞれ25%、「通勤手当がほしい」(21.4%)などがあがっています。 待遇面では、「正職への採用希望」が40.5%です。現在、非正規で働いている人は、非正規という働き方を希望して職に就いた人ばかりではないことがわかります。 その他、「(非正規として)立場の明確化」(27.4%)、「正職の仕事をさせるな」(8.3%)と回答する人もいて、非正規の仕事の内容を、改めて見直す必要があります。 |
7. 労働組合について
労働組合を「絶対必要」15.5%、「あれば良い」は42.9%で、合わせると58.4%が必要だと感じています。「必要がない」と明確に否定した人は4.8%でした。「わからない」と回答した人は、労働組合がどういう役割を担っているのかについて、あまり知識をもっていないためと考えられます。 今後、組合活動(組合説明会)に参加したいかどうかについては、「参加を希望」する人が3.6%で、前述の労働組合が「絶対必要」と回答した15.5%に比べて少なくなっています。また、労働組合は「必要がない」と回答した人が4.8%しかいないにもかかわらず、「参加したくない」が31.0%となっています。「無回答」も33.3%と、上記の回答と矛盾する結果となったのは、必要性を感じていてもすぐに加入することには躊躇したり、雇用期間の短さや賃金の低さから労働組合に加入するメリットを感じない、また契約期間の終了が間近に迫っている人もいるためではないかと考えられます。 一方、「組合活動はわからないが会議は参加してみたい」人が32.1%にものぼることは注目されます。労働組合から積極的にアプローチして、説明できる機会を設けていくとともに、不満や悩みを話し合い、相談できる労働組合となることが求められています。 |
8. アンケートの「自由記入欄」から アンケートでは、自由に記入できる欄を設けたところ、たくさんの記述がありましたが、その中から特徴的なものを下記に列挙します。 |