【自主レポート】 |
第32回北海道自治研集会 第Ⅰ-①分科会 市民と公共サービスの協働 |
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1. はじめに 公立図書館に指定管理者制度の導入が始まってほぼ3年が過ぎました。日本図書館協会2008年4月の調査によれば、自治体数で、2007年度以前に導入74、2008年導入予定28、2009年度以降導入予定71となっています。「検討の結果、指定管理者を導入しないとしている」自治体は、当面導入しないという回答も含めると400強あり、また、指定管理者制度を導入(2005~2006年度)し、2008年度から直営に変更した館も2館報告されています。さて、三条市立図書館も2008年4月より指定管理者制度が導入されました。今回は導入の経過および導入状況について報告したいと思います。 2. 三条市立図書館について 三条市は新潟県ほぼ中央に位置し、人口は約10万人、金物の街として全国的に知られています。三条市立図書館は1920年に設置され、現在の本館建物は1983年12月に開館しました。3年前の合併からは本館1、分館2、分室2、自動車文庫1、でサービスを行っています。指定管理者制度導入前年度統計では、蔵書数は約29万冊、利用数約40万冊、職員は、正規職員数9人、嘱託・臨時職員9人と分館夜間委託職員で運営されていました。読書会が数多くあり活発に活動しています。また、児童サービスは県内でも先進的な活動を続けており、2005年には子どもの読書推進活動優秀実践図書館として文部科学大臣表彰も受けています。 3. 三条市経営戦略プログラム 三条市は2005年5月に合併しました。新たな三条市は合併時における市民との約束事である施設建設を実現するための具体的な手法として、三条市経営戦略プログラムを2006年3月に策定しました。建設にあたっては総額190億円の資金が必要とされ、財源として合併特例債が70%充てられる計画になっています。残りの30%については行政コストの縮減により生み出されるお金が充当されることとして市民・議会に提示されました。 (1) 三条市経営理念 (2) 財政数値目標 (3) 定員管理指標 (4) 指定管理者制度が計画されている主な施設 4. 導入の経過 「三条市立図書館及び三条市歴史民俗産業資料館指定管理者募集要項」によれば、「三条市立図書館(三条市立図書館栄分館、三条市立図書館下田分館を含む。)及び三条市歴史民俗産業資料館は、民間事業者等の創意工夫を活かし、多様化する市民ニーズに、より効果的・効率的に対応することで、市民サービスの向上を図るとともに経費の削減がなされることを期待して、指定管理者制度を導入することにいたしました。指定管理者の指定にあたり、広く指定管理者を公募し、図書館及び資料館の2種類の施設を一体的に管理し効果的運営をしていただきたいと考え、両施設一緒の指定管理者として創意工夫のある提案を募集します。」と説明されています。 5. 選考の結果 次の理由により株式会社図書館流通センターが選定されました。 (1) 選定団体の概要 (2) 選定理由 6. 導入の効果について |
導入前と導入後を比較してみました。 |
効果:42,665千円 |
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職員数 | 20人 内訳:正規職員9人 嘱託職員2人・臨時職員7人 分館夜間シルバー人材センター2人 |
22人 内訳:館長1人 スタッフ21人 |
経費 | 140,995千円 |
98,000千円 |
職員数については2人の増。図書購入費は250万円程度増え、確かに市民へのサービスについては良くなったと言えます。また行政経費についても4,200万円の削減がなされました。結果として、それらのしわ寄せは職員賃金によるものであり、ワーキングプアと呼ばれるような賃金体系については、果たしてそれで良かったのかという疑問は残ります。 |
休館日 |
第3月曜日・国民の祝日・1月から11月までの月の末日(土・日曜日又は月曜日に当たるときはその直前の金曜日とする)・12月28日~翌年1月3日・特別整理期間(2月上旬10日間程度) | 第3月曜日・1月から11月までの月の末日(土・日曜日又は月曜日に当たるときはその直前の金曜日とする)・12月28日~翌年1月3日・特別整理期間(2月上旬10日程度) |
開館時間 | 月曜日~金曜日:午前9時30分~午後7時 土曜日および日曜日:午前9時30分~午後5時 |
月曜日~金曜日:午前9時30分~午後8時 土曜日:午前9時30分~午後7時 日曜日:午前9時30分~午後5時 *祝日は午後5時まで |
引継ぎ期間が3ヶ月となっていますが、新スタッフの採用事務の遅れのため、実習期間が十分に取れなかったように思います。そのため不慣れや不具合に対する苦情等がありました。 |