【自主レポート】

第38回地方自治研究全国集会
第2分科会 「ラッセーラー」だけじゃない 地域に根付いたねぶた(祭り)

 コロナ禍において"地域の非常事態に自治労ができること"を追求し、『地域支援の取り組み』を進めてきました。"自分たちの地域を守りたい"という組合員の強い想いが上川地本全体に広がり、全自治体単組で取り組むことができました。上川地本として、本取り組みを自治研活動に対する意識の向上や今後の取り組みへとつなげていけるよう本レポートを作成し報告します。



今だからできること
―― コロナ禍なので地域支援に取り組みました ――

北海道本部/上川地方本部

1. はじめに

 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、各単組・総支部(以下「各単組」とします。)においては、会議や集会など集まる場がもてず「組合員の目に見える運動ができない」といった声が多くありました。
 また、各自治体では、不要不急の外出自粛や3密の回避が求められ、住民が外出を避けることにより地域経済に大きな影響を与えることが深刻な問題となっていました。
 コロナ禍において「何もできないから仕方ない」で終わるのではなく、「この状況下でもできること」を前向きに考え追求し、自分たちの処遇改善よりも、まずは"自分たちの地域を守るために何ができるか"に目を向ける単組が多くありました。
 自分たちの地域を元気にするため、組合員はもちろんのこと職場の仲間にも声をかけ、昼食時にまとめて出前を注文するなど、積極的に地域商店の利用を始めた単組や、具体的な取り組みに向け準備を進めている単組もある中、道本部より『地域支援の取り組み』についての提起があり、上川地本においてもこの取り組みを重要なものと位置づけ、道本部の助成に上乗せする形で支援し、各単組での地域活性化に向けた取り組みを推進するよう働きかけたことにより、上川地本全自治体単組で取り組むことができました。
 本レポートでは、各単組における具体的な取り組みや、その中で見えてきた成果や課題について総括し、自治研活動に対する意識の向上や認識を深め、今後の取り組みへとつなげていきます。

【道本部提起】        
   

2. 具体的な取り組みについて

 まずは各単組の具体的な取り組み内容について紹介します! 取り組む上で意識したことや、始めたキッカケは単組によって様々です。今回、上川地本で実施した総括アンケートを基に、具体的な想いや声について紹介します。

(1) 取り組み紹介

(2) 意識したこと
 取り組みを進める上で、各単組が意識した点についてです。取り組みがうまく周知されるよう、また、組合員が楽しめるよう各単組が趣向を凝らして企画されています。

  【和寒町職労】
【士別市労連】
  【名寄市労連】
(3) 取り組みのキッカケ
 組合員や職場内の声から始まった単組や、執行部の企画から始まった単組、キッカケは様々ですが、全ての単組が『地域経済を盛り上げたい』と強い気持ちをもって取り組んでいます。また、道本部・地方本部の助成が後押しとなり、取り組みにつなげることができたという声もありました。


(4) 取り組みを振り返る
 取り組みを振り返り議論することや、単組間で情報を共有することから、より良い取り組みへとつなげます。
 また、議論することで"まちのことを考える意識"が定着し、そのことが各単組や組合員にとって"自治研活動"が自然と定着するキッカケになるものと考えます。


 また、全ての単組で、ただ取り組むだけではなく、"取り組みの意義や目的"などについて、様々な方法で周知し、組合員の意識の向上へとつなげています。
【旭川市職労】
  【愛別町職】
  【東神楽町社協職組】

3. たくさんの声や反応がありました

 今回の取り組みで、地域商店や地域住民から、多くの「感謝の言葉」をいただいています。
 地域経済活性化の一助になっただけではなく、地域住民との関わり、同僚や仲間との交流、地域の魅力発見など、たくさんの成果がありました。また、コロナ禍において暗い雰囲気となっていた、多くの人の心を元気に、前向きにできたこと、それが"まちの活気"へとつながり、たくさんの笑顔へとつながっています

(1) 地域や職場からの声
 地域商店・地域住民の声から、たくさんの人を元気にしていることがわかります。
 また、組合員や職場内からも取り組みについて好評をいただき、組合員一人ひとりが地域に目を向ける意識や、職員としての"やる気"につながりました。

(2) 新聞に掲載されました
 各単組における地域支援の取り組みが新聞等でも紹介され、地域住民からの「組合に対する理解・信頼」にも大きくつながることとなりました。

【名寄市労連①】
  【名寄市労連②】
【剣淵町職労】

【下川町職労】
【南富良野町職】
 

4. 今回の取り組みを今後の活動へとつなげる

 アンケートの回答から、今回の取り組みが"実施して終わり"ではなく、各単組が次の取り組みや組織強化、自治研活動に対する意識の向上をめざしていることが確認できます。

5. まとめ

 コロナ禍において、地域経済が疲弊していることはどの自治体にも共通しており、今後も深刻化が懸念される状況ではありますが、「自分たちも地域に協力したい 守りたい」といった声から、これまでの取り組みを進めてきました。
 まちとのつながりの重要性を意識し、地域支援活動に率先して取り組む姿に、各店舗や地域住民から多くの感謝の声をいただき、組合員同士でも「組合のイメージが良くなった」「地域を応援する取り組みを今後も継続したい」といった声があり、今回の取り組みからたくさんの成果があったと考えます。
 賃金や職場環境の改善など、自分たちの想いや要求の実現に向けた取り組みは重要ですが、「自分たちの自治体が困っているとき、組合の仲間と協力して地域支援に向き合える」こと、これは"組合に加入する意味"を考える上でも、胸を張って誇れる取り組みだと言えます。
 また、今回の地域支援の取り組みは"自治研活動"そのものであり、日頃から自治研推進について議論できている単組や、そうでない単組にとっても"自分たちのまち"について考える重要なキッカケになったと考えています。上川地本としてはこのキッカケを大切にし、自治研推進運動とも結合して大きく前進していけるよう、今後の取り組みにつなげます。
 新型コロナウイルス感染症とのたたかいは長期化も予想され、今後も活動の自粛が求められる状況ではありますが、"こんなときだからこそできる運動がある"という強い気持ちを持ち、上川地本全単組が一体となって取り組みを進めます。