【自主レポート】 |
第32回北海道自治研集会 第Ⅰ-①分科会 市民と公共サービスの協働 |
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1. はじめに 前回は文化財の活用を総合学習―出前授業などの事例を紹介しながら模索した。 2. 文化財活用の意義 (1) これまでの文化財活用 (2) これからの文化財活用 3. 学校跡地での文化財活用? 体感総合施設を構想する いままでも、学校などからの要望で、京都市内の発掘で判明した遺構・遺物について普及と喧伝に努力してきた。近年はとみに普及事業にも関わりを深めてきた。修学旅行生発掘体験の受け入れ、小中学生チャレンジ発掘体験、総合学習に関連しての出前授業で、火起こし・石器での紙きり体験・土器文様作り・石包丁作りなど行ってきた。 |
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これらの体験も踏まえて、学校跡地のグランドと校舎での文化財の活用の意義や可能性について検討してみたい。グランドと教室を組み合わせて文化財の活用を模索し、体験ゾーンとして喧伝する方向を検討してみたい。 (1) 博物館の代用として
(2) 活用の拠点―体感総合施設として |
京都新聞(2006年12月5日) |
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京都新聞(2007年2月17日) |
③ 観光事業との連携 4. 事業の継続・発展のための (1) 埋蔵文化財研究所は、本来行政が行うべき埋蔵文化財調査をここ30年間、一手に担ってきた。外郭団体とはいえ、埋蔵文化財事業が京都市の中で、公的な存在意義があるという認識を確立すべきである。京都の観光や文化の発展にとって、必要な要素という認識がなされるべきである。その上で、必要な措置を講ずべきである。 (2) 教職員との連携が大事である。学校での総合学習や出前授業は、歴史や文化を生きた教材として、体験から得られるものは多大である。しかし、それを、企画参画し指導する側の教職員は発掘体験等していないので、受け身にならざるを得ない。歴史関係の教職員にとって、発掘などによって歴史教材を体験的に把握することは重要である。実際に発掘現場で研修することで、その体験を授業に活かしていくことは、授業内容の豊富化・活性化に更に寄与できることにつながろう。 5. まとめ 京都の特性は1000年の都の歴史の中で培われた、他都市にはない歴史的遺産や伝統文化・産業などにある。「京都創生」で「京都を観光立国の戦略拠点」にというのは、この点を基盤にしてのことである。他の大都市と同じような産業発展の道は、単純化・平準化した発展であり、京都である必然性はない。そうではなく、京都ブランドを活かした事業の発展こそが京都の未来への道であるとしている。歴史を見学し、体感し、味わう、などの視点を基盤にすべきである。そこに、埋蔵文化財の活用を組み込んで京都創生の一助にすべきである。 |