【自主レポート】

第38回地方自治研究全国集会
第9分科会 「やっぱはまりで、ぬぐだまる」(津軽弁)

 西東京市教育計画には「公民館や他施設を拠点として活動する市民に対し、活動支援や相談を積極的に行うことで、新たな地域コミュニティの形成につなげます」と記されている。公民館専門員として、こうした課題に取り組むひとつの方法として、講座を通じて、団体を支援し、新たなコミュニティにつなげる事例としてレポートしたい。



地域の宝は公民館
―― 不登校の問題を地域の問題として捉え、
公民館の講座をつくる ――

東京都本部/自治労西東京市職員労働組合・自治研担当特別執行委員 松永 尚江

1. 2019年度主催講座 ~ゆっくりと未来に向かおう~を企画する

(1) 2017年度実施の講座「このまちに子どもの居場所をつくるために」の経験の先に
 私の働く、西東京市に中学校は9校ある。中学校の不登校の生徒数は多少の差はあるが1校あたり平均15人と言われている。適応指導教室に通っている生徒を加えると、もっと多くなると思う。全国的に見て多いのかどうかは分からないが、全く家から出ることのできない生徒達とその親御さんたちはどのように毎日を過ごし、何を考えているのだろう。不登校や引きこもりが大きな社会問題となっている今、この地域の課題を、現代的課題としてダイレクトに取り上げ、当事者が参加しやすい環境のもとで連続講座をつくりたいと考えた。
 2017年度に前任の田無公民館主催の連続講座で「このまちに子どもの居場所をつくるために」を実施した。この講座では、現在を生きる子どもたちが、いかに周りに気を使って生きているか。そして、親同士もまた孤立した中で生きているかを学んだ。SNS社会が子どもたちをさらに生き辛くしている事についても、講師の話を聞き改めて驚かされた。同調圧力という言葉もこの講座でその恐さを知らされた。この時の講座は参加者の8割が不登校の子どもを持つ親御さんだった。参加者からの意見は主に、学校の対応についての意見が多く、結局「子どもの居場所づくり」までは発展できなかった。そして、講座を終えてすぐに、私は田無公民館から現在の職場、保谷駅前公民館に異動となった。

(2) ~ゆっくりと未来に向かおう~を企画する
 西東京市の北の端に位置する保谷駅前公民館の周辺地域でも、わが子の不登校に悩む親御さんは少なくはなく、この地域でも不登校の問題に取り組む必要性を強く感じた。
 田無公民館の講座参加者の方々を通し、当事者の親御さんたちは「子どもの居場所づくり」についてのイメージまではまだ持てておらず「わが子への接し方」「父親の子どもへの関わり方」「学校に望むこと」など、身の回りのことを考えるので精一杯の状態であることを感じていたので、次に企画する講座は、親御さんの不安を軽くできるような講座を企画しようと考えた。楽になって欲しい。楽にならないと先のことをイメージするのは難しい。そんなことを漠然と考えていた。
 以前、不登校の問題を扱った講座を行ってきた経験から、学校に戻すことを目的とする講座にはしたくない。それが「通信制高校・サポート校」であったとしても、そこに行くことを解決とするような講座にはしたくないと考えた。
 当事者にとっては「自分らしく生きる」ことを考えるきっかけになって欲しい。親御さんにとっては「わが子を見守る」ことの意味を自分の言葉で考えてもらえる、そんな講座づくりを考えた。通信制高校・サポート校の進路相談はその先にあるひとつの通過点と考えて欲しい。そんな講座づくりをめざすことにした。
 こうした私の考えを理解した上で、一緒に講座づくりを考えてくれる講師を探すのはなかなか大変だ。そのため自分が企画するかもしれない講座の周辺情報には常にアンテナをはっておく必要がある。

(3) 講師を選ぶという仕事とは
 本講座では、まず社会福祉のパイオニアである白梅学園大学教授で社会福祉士・精神保健福祉士でもある長谷川俊雄先生に相談することにした。長谷川俊雄先生は横浜市役所・社会福祉職としてソーシャルワーカーを皮切りに、横浜保健所のソーシャルワーカーとして働き、公務員を辞してからも精神科クリニックに勤務、精神保健福祉士の仕事に従事し、現在は横浜市にあるNPO法人つながる会の代表理事や認定NPO法人フリースペースたまりばの副理事長も務めている超多忙の方である。
 講座「ゆっくりと未来に向かおう」の1回目に長谷川俊雄先生に話していただく内容を「子どもを学校に戻すことを解決としない」ということを軸にしてもらおうと考え、白梅学園の研究室をかなり強引に訪ねた。狭い研究室では女子大生がすし詰め状態でお弁当を食べていた。すっかり彼女たちの居場所になっているゼミ室の様子を見て先生との関係が良好なことがすぐに分かった。
 長谷川俊雄先生がゼミ室に戻るまでの時間、狭い部屋で女子大生に交じって10分ほど待たせていただいたのだが、そこは、私にとっても居心地の良い場所だった。
 長谷川俊雄先生とお話するのは初めてだった。私は名刺代わりに「るびゅ・さあんとる NO18」に記載された ―― このまちに子どもの居場所をつくるために ―― のレポートを持っていき、西東京市の公民館の講座からまちづくりにつながった事例などを知っていただき、こちらの本気度を感じ取っていただいた。また、宮城自治研の分科会の助言者西野博之さんと一緒に川崎市で「認定NPO法人フリースペースたまりば」の理事をやっているご縁もあり、自治研の話などもして、多忙な先生に講座の1回目の講師を受けていただいた。
 長谷川俊雄先生も学校に戻そうとすることは、やりようによっては暴力になると考えていて、お互いの考えに違和感は全くなかった。西野博之さんとともに、子どもの居場所づくりやひきこもり支援など多方面で活動している方だ。
 長谷川俊雄先生との話し合いの結果、1回目のタイトルを「思春期の子どもの『ゆらぎ』~子どもが安心・安全を感じられるために必要なこと」とした。
 そして、私はこの連続講座のタイトルを「ゆっくりと未来に向かおう」と決め、不登校の生徒とその保護者のための講座にすることを決めた。
 2019年6月22日を皮切りに全6回の講座として1回目を長谷川俊雄先生、2回目は宮崎洋子西東京市教育支援課長、3回目は当事者として不登校・ひきこもり生活研究所ヒューマン・スタジオ代表丸山康彦さん、4回目は通信制高校・サポート校 聖進学院院長 守矢俊一さん、5回目は不登校経験者 熊木太郎さんの話を聞いた後に進路相談会。6回目は進路相談会として通信制高校・サポート校と都立定時制高校の先生方にお願いし、各校ブースを開いていただいて生徒や親御さんの相談に乗ってもらうこととした。

(4) 講座の内容
① 1回目の長谷川俊雄先生の話から
 不登校という行為の中には「いのち」を守るための方略の場合もある。「いのち」を危うくする支援は暴力となることもあることを学ぶこととなった。また「見守る」ことの難しさを知った。~放置、監視、暴力にならない立ち位置とかかわり~。少数派の子ども・若者を社会(多数派)に近づけるのではなく、社会が子ども・若者へ近づいていくことが大切なのだということを理解した。
参加者の感想から一部を紹介
・とても勉強になり心の重みが軽減されました。子どもに寄り添える気持ちが大きくなりました。
・川崎のフリースペースを見学し、子どもたちの居場所づくりを考えたいと思いました。
・学校に通えることがゴールではない。うれしい、楽しい、おいしい、つながるという経験から力をもらえると困難に立ち向かえるようになり通えるようになる。そのように支えてあげたいと思いつつ、こうしろ、ああしろと言って緊張関係、対立関係でいてしまうのが申し訳なく思った。
・1から10まで共感し通しでした。子どもの居場所、つくりたいなぁ~という思いがふくらみました。「見守る」ってどういうことだろう? という問いかけ、印象に残りました。
② 2回目 宮崎洋子さんの話から
 西東京市の支援のシステムや間口の広さ、手厚い支援の施策についての説明があり、そのような支援の場があることを初めて知った参加者も多かった。
参加者の感想から一部を紹介
・学校にいかないことが必要な時期があると考え、子どもとゆっくり向き合う事が必要だと改めて感じるとても勉強になる時間でした。子どもの心とどう向き合うのか、そのためにどんなことを親としてやる必要があるか考えてみようと思いました。
・西東京市はスキップ教室やニコモルームの存在や教育支援課の方が寄添ってくれて、力になってくれるところだと思います。後半のグループの話し合いは、不安な気持ちを吐き出せ、また、心配事のひとつである進路についても実際の話を聞けて良かったです。
・臨床心理士の皆様が子ども達に寄添って関係を築いてくださっているのが伝わってきました。学校に戻すことが目標ではない。行かない時間も考えるためには大事な時間という言葉に自分の子どもへの接し方は間違っていなかったのだと自信を持つことができました。
・スキップ教室、ニコモの支援について知ることができてよかった。他の人の状況を知ることができ、不安や悩みが少し楽になった。今の状況から今後どうなるのか……。とても参考になりました。
・西東京市の教育支援課の方が「『学校』に行けば良い」のではなく『この子』の根本的な課題に思いを向けることが大切で、学校復帰じゃなく社会的自立をめざす」という考え方でいてくださることを知り、頼りたいと思いました。安心して相談できると思いました。学校にスクールソーシャルワーカーという方が来ていて、学校との間に立ってくださることも安心しました。
③ 3回目 丸山康彦さんの話から
 学校に行けなくなった頃、自分の中に何が起きていたのか、経験をもとに、不登校、引きこもりの心理を丁寧に聞くことが出来た。
参加者の感想から一部を紹介
・丸山先生の体験は、きっと不登校となっている子と同じで、親として参考になりました。ただ、本人が自発的に自分の将来を決められるようになるまで待ってそれが10年とかになったら大変だなぁ……と思ったりもしました。
・不登校の子どもの心理をわかりやすく分析、説明していただけて大変勉強になりました。進路に関しては、学校(全日制普通科)がだめだから定時制、通信制、フリースクールを選択するのではなく、横並びに見て自分にどこが合うのかを選択することが大切だということが心に響きました。家族も大変ですが、本人が納得いく人生を送れるよう支えていきたいと思います。
④ 4回目 守矢俊一先生の話から この回からは、中学校本人の参加もOKとなり、9人の中学生が参加した。
 今、高校を選ぶときに自分に合った学校を選ぶということがとても大切。都立の中にも、チャレンジ校、エンカレッジ校、総合学科高校、単位制高校などがある。定時制高校といっても、通う時間は朝・昼・夜とあり選べる。その中でも高等学校ごとに個性がある。自分に合うのはどこなのか選ぶことが大切だということが話された。
参加者の感想から一部を紹介
・娘が中3で今後進路を考える時期なので、とてもいいタイミングで具体的に学校の話が聞けて良かったです。
・チャレンジ、エンカレッジの違い等、よくわかりました。どちらも同じ様に思っていたので志望校選びの参考になりました。
・経験豊富なお話はとても参考になった。不登校になっていても高校を経ていろいろな進路選択ができることがわかった。
・具体的な話が多くて大変ためになりました。進路の多様化にはおどろきました。ありがとうございます。
・中3の息子がいます。4月から不登校になっていますが普通高校を希望しています。チャレンジ高校の知識は全くなかったので各学校の特色などを教えてもらえて助かりました。
⑤ 5回目、6回目 進路相談会
 都立定時制、立川高校、荻窪高校、東久留米総合高校、農芸高校の4校の副校長先生にお願いして、個別の進路相談を行った。また、通信制高校・サポート校14校にもブースを開いてもらい、個別の相談にのっていただいた。

講座の様子

進路相談風景

(5) 「つくしの会」の誕生へ
① 1回目8月3日
 このようにして連続講座が7月27日(土)に無事終了し、8月3日(土)に参加者同士の交流を目的に事後の会を開いた。この日は5人が集まり、講座の感想を話し合った。中には、長谷川俊雄先生が関わっている川崎のプレーパークに夫と小学2年生の息子が2人で行って来た。息子は泥だらけになって遊び、夫も楽しんで帰ってきた。と報告してくれる人もいた。
 サポート校に通っている息子さんがとても楽しく過ごしている報告をしてくれる方もいた。
 情報交換をするだけでも、集まった方たちにとってはとても有意義な時間であり場であることが良く分かった。
② 2回目9月1日
 それぞれのお子さんの近況報告を行った。中1から3年間不登校だった息子さんが今は、サポート校に元気に通っているとのこと、みんなからどのようにサポート校選びを行ったのか質問され、詳しく答えてくれた。また、ニコモルームに通っている中1の女の子のお母さんからはニコモルームの様子を教えてもらった。そして、せっかく講座で知り合ったのだから、もう少しこうしてお互いの情報交換を続けようという話になった。
③ 3回目を10月14日
 CASAワイワイ という近くにある有料のフリースペースで行った。
「この日は、不登校だけど皆さん給食費はどうしていますか?」
「来年保谷中学校に進学予定だがどうせいけないと思うが制服は作る必要があるの?」
「制服は卒業生からリサイクルしてもらおう……」など現実的な話題で盛り上がった。
 特にこちらからサークル化の話をした訳ではないが「会の名前、つくしの会はどうでしょうか。長い冬を超えて春が来たイメージで」という意見がだされ、サークル化が決まり、代表者と担当者もすぐに決まってしまった。そして、毎月第2日曜日の10時からを活動日と決めた。
 つくしの会は、自主グループとして毎月情報交換と行政への要望を考え、出し合い整理して行くことを当面の目標にして活動していくことを確認し合い、順調に活動している。

2. 「ゆっくりと未来に向かおうパート2」の実施

(1) 2020年度の講座づくり 市民参加の準備会をスタートさせる
 6月スタートの予定で準備してきた「ゆっくりと未来に向かおうパート2」は2019年の講座後に公民館に寄せられた「不登校の子どもを持つ親同士、もっとつながりたい」という声を受け止め、「つながろう」をテーマに企画することにした。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大のために延期となり、実施できるのかどうかも分からない状況に至った。しかし、そういった中でもやりたいという市民の方達とともに準備会を行い、企画の段階から関係する市民団体の方と一緒に考えることとした。
 新型コロナウィルス感染拡大のため国から緊急事態宣言が出たため3月1日~5月31日まで公民館は休館となり、主催事業もすべて中止となっていたが、7月に入って後期から行っても良いと、状況が変わったため8月5日に、市内の団体「でこぼこ」の立ち上げに関わった高島美希さん、「IPPO不登校の親の会」の代表中山裕子さん、そして「つくしの会」代表の田崎吉則さんに集まっていただき、どんな講座にしたいか話を聞いた。
 まず、コロナ禍の中でどのような講座にしようか……。について定員は前回35人だったが、今回は20人にすること。全員にアルコール消毒とマスクの着用をお願いすること、公民館は仕切り板を用意することを確認した。
 今回の連続講座のテーマを「つながろう」にしようということをみんなで確認した。
 トップバッターは昨年と同じ長谷川俊雄先生にお願いしお話の中に「つながることの大切さ」を入れてもらおう。
 2回目は「でこぼこ」の高島美希さんに自身の経験、特に行政への働きかけ、発達障害の子どもの通う通級学級を市内につくる運動(署名活動、陳情活動)、その結果通級学級を増やした経験を話してもらう。
 3回目は3人とも講師になり、それぞれの経験談と今所属している会の成り立ちと活動の紹介をする。講義後グループに分かれて「つながろう」をキーワードに話し合うことになった。4回目と5回目については昨年同様に進路についての講義と具体的な進路相談会を行うことも確認した。

(2) 講座の実施
① 1回目 10月11日 講師:長谷川俊雄 つながることで豊かに歩む  ~弱さを強さに、困難を宝物へ~
 参加は26人。9割以上が当事者のため定員を超えたが出来る範囲で参加をお受けした。
参加者の感想の紹介
・今日の講義を聞いて、私たちは知らず知らずのうちに「当たり前」という固定観念にしばられていたんだということに気づくことができました。決して自分が思っている認識が他人と同じではないということを頭に刻んでおいて、それを強制的に共有しないことが大事なのではないかと思いました。普通ってなんだ? 常識ってなんだ? と考えさせられる講義でした。
・「事実」を変えずに「評価」を変えるには自分の考えやものの見方を変えてみるという新しい発見をすることができました。ネガティブなことをポジティブに変えていくことは難しいけれど、それを自分自身が心がけていくことで子どもにもいつか伝わるということを知れてとても参考になりました。
・『不登校のままにして親子の対立をつくらない』ということが心に響きました。どれだけ親子がどうでもいい会話ができるかで子どもが自分を客観的に見られるようになる、は本当にそうだと思います。
② 2回目 10月18日 講師:高島美希 子どもの声、親の声を聴く地域、つながりの中で育てよう 
参加者の感想の紹介

・うちの長男も小3~通級を経験していたので、今日のお話はとても共感をもって聞きました。中学通級の審査に落ちてしまい結局通常級に進学したものの不登校に……。今日も討論で出たような、学校内の居場所や学校外の居場所を、やっぱりつくっていきたいなぁと思いました。市内の親の会が共同して要望を出す活動などしていけたらいいと思います。
・小6で不登校になりはじめて発達障害かもと言われました。今まで親子として見てきたつもりですが、まず、お互いを知ることが大事なんだと改めて思いました。ありがとうございました。
・傾聴することで前に進めたら良いなと思いました。焦らず焦らず向き合っていきたいです。
③ 3回目 10月25日 講師:高島美希さん 中山裕子さん 田崎吉則さん  ~つながろう 語り合おう ひとりでかかえこまないで……親の会からのメッセージ~
参加者の感想の紹介
・西東京の行政や地域の活動など、具体的に知る機会を得て良かったと思います。もっと積極的にいろいろな所に参加して情報を得て、何か自分なりに行動できることを見つけていきたいです。ありがとうございました。
・田崎さんのお話の中で「あ~あ~、PTA会長していても子どもは不登校になっちゃうんだ~って残念に思う時期もありましたよ~」という言葉がよかった。なんかホッとして笑えたです。
 親はがっかり がっかり がっかり をのりこえていくんですよね。みんな、私も……。
・色々な情報を得ることができました。仲間っていいなと思いました。
・個々の活動や経験を話していただいて参考になりました。グループ討議で話が出来たのも良かったです。皆さん話をしたいのだなあというのを感じました。
・講師の方は一人ひとり、個人によって状況が違うし、対応も違うことを分かっておられるので「こうすれば……」と上から目線で助言されないので気が楽です。ありがとうございました。同じ市内でも学校の対応は様々なんですね。1回目の参加前は緊張しましたが、今はいろいろな話を聞けることに感謝します。

(3) 講座でつながる。つながりから生まれる
 講座終了後、多くの参加者が、昨年講座後誕生した「つくしの会」に入会した。感想の中にあった「仲間っていいなと思いました」の通り、仲間になっていくのだと思う。
 そして、準備から一緒にこの講座を作り上げてきた、高島美希さん、中山裕子さん、田崎吉則さんからは、会を超えてつながり合い、コロナが落ち着いたら大きな会場を借りて講演会を企画したい。との声も上がっている。

各団体からの報告の様子

グループに分かれて本音で語り合う

3. つながりを大きくするために……公民館の役割とは

(1) 団体の活動支援は公民館の大切な仕事
 西東京市教育計画(2019年度~2023年度)第4章には■市民活動団体への支援相談「公民館や他施設を拠点として活動する市民団体に対し、活動支援や相談を積極的に行うことで、新たな地域コミュニティの形成につなげます」と記されている。私はこの事項を公民館専門員の大切な仕事のひとつと考えている。特に今回、準備会から関わってもらった3団体は困難を抱えた市民の方々の団体であった。それだからこそ、つながり、仲間をつくり、この地域で豊かに暮らすことを具体的に探ろうとしている。地域の課題解決のために公民館に出来ることはこうした団体を支え続け、点在している団体をつなぎ、勇気づけていくことではないかと考える。
 簡単に解決しない課題だからこそ、孤立することなく公民館を真ん中に、地域で活動する市民を支える。
 私の今回のレポートは、市民の団体活動を支援する公民館のこれからのあり方につなげることが出来ればとても嬉しい。