【自主レポート】自治研活動部門奨励賞 |
第33回愛知自治研集会 第13分科会 温暖化ガス25%削減 地域での可能性を模索する |
尾道市現業評議会清掃部会では、今まで出来ていなかった公務拡大、職の確立を推進し市民との協働を実践し、市民から必要とされる職場を構築するため「分別戦隊エコレンジャー」を制作し活動を実践してきました。その取り組みを報告します。 |
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1. はじめに 尾道市は瀬戸内のほぼ中央に位置し、渡し舟が行き交う尾道水道、点在する寺院、830余年の歴史を凝縮した景観は美しさを醸し出し、さらに山陽新幹線、山陽自動車道、瀬戸内しまなみ街道、事業中の中国横断自動車道が完成すれば、まさに「瀬戸内の十字路」としての発展が大いに注目されている町です。 2. 職場への提案 尾道市では現業職員の採用は十数年無く、「自分たちが退職するまでに職場が無くなるのでは……」という思いは現業職員全員が心のどこかに持っていますが、今以上に仕事はしたくない、現業だから主事とは違うと現状から一歩前に出ることはありませんでした。しかし市民への啓発という仕事は無くなる事はないのです。ごみ収集に比べ委託されにくい仕事です。ごみ収集等の単純労務だけでは現業職場を守っていけない時代になっているのも事実です。市民への啓発活動を現業職員の仕事として位置づけるには今しかないと、そして今まで出来ていなかった公務拡大、職の確立にも繋がっていくのではないかと思いました。 3. 企画、提案 職場では啓発ビデオを制作する事でまとまりましたが、担当課長が決断しないと始まりません、担当課長が納得する企画を作らなければなりません。低予算で自分たちが出来ることは自分たちで、出来ないことは経験のある市民ボランティアと協働でという形に出来れば可能ではないかと思っていました。まずは経験のある市民ボランティア探しです。撮影、編集は大学の映画部にボランティア参加をお願いし、役者には高校の演劇部にボランティア参加をお願いし、台本、衣装、ナレーション、主題歌等は職員でやっていくことにし、なんとか低予算での制作が可能だと判断できたので担当課長へ、ごみ分別啓発ビデオ「分別戦隊エコレンジャー」の制作を提案しました。分別戦隊エコレンジャーのネーミングは、ごみの分別啓発なので分別戦隊、将来は環境問題全般の啓発もしたいのでエコレンジャーにしました。 4. 分別戦隊エコレンジャー制作 担当課長は、面白い企画だし低予算で出来るのなら是非やってくれとの返答だったので、2007年11月より本格的に制作がスタートしました。スタートしたとは言うものの職員は何の経験も無い素人の上基本的にはごみ収集業務があるので、空いた時間にそれぞれが作業を少しずつ進める形で、時には夜遅くまで話し合い意見がぶつかることもありました。 5. 活動実績 (1) ビデオ啓発 (2) エコレンジャーショー(職員&学生ボランティア) (3) パッカー車へシールを貼り啓発 このシールを貼ったことにより今までパッカー車を見ると鼻をつまんでいた子ども達が手を振ってくれたり、気軽に声を掛けてくれたりするようになりました。 (4) イベントでのポイ捨て防止、分別啓発活動 (5) 保育所、幼稚園での「環境リサイクル教室」 この「環境リサイクル教室」はエコレンジャーを活用し寸劇方式で子どもたちにごみの分別を分かりやすく親しみの持てる参加型でやさしく教え、その中でリサイクル等について解説しています。この活動は保育所・幼稚園の年中行事や参観日等に行われることが多く、保護者の方からもごみの分別が複雑になる中、分別について勉強になった等反響もあり、さらに寸劇を見た子どもが保護者に「今日エコレンジャーがごみをちゃんと分けようねって言っていたよ」という事により保護者の分別マナーの向上にもつながっています。 2009年度は8ヶ所での開催でしたが、この活動は徐々に浸透していき今年度はすでにかなりの件数の問い合わせ、予約を受けています。 ※ 今後、小学校でも「環境リサイクル教室」の予定あり。 |
6. 成果と課題 (1) 成 果 (2) 課 題 7. おわりに 始まりは現業職場の生き残りを図る為、市民から必要とされる現業職場を構築するために取り組んできた活動ですが、10年後20年後、今の子どもたちが大人になった時にはごみの分別は生活の中の一部となり、5R(リデュース、リユース、リサイクル、リフューズ、リペア)運動は定着し、資源循環型社会が構築できるよう啓発していきたいと思います。 |