【自主レポート】 |
第33回愛知自治研集会 第7分科会 貧困社会におけるセーフティネットのあり方 |
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1. 第1のセーフティネット=「雇用」 日本的雇用システムの崩壊。 2. 第2のセーフティネット=「社会保障」※防貧機能 公的年金、医療保険、雇用保険で最低限生活保障機能が非常に弱い。例えば老齢基礎年金を例にとると、40年払い続けても月66,008円で生活保護規準以下。医療保険にある傷病手当金は給料の3分の2の保障しかなく、国民健康保険には傷病手当制度さえない。病気になったとたん、生活保護基準を圧倒的に下回ってしまう。 3. 第3のセーフティネット=「公的扶助(生活保護)」※救貧機能 第1、第2のセーフティネットから漏れた失業者、ワーキングプア世帯また生活基盤の弱い高齢者や母子世帯が生活保護に直結しているわけである。一旦制度の適用を受ければ他の社会保障制度が機能すべき保障もすべて生活保護制度が丸抱えとなり、その財政的負担が自治体財政を大きく圧迫している。翻って、生活保護の利用には厳格な資力調査が必要で、要保護状態にあってもその利用に結びつかない場合も多くあり、補足率(生活保護基準以下の生活者のうちの保護受給者の割合。ドイツ:85~90% 英国:87%)は19.7%と推定されている。 自分自身の努力によっても雇用は安定せず、→貯蓄は目減りし家族や親族の支えも期待できず、→社会保障制度も利用しにくく、→生活するに十分な給付が準備されているわけではなく、→最後の砦である生活保護制度に陥る生活困窮者が著しく増加している。失業や病気など、思わぬ生活危機に見舞われた時、相談や一時的に必要十分な何らかの扶助が受けられれば、立ち直るきっかけが出来るわけだが、それができずに最底辺に滑り落ち、気がつくと、生活保護という制度に行き着いている。そのうち現状に満足し、「生活保護」が手段から目的へと意識が変化してくる。一度足を踏み入れた生活保護での生活から自立へ向かうことは、よほどの強い意志がない限り至難の業であり、更にそのうしろ姿を見ながら成長する子どもにとっての影響は大きい。二代三代にわたって生活保護世帯という世帯が増えてきている傾向があり、現在の市町村財政に大きな負担となっていることは言うまでもないが、次世代に悪影響を及ぼしていることが憂慮される。 |
被保護世帯数、被保護人員、保護率の年次推移 |
被保護実人員、世帯類型別被保護世帯数の対前年同月伸び率の推移 |
生活保護の受給期間の構成(H22年3月末現在)<別府市>
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4. 第4のセーフティネット=……なんでしょう? (1) 生活困窮に至る理由 (2) 問題が解決できない理由 (3) 問題の解決に向けて |
●地域支援員制度の創設:(例)佐伯市地域支援員「ゆうゆうサポーター」制度 |
5. 最後に 住民に一番近い場所にいる自治体職員に何ができ、何をなすべきか。 |