【自主レポート】 |
第33回愛知自治研集会 第8分科会 地方再生とまちづくり |
|
1. はじめに 「豊後森機関庫」保存の取り組みについて昨年報告させていただいたが、昨年の6月15日に多くの民間団体(豊後森機関庫保存委員会、建築士会玖珠支部、大分県防水・外壁改修工事業協同組合、国鉄OB会)の協力を頂いて建物の改修・保存方法およびその費用等を検討するため現地調査を行い、その結果がまとまったので今年も報告させていただく。また、新たな組織を作り豊後森機関庫の活用に向けた取り組みを始めたので、それも含めて報告させていただく。
2. 調査状況 ① 調査内容 3. 調査結果 ① 屋上の既存防水は無くなり、躯体内部へ雨水が浸透しており、防水をやり直す必要がある。
|
4. 機関庫活用に向けた取り組み 昨年10月12日にくすメルサンホールにて調査報告会を開催し、町内外から約50人の参加がありその会で多くの方から活用に向けた取り組みの必要性が訴えられた。その声を受け、私たちは11月26日に「豊後森機関庫活用推進協議会」を設立し、 5. 活用方法の提案 今回の調査の結果、柱のコンクリートは十分な強度を有していることが判明し、1975年の大分県中部地震など数度の地震を経ているものの、柱や壁にはせん断クラックは見られなかった。このことから、地震で直ちに崩壊するようなことは考えられず、本体の利用も十分可能であると言える。現に豊後森機関庫と同時期に建設された同じ扇形機関庫である京都の梅小路機関庫と岡山の津山機関庫は特段の耐震補強を行うことなく今も機関庫として活躍している。 私たちは1億2千万円程度で利用可能な建築物に改修できると試算しており、これは、新たに博物館や多目的ホールを建設する費用に比較すれば大幅に小さい数字であり、豊後森機関庫を保存・活用することは経費の面からも有用である。 6. 結 び 玖珠町には目玉となる集客施設はなく、玖珠町のシンボル的施設を創り育てていく必要がある。私たちはそれが豊後森機関庫であると考えている。そして、隣の九重町の「夢大吊り橋」、湯布院、黒川と面的で回遊可能な整備を行う必要があると考えており、今回の現地調査と活用推進協議会の取り組みが豊後森機関庫の保存・活用につながり、さらに玖珠町全体の活性化につながることを切に願っている。 最後に今回の調査にボランティアで参加して頂いた建築士会玖珠支部、県玖珠土木事務所、大分県防水工事業協同組合、大分県外壁改修工事業協同組合、豊後森機関庫保存委員会、地元自治会・商工会、国鉄OBのみなさん、また調査の様子を詳細に報道して頂いたテレビ・新聞社の方々に感謝いたします。 |