【自主レポート】 |
第38回地方自治研究全国集会 第7分科会 福祉、環境、農業…地域の宝を探し出せ! |
2020年1月中国武漢市で発生した新型コロナウイルスは、2月上旬クルーズ船、2月下旬大阪市内ライブハウスでの集団発生(クラスター)など、「新型コロナ」との「未知の恐怖」とのたたかいとなった。保健所に設置された「帰国者・接触者相談センター」の未曾有のたたかいを感じながら、大阪市西淀川区保健福祉センターでも相当な対応を行いつつ、大阪市・大阪府での新型コロナ対策を備忘録的にまとめてみた。 |
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1. 2020年新型コロナウイルス関連~大阪府の対応を中心に~
2020年1月24日、中国武漢市で発症した新型コロナウイルス関連の対応で、大阪府新型コロナウイルス対策本部が設置され、相談体制は、発熱(37.5℃)、武漢市滞在を目安に、大阪府に電話相談窓口設置がされる。
2020年4月7日 安倍首相東京都・大阪府など7都道府県に新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言を発出(2020年4月7日から5月6日) 2020年4月13日 軽症者等の宿泊治療に係る宿泊施設の決定(スーパーホテル大阪天然温泉、大阪市西区)受入室数400室 2020年4月16日 緊急事態宣言を47都道府県に拡大 2020年4月17日 安倍首相すべての国民に一律10万円を給付(特別定額給付金) 2020年4月19日 大阪市生野区なみはやリハビリテーション病院 41人感染 2020年5月4日 緊急事態宣言を5月31日まで延長 2020年5月5日 大阪府独自の基準に基づく自粛要請・解除及び対策の基本的な考え方「大阪モデル」を作成(5月8日から) 2020年5月14日 「大阪モデル」達成、休業要請の大幅解除へ 2020年5月14日 安倍首相緊急事態宣言39県解除 2020年5月21日 大阪、京都、兵庫3府県休業要請解除 2020年5月25日 北海道・埼玉・千葉・神奈川・東京の5都道県休業要請解除 2. 大阪府の感染者 (1) 2020年5月17日現在検査実施件数 25,638件 陽性者数(累計)1,770人、現在陽性者数419人、入院306人、重症39人、退院1,281人、死亡70人 各市町村の累計(上位と下位) 大阪市732人、堺市103人、東大阪市89人、豊中市63人、吹田市60人 感染者 0人 島本町、忠岡町、岬町、太子町、千早赤阪村
(2-1) ピーク時の大阪府のPCR検査数・陽性者数
(2-2) 行政検査の体制拡充について(検査キャパの増加)4月22日 5月1日 1,639人(累計) 倍加時間 100人から 200人 15日 3月13日~3月29日 200人から 400人 7日 3月29日~4月4日 400人から 800人 7日 4月4日~4月10日 800人から1,600人 18日 4月10日~4月30日
(3) 新型コロナウイルス重症患者の治療を優先 3. 医療崩壊~帰国者・接触者相談センターからみると~ (1) 相談のパニック化新型コロナウイルス感染症のフォロー体制は、症状があると感じる(37.5℃など)と帰国者・接触者相談センターへ電話で問い合わせます。そこで要件が合致すると、帰国者・接触者外来(非公開、大阪府では約60医療機関といわれています)での受診、感染が疑われた場合検体採取しPCR検査、大阪健康安全基盤研究所、保健所へ結果報告、重篤な場合指定医療機関、ホテル療養、自宅待機など決定します。 中国武漢市、クルーズ船、ライブハウスなどの感染状況にくわえ、著名人のコロナ感染で味覚障害や突然の訃報とともに、毎日自治体から感染者発表の報道が、感染爆発への未知の脅威になったのかもしれません。 大阪での相談センターの件数は、3月末までは、1,000件を上回る件数でしたが、4月以降1日3,000件から4,000件を超える相談数になっています。しかしながら相談センターへいつ電話してもつながらないという苦情も殺到しました。 相談件数が増えると同時に、感染の判断をする帰国者・接触者外来への誘導も増え、PCR検査も3月末までは二桁の検査数が、200件、300件と日を追うごとに増えていきました。診断の結果入院などの調整は、保健所(大阪府下18か所)から指定医療機関と調整していましたが、急激な増加のために調整不能な状態になり、広域的に入院調整を行う「大阪府入院フォローアップセンター」を立ち上げて改善を図りました。
(2) 数字からみると 4. 大阪モデル ―― 今後の確保方針について ―― 2020年5月20日に開催された「第3回大阪府新型コロナウイルス感染症対策協議会」において、検査体制・新型コロナウイルス受入病床、今後の確保方針について決定しています。
(1) 検査体制の拡充について
(2) 新型コロナ受入病床 ① 重症188床、軽症中等症963床(合計1,151床) ② 公的医療機関(公立病院・日赤・済生会)31医療機関、665病床数 その他、民間病院等34医療機関、486病床数(合計1,151床) ③ 二次医療圏別総要請数 豊 能 8医療機関、 180病床数 三 島 4医療機関、 71病床数 北河内 9医療機関、 132病床数 中河内 5医療機関、 123病床数 南河内 5医療機関、 94病床数 堺 市 5医療機関、 87病床数 泉 州 9医療機関、 151病床数 大阪市 20医療機関、 313病床数(合計1,151床)
(4-1) 新型コロナ専門病院化に向けて(大阪市淀川区) 医療法人錦秀会阪和第二病院の新型コロナウイルス感染症専用病院化について 5月1日 新規入院の中止、5月20日転院・退院調整を完了 6月8日 新型コロナ専用病院として運用開始
参考① とても気になる記事があったので 1994年に保健所法から地域保健法に改正され、1997年に施行されました。地域保健法に基づき、都道府県、政令指定都市、中核市、施行時特例市、保健所設置市、特別区に保健所が設置(必置義務)され、同時に市町村は、市町村保健センターを設置できることになりました。 全国の保健所数は、意外と思う方が多いかもしれませんが、1994年の847か所から2020年には469か所へと半減しています(保健所長は原則医師である)。市町村保健センターは、全国で2,468か所あります(センター長は医師である必要はない)。(数値は、2020年4月1日厚労省ホームページより) 大阪府の保健所は、政令指定都市は大阪市・堺市の2か所、中核市は豊中市・吹田市・高槻市・枚方市・八尾市・寝屋川市・東大阪市の7か所、大阪府保健所(池田・茨木・守口・四条畷・藤井寺・富田林・和泉・岸和田・泉佐野)は9か所あり、合計18か所です。 市町村保健センターは、大阪府76か所(大阪市保健福祉センター24、堺市保健センター8、東大阪市保健センター3など)です。 主な役割は、保健所では、対人保健(住民に対するもの)と対物保健(地域に関するもの)、市町村保健センターでは、市町村レベルの健康づくりの場であり、母子保健・老人保健・介護保険など住民のニーズに合わせてきめ細かに対応しています。 今回の新型コロナウイルス感染症対策の中で、保健所の相談対応などについて負担軽減のテレビのドキュメントや新聞の記事などが見受けられました。 保健所では、電話相談の対応、PCR検査の対応、医療機関への患者の搬送、感染経路の追跡など多くの業務が一度にやってきたためです。
所属する西淀川区保健福祉センターでも、相談の電話が鳴りやまない状況でした。 6月9日現在、大阪でも一定の収束を見た状況ですが、これからも第2波へ備え、手洗い、うがい、マスクなど感染症の予防を十分に継続していければと思います。 |