【自主レポート】 |
第38回地方自治研究全国集会 第11分科会 青森で探る「自治研のカタチ」 |
網走市では、新庁舎の建設に向けた議論が進められているが、より良い庁舎建設に向けて市役所で働く職員が日々住民と接する中での視点や、地方自治を担う市職員としての視点も欠かせない要素と考え、労働組合として議論し、本書のとおり、市役所新庁舎についてレポートとしてまとめた。 |
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1. 網走市庁舎の現状
こうした状況の中、網走市では庁舎建替に向けた議論が開始され、市内20団体の代表者及び市民公募5人から構成される新庁舎建替基本構想策定検討委員会で、構想編として「現庁舎の現状把握や問題点の整理」「新庁舎の基本理念や位置づけ」「新庁舎の建設場所」等が、計画編として「新庁舎の規模や建設計画、事業計画」等について議論がなされ、委員会での新庁舎建設候補予定地は旧金市館ビル周辺敷地とする方針が決定された。 市職員についても意見募集の機会が与えられたが、労働組合としても、より良い庁舎建設に向けて市役所で働く職員が日々住民と接する中での視点や、地方自治を担う市職員としての視点での意見反映が必要と考え、庁舎建て替えに向けて、「市民の視点」「組合員の視点」それぞれで議論した。 2. より良い市役所庁舎の在り方に関する意見 網走市労連執行部では、自治研推進部を定期的に開催し、「市民の視点」「組合員の視点」それぞれで次のとおり新庁舎に対する意見をまとめた。また、青年女性部では青年女性部員に対し、新庁舎への意見をアンケートで募り、議論の参考とした。(1) 市民の視点 <行政事務機能>
<市民活動機能>
(2) 組合員の視点 <行政事務機能>
※建設地については、 ・防災上の観点からは高台への建設が望ましいが、災害発生時の災害対策拠点の分散化を考慮すると、消防署南出張所からは離れた位置への庁舎建設が適当と考える。 ・網走市内の各種企業および金融機関が中心市街地付近にあることを考慮すると、現在地または現候補地への庁舎建設は市民の利便性からも適当と考える。 等、様々な意見が出された。 3. おわりに 今回の議論から、様々な意見が出され、新庁舎に対して求めるべき機能がどういうものであるか、利便性の向上や労働環境の整備を図るため、市職員が新庁舎に対し、どういったことを考えていくべきかを整理することができた。これらの議論から、職場環境の改善や、市民目線による市民にとって利用しやすい庁舎をめざすべく、新庁舎のあり方について市民、組合員それぞれの目線でまとめた。市庁舎は、市民にとってわかりやすく、利用しやすい施設であることはもとより、職員にとっても市民サービスの提供や政策立案のために、IT等の有効活用を含めた効率的な執務環境であることが必要である。また、市民ニーズの多様化・高度化、地方分権の進展などによる行政需要の変化に柔軟に対応できることや、市民が日常的に集い、憩い、ふれあい、学び、政策を創造していく場として、また、市としての一体感を醸成していく場として、市の象徴としてまちづくりに寄与する役割が期待される。 網走市労連としては、本レポートを網走市庁舎整備推進室に提出したほか、2020秋季闘争に際し、組合員からの新庁舎に対する声をまとめて独自要求書として当局に提出し、新庁舎に係る課題について今後も労使で協議することを確認した。 今後も、建設場所の決定含め、建設に向けた様々な動きが進んでいくが、より良い庁舎建設に向け継続して議論を続けていきたいと考える。上記の意見が、より良い庁舎建設の一助となり、行政サービスの質の向上、ひいては網走市の発展に寄与することを切に願っている。 |