【自主レポート】 |
第38回地方自治研究全国集会 第12分科会 昨日までの働き方…ちょっと立ち止まって考え直してみませんか? |
私たちが生活していく上で、毎日出るのがごみです。そのごみを回収し、処理しているのが清掃工場です。清掃工場が安全に稼働できなければ、街中がごみであふれ返り、衛生的な生活が送れなくなってしまいます。 |
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1. 名古屋市のごみ処理量等の推移 1999年2月の「ごみ非常事態宣言」以降の徹底した分別・リサイクルの取り組みにより、「ごみ非常事態宣言」当時(1998年度)と比べて2017年度のごみ処理量は約4割削減するとともに「ごみも資源も、元から減らす」発生抑制の取り組みにより、ごみと資源を合わせた総排出量も2割削減することができました。(1) ごみ総排出量 「ごみも資源も、元から減らす」発生抑制を基本方針に掲げ、取り組みを進めてきました。 ① 発生抑制の第一歩として、消費者・事業者との協働により、レジ袋有料化を全市で展開し、有料化実施店舗でのレジ袋辞退率は約9割を維持。 ② 製造メーカーによる容器包装の軽量化やインターネット、タブレット端末の普及による新聞の発行部数、雑誌の販売部数の減少等により、ごみと資源を合わせた総排出量を大きく減少し、発生抑止が進んでいます。 1998年度(ごみ非常事態宣言当時) 113.8万トン 2017年度 89.6万トン (2) ごみ処理量 市民の皆様の分別・リサイクルの取り組みにより削減できました。 1998度(ごみ非常事態宣言当時) 99.7万トン 2017年度 61.1万トン (3) 資源分別量 家庭から排出されるごみについては、2011年4月のプラスチック製品の分別区分変更以降、プラスチック製・紙製容器包装の資源分別率が15%低下しており、古紙・古布、雑がみの資源回収率も約1割程度にとどまっています。 また、事業所から排出されるごみについては、排出量の約8割を占める紙類と生ごみの資源化が進んでいません。 1998年度(ごみ非常事態宣言当時) 14.0万トン 2017年度 28.5万トン 2. 名古屋市のごみ処理の流れ 2017年度のごみ処理・処分場の状況は下図のとおりです。可燃ごみは4か所の焼却工場において焼却・溶融を行い、残った灰を処分場に埋め立てています。また、焼却灰の一部は溶融処理し、生成された溶融スラグを有効活用しています。焼却工場で焼却する際に発生する熱は、発電を行うほか、地元還元施設等で利用します。 3. 計画的な施設整備 現在、4工場が稼働していますが、処理能力の5割を南陽工場が担っています(南陽工場の設備規模は、他の3工場分に相当)。南陽工場の老朽化による休止時にはごみ処理量削減を前提にしても2工場分の整備が必要となることから、2020年度稼働に向けて北名古屋工場(仮称)の建設と休止している富田工場の既存建屋を有効活用した設備更新を進めています。南陽工場の休止と北名古屋工場(仮称)、富田工場の稼働により工場の規模がほぼ平準化されることから、これ以降は6工場体制(5工場稼働、1工場整備)で施設整備を進めて行きます。4. 清掃工場(既存4工場)の運営体制について 現在、南陽工場と猪子石工場が直営で運営しています。そして、五条川工場と鳴海工場(PFI)が民間委託で運営しています。南陽工場 …… 直営 猪子石工場 …… 直営 五条川工場 …… 民間委託(管理部門のみ直営) 鳴海工場 …… PFI 5. まとめ 2020年度の南陽工場の施設更新以降は、名古屋市の清掃工場で完全直営は猪子石工場だけになってしまいます。現在、利潤追求、運営の効率化が重視され民間委託化が進められています。しかし、委託による財政効果の前に安全な運転で十分な市民サービスが確保できるかどうかの検証を行い、直営運営の必要性を訴えていかなければなりません。 |