【自主レポート】

第33回愛知自治研集会
第9分科会 都市(まち)のコミュニティを再生させる

 我が能代市は秋田県の北西部に位置する自然に恵まれた都市で、地域では様々な祭りやイベントが行われています。そんな数多いイベントの一つである「のしろまち灯り」に自治研として参加することにより、仕事とは違う視点で、地域との関わりの大切さを再認識することが出来ました。



「のしろまち灯り」に参加して


秋田県本部/能代市役所職員労働組合・自治研部 伊藤  大

1. 「のしろまち灯り」に参加して

(1) 能代市の概況
 私が住んでいる能代市は、秋田県の北西部に位置する人口約6万人の都市です。日本海に面し、広大な能代平野が広がり、米代川や風の松原、きみまち阪などの自然にあふれた都市です。
 古くから「木都のしろ」と呼ばれ、現在も基盤産業である木材産業は、1995年にオープンした「秋田県木材高度加工研究所」と連携を取りながら、技術立地型の産業形態を目指しています。また、農業も盛んであり、米どころ秋田の名のとおり水稲が主体となっていますが、「ねぎ」、「みょうが」、「キャベツ」、「山ウド」などの特産野菜の生産も盛んとなっております。さらに、スポーツでは高校バスケットボールで全国大会優勝回数58回を誇る能代工業高等学校が有名です。

風の松原
きみまち阪

(2) 「のしろまち灯り」に参加するきっかけ
 能代市では、7月下旬に能代港まつり花火大会、8月6日~7日に大勢の若者たちによって繰り出される大若灯篭が市内をねり歩く「能代役七夕」、9月上旬「能代役七夕」、「青森ねぶた」、「浅草カーニバル」など全国各地からの参加により、夏祭りを見ながら行く夏を惜しむ「おなごりフェスティバル」、10月中旬には、県立公園きみまち阪や原生林の七座山の麓を駆け抜ける「きみまちマラソン」などの様々なイベントが開催されています。そんな数多いイベントの中に、「のしろまち灯り」という催しが行われています。これは能代市街の様々な道路や建物をキャンドルや照明などで照らすものですが、商店街や地元の有志が集まって行っています。そのイベントへ地域の一員として参加し、イベントを盛り上げたいということで、能代市役所職員労働組合自治研部として参加することとしました。

能代役七夕

(3) イベントに参加するまで
 私が働いている能代市役所の本庁第一庁舎と議事堂は、今回のイベント会場の中間に位置されており、2007年に文化庁より登録有形文化財とされたことから、ライトアップする対象物は本庁第一庁舎と議事堂に決まりました。続いてどのようにライトアップを行うかを検討しましたが、せっかくだから、発電器などを使用し大がかりな照明器具でライトアップしたいという案と、「のしろまち灯り」ではキャンドルも廃油から作ったものを使用している催しとなっているので、環境に配慮したライトアップを行いたいという案がでました。私は前者でしたが、結局、みんなで懐中電灯を持ち寄ってライトアップをおこなうことになりました。結果的にはこれが、ライトの当て方や配置などを真剣に話し合い、より効果的な照明の当て方を考えるなど、皆が一体感をもつ要因になったと思うので、ベストの選択であったと思います。早速、教宣で周知を行ったところ組合員はもちろん職場や能代市職員全体の協力により、約200個の懐中電灯が集まり、イベントへ参加する準備を整えることができました。

本庁第一庁舎
議事堂


(4) 「のしろまち灯り」に参加して感じたこと
 いよいよ、イベント当日である2010年2月13日(土)となりました。当日は自治研部・青年女性部を中心に約30人が集まり「のしろまち灯り」に参加、市庁舎及び議事堂前をライトアップしました。市役所前が巡回バスのルートとなっていたので、バスの巡回する時間を中心にライトアップを行いました。予報では悪天候となっていたのですが、普段の行いが良いせいか天候にも恵まれ、多くの人に見てもらうことができました。また、秋田市内でライトアップなどを通じて地域づくり活動を行っている「新屋参画屋」の皆さんが能代まで遠征にきてくれ、一緒にライトアップを行うこともできました。地元の人々はもちろんのこと、他地域の人たちとの交流もでき、改めて参加することができてよかったと実感することができました。
 正直なところ私自身、こういった活動を行うまで、市職員の労働組合とは、組合員の職場での賃金改善や労働条件改善などの職場内での環境改善だけを行う組織だと思っていました。それは当然、我々職場で働くものにとって大事なことなのですが、公務員への批判が強まる昨今、能代市職労の地域活動へ参加していることをもっとアピールできたらと考えていました。今回、能代市職労の一員としてこのような地域のイベントに参加できたことは、普段仕事として関わっているのとは別の視点で取り組むことができ、非常に有意義な取り組みであったと思います。また、能代市職労としても地域の人たちと直接つながりをもてる機会を得られたことは、内外に対して組合活動の大切さをアピールする機会となったのではないかと考えています。今後もこのような取り組みを継続し、いろいろな形で地域の活性化に取り組んでいけたらと思います。

まち灯り全体マップ