【自主レポート】 |
第38回地方自治研究全国集会 第11分科会 青森で探る「自治研のカタチ」 |
労働組合の自治研活動では、私たちの仕事が日常生活に密着し重要であるかを知ってもらうことで、職務の必要性を市民に認識してもらうことが重要な取り組みの1つとなっているが、それらを対外的に示す手段が限られ効果的な告知を行うことが困難であった。しかし、昨今のSNS普及等、インターネットを活用することで、広く告知することが可能であると考え現業職場・職種の対外的PR活動を立ち上げることとした。 |
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1. 札幌市労の現状 (1) 理 想組合活動としての自治研活動においては、その広域な活動から自治体住民との接点だけでなく、関係団体、組合員同士の繋がりを深めていくことも重要な任務の1つとなっています。その中には、自分たちの仕事を多くの人たちに周知し、その重要性を認識してもらうことが職の確立や職場活性化に繋がっていくものと信じられてきました。 (2) しかし、現実…… 実際には住民への周知は私たちが思っているほどは進んでいませんでした。また、組合員同士においても他支部の仕事が何をやっているのか全く知らない組合員が実は多数存在しているという現実がありました。 (3) 新規採用試験の課題 札幌市労では、毎年、新規採用を勝ち取ってはいるものの仕事の認知度の低さからくる現業職員採用試験受験者数の減少、そして合格者辞退者の増加、更には、業務内容の周知不足からくる採用職員が考える理想と現実の乖離から早期退職の誘発が続いていました。 2. 企画立案 そういった状況を鑑み、自治研活動の一環として対外的なPRを作成することを、清掃支部(ごみ収集・普及啓発・清掃工場等)教育委員会支部(給食調理員・学校用務員・学校業務員)建設支部(下水処理場・道路維持・運転手)の各支部から選出された8人の部員で意思統一を図りました。その議論の過程で出てきた意見をまとめると……
これらの内容に加え、このPR活動が成功することにより、一般的に世間から思われている《公務員=事務のみ》というイメージを払拭するだけでなく、専門知識やスキルを活用した職種があること、デスクワークだけでなく現場を含め多岐にわたる職種があること、それを周知することによる採用試験の受験者数増加・採用数増加という副次的効果を見込める可能性があること、更には、資料活用による組合員同士の職の相互理解が図れることなどを付帯提起として企画を立ち上げ、専門部員の意思統一をはかりました。 3. 作成にあたっての課題 作成にあたってはいくつかの課題が浮かび上がりました。
そういった課題に対して精査を行い、まずは、それぞれの職種の把握と組合員にはどんなスキルが必要で、毎日どんな仕事をしていて、何に充実感を覚え、どこに問題点があるか、対外的にアピールする職場や仕事のセールスポイントがどこにあるかを、職場を回り、組合員の生の声を集めることを行うことにしました。 また、データの保管方法については次のような対応を行うことにしました。
4. 作成にあたっての工夫
なるべく作成データについては簡素化する制約があったため、情報過多にするわけにもいきません。インターネットを通じての情報発信ということから派生し、閲覧ターゲットをどの層にするかという議論になった際、次世代を担う若者に閲覧してもらえるようにと考えた場合、PCだけでなくスマートフォンでも閲覧しやすくすることが必要であるとの意見もあり、SNS時代に合わせた議論を進めていきました。 その結果、表記方法を一般的に使われている「LINE」や「メッセンジャー」のようなメッセージ(吹き出し)形式にすることや、イラストの表記を挿入することが良いのではとの意見が部会内から出されました。 また、写真の掲載は控えた方が良いとの意見があったことから、代替案としてイラストで統一することとなりました。これには組合員のなかでイラストに長けている方を選出し、ご協力をいただきました。 職場紹介の寄稿にご協力いただいた組合員の方々は、熱い思いを伝えたい組合員が多く、文章量が多かったのですが、必要以上に文字数が多いと、スマートフォンでの閲覧が困難になるため、組合員の思いをできるだけ削がないように注意しながら内容を要約し、イラストを適度に配置し作成しました。 例)ごみの普及啓発業務を担っている「さっぽろごみパト隊」の紹介 5. まとめ この資料は2020年秋に完成し札幌市労のホームページに掲載中です。まだまだできたてで今後は活用方法や内容のクオリティアップも検討していかなければなりません。現在、新型コロナウイルス禍により市民PRなどの活動は行えませんが、エッセンシャルワーカーである私たち札幌市労に結集する現業組合員は、市民への公共サービスを止めることなく、勤務中はもとより日常生活においても感染防止に細心の注意を払いながら日々の業務を行っています。誇りをもって業務を行っている私たちの職場に、この職場PRを見た人たちが、やがて、私たちの仲間になっていくことを信じてレポートを終わります。
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