1. お互いの職場を知ることから始める
初めは、十勝総支部自治研推進委員会をどうしていこうかという議論からでした。
『行政改革に対する反論としての自治研だが、自分たちの問題から脱し切れていない。自分たちのものを守ると言うものではなく、地域とのつながりをどう作っていくか。地域の力、味方になっていないことを、自分たちの権利主張が市民権を得ていない状況がある。「自己保身」だけでは道民運動になっていかない。道民利益を、道政を担う者として総合的に考えていかないとならない』―この間の公務員バッシングを受けて運動を進める中では、どうすれば道民に受け入れられるのか、理解してもらえるのかを考えた結果出てきた意見でした。
この間の運動でもなかなか先が明るくならない状況の中では、「建設的、将来に希望が出るような、みんなで楽しい街づくりなり地域活性化策を考えられればいい」とも考えましたが、職場を通り越して、地域に受けが良い制度政策、地域振興策を考えてしまうのでは自治研とは言えない。「まずは、人が変わったから自治研の意義・課題を話しあおう」となりました。
そうして、第1回目の委員会において行った学習会では、『自治研の活動は、何でもありでフリーな視点、住民目線などもあって自分の職場を問い直す。仕事のやりがい、働きがいを考え、「これで良いのか?」「なぜこうなるのか?」「どうするべきか、どうできるか?」を考えていく、「役所の職員」だけではなく、労働者として、住民として考えていく、それを進める仲間・組織の力は組合運動の原点でもある』と確認しました。
その後の意見交換でした。ある税務職場からは「思考が停止している。法律や条令で決まっているから流れてくる仕事とかである。しかし一方では国で決まって無くなる職場もある。この仕事の社会的意味を住民に理解してもらうと言う取り組みは無いと思う。道路特定財源が無くなれば、免税軽油のセクションがいらなくなる」、ある税外収入を扱う部所からは「料金徴収の際に住民から、口座引き落としにならないのかと言われた。それであれば、こちらもいちいち納付書切らなくて良いし、相手側も負担軽減になる」そして「住民ニーズと自分達の仕事の関係をどう考えるかだろう」という話が出されました。それを聞いていた一人が『今色々職場の話出たが、聞いていて耳新しく、非常に興味深いと思った。思えば、他の人の仕事知らない』。もう一人は『団体交渉の時の発言聞いて「あーそうなんだ」とその時初めて他の職場実態を知ったこともある』。他の委員からも「団体交渉する前に、あらかじめ他の職場のことを知った上で交渉する方が、みんなで追及できるよね」「そうしてみんなで当局を攻撃することで団結出来るよね」という話が出ました。
「同じ労組だ」と良いながら、十勝の各地域に働いている職員同士がお互いの仕事を少しも知らずに「一つの労組です」とはいえない。やはり、全ては職場実態の交流から始まるんだと改めてその大事さを認識した出来事でした。全ての運動もそうした職場の問題から相互理解していかないと団結は生まれない。「まず、職場実態を出し合って交流しよう」「職場実態の交流から」を土台にして考えていこうと。
このレポートは全体的には研究が深いものではないかもしれませんが、『自治研』を、今後より深めていく、地域や道民にも目を向けた職場改良の意識を高めていく途中での、各職場から出された、職場実態です。
2. 帯広土木現業所
現在、私が所属しています帯広土木現業所とは、北海道東部に位置する東西約110km、南北約160kmに及び、周囲は太平洋、大雪山国立公園、日高山脈襟裳国定公園に囲まれ十勝平野の中央部には大雪山系を水源とする一級河川十勝川が流れており、道内有数の自然環境に恵まれている1市16町2村の十勝地域を管轄しており、十勝支庁の出先機関として地域に密着して、河川(一級河川及び二級河川の223河川で延長2,282.1km)、道路(道道107路線で延長1,706.5km)、砂防(1,394箇所で12,620ha)・急傾斜地(432箇所で1,064ha)、海岸(72km)等について、公共事業の施行等に関する業務や公共施設の管理及び維持に関する業務を主に行っています。(2006.4.1現在のデータ)
「公共事業の施行等に関する業務」としては、所管している公共施設の工事の計画、発注、契約、監督や工事に必要な事業用地の取得など行うことです。河川を例にあげると河川の氾濫等の災害などを無くすために事業計画(調査・検討)をたて、河川の幅を広げたり、蛇行している箇所を直線にするなどを行っています。
「公共施設の管理及び維持に関する業務」とは、各法令に基づき所管している土地・施設などの財産を管理することで、例えば河川敷地内に道路橋や電柱・電線などの施設を設置する場合に法に基づく許認可が必要となり、許可や敷地の使用に伴う占用料の徴収なども行います。維持としては、パトロールによる現状把握、機能確保のための維持補修工事等(堤防等の草刈り・道路の舗装補修など)、冬期交通を確保する除雪、災害時や緊急時の対応などを行っています。
(1) 河川GISについて
2008年度より、河川GIS(河川図・樋門樋管データ・苦情・防災対応などのデータがシステム化)が導入されたが、道路・砂防・急傾斜などについては導入の計画はなく、現場では、すべて同一システムでのデータ化を行うべきであり、使用できるのが技術職員専用の積算システムPCのみであり、管理事務が繁雑化している。
問題点について、組合協議・説明会などで問題提起しているが、計画が無い・予算の都合上等の回答で、河川のみが進んでいる状況である。本庁建設部は、河川課・道路課・砂防災害課など部署があり、情報の共有が行われていないと思われる(縦割り行政)。
縦割りの業務ではなく情報の共有を行い、計画段階から現場の声も反映することが大切である。
(2) 公物管理員兼運転技術員の方々の職変について
土現では、2008年度より、道路の公物管理パトロールが委託化され、公物管理員兼運転技術員の方々が職変となり、1年間の研修として、各課で慣れない業務に葛藤しながら日々を送っている。異動の際、管理職からの説明が少なく、職員が不安を感じる状況となった。
職変した方々へ対応については、管理職に責任がある。職変された方々に対して適切な対応をすべきであり、職変した方々の状況を把握し、問題点として取り組む姿勢が無く、管理職としての責任感が欠如していると思われる。
この状況について、帯広土現支部では、職変後の状況の把握に努め、より良いサポートができる職場づくりを目指す支部活動として、研修が充実したものとなるように、支部で職制に対して要望を行ったり、職変した方へ現在の心境を意見聴取メールで確認した(個別に回答を行った)。今後は、アンケートなどを実施し、状況を把握して今後の対応について検討していきたいと考えている。
(3) 事業量策定協議について
土現は公共事業を行っているが、該当業務を行う職員の配置数は、「事業量策定協議」(労使間の協議)により事業費・事業量に見合った人員として配置されている。しかし、近年は公共事業の大幅な減少を理由により、配置定数を削られている状況である。事業費は減少していることは明らかであるが、他官庁との協議・住民意識の向上による対応などにより、業務量は減少していないのが現状である。慢性的な時間外勤務の要因となることから、事業費を重視した人員配置に問題がある。
このことから帯広土現支部では、慢性的な時間外が勤務の一因と考えられるため、分会の要望をもとに、条件整備含めた問題点の整理に取り組み、「事業費を重視した人員配置ではなく、時間外勤務状況などの業務量(職場実態)も重視した配置定数」とするよう求めている。
3. 畜産試験場
(1) 畜産試験場試験場の機構および業務内容について
道立畜産試験場(新得町)は、畜産研究の集中化と効率化を名目に、2000年度に滝川畜産試験場と新得畜産試験場が統合し、北海道畜産の総合試験場として発足した。2008年4月1日現在の職員数は研究職員48人、行政職員72人(元研究職員1人、元農業技能員57人)、農業技能員10人、普及指導員2人、計132人となっている。家畜数は乳用牛69頭、肉用牛664頭、繁殖豚201頭、鶏1,723羽、めん羊282頭、馬が20頭の規模である。これらの家畜を利用し、10研究科体制で多種多様の業務を行っている。
肉牛育種科は黒毛和種種雄牛造成および外国種(アンガス)種雄牛の貸付、育種的能力の高い雌牛の受精卵配布、道内黒毛和種の育種価評価、受精卵移植やクローン技術を利用した検定方法の開発、DNAマーカーによる遺伝子の検索などがある。
肉牛飼養科は黒毛和種を用い、高品質牛肉生産のための哺育・育成・肥育・繁殖などの飼養試験に取り組んでいる。
中小家畜育種科は豚についてSPF条件で大ヨークシャー種の改良や生産技術についての試験を行うほか、ランドレース種の譲渡を実施している。
中小家畜飼養科はめん羊の種畜供給と地鶏(北海地鶏)の更なる改良と生産性向上を図っている。
病態生理科は乳牛の起立不能症、肉牛の尿石などの疾病予防・治療および牛の消化生理について研究している。
感染予防科は牛乳房炎、牛や豚の呼吸器病、人畜共通感染症などの予防、診断、対策に取り組んでいる。
受精卵移植科は受精卵移植、体外受精、受精卵の凍結保存、クローン、核移植などの先端的技術開発を行っている。
遺伝子工学科は地方自治体では唯一取り組んでいるBSEの感染試験、遺伝子導入、遺伝子増幅による牛胚の性判別やヨーネ病の診断などの技術開発に取り組んでいる。
草地飼料科は北海道にあった飼料作物の品種選定、草地の簡易更新法の開発、粗飼料の品質測定について取り組んでいる。
畜産環境科は主に家畜糞尿の処理とその有効利用について研究し、未利用資源の飼料化やエネルギー利用にも取り組んでいる。
技術普及部は全道の家畜改良普及センターと連携を取りつつ、畜産試験場の研究成果に基づく新技術の普及やコンサルティングを行っている。
(2) 畜産試験場における問題点
① 研究課題審議上の問題:現在は新たに試験課題に取り組む場合、課題の計画書について各研究部所で論議をした後、それぞれの試験場全体、中央農試企画調整課、企画振興部科学技術振興課、農政部技術普及課と4つの部門での審議を経なくてはならない。もちろん、試験課題は予算に大きく影響するため、十分な検討が必要であることに異論はない。しかし研究職員は試験課題で想定している現在の問題点、試験の目的、解決のための手段についてそれぞれの担当者に対して説明するが、畜産の分野に明るい担当者だけではないため、その都度試験の説明や質問への回答などに膨大な時間と労力を要する。事前評価調書が加わったことでよりこの傾向は強まったように思う。また、試験課題の予算化を進めたいがために、無理な項目の付与や本質とは異なる方向性へ転換しかねない一面も含まれている。
② 何のための試験課題か?:試験研究には緊急の課題に短期間で対処すべきもの、中期の視点で問題解決にあたるもの、未来を見据えて長期継続的に行う必要があるものなどが考えられる。試験課題には事前評価、中間評価、事後評価、さらに追跡評価で成果を求められる現況であるため、短期間で、確実に成果が挙げられるものだけが優先される。北海道として農業技術開発に対して貢献する課題より、良い評価調書を書きやすい課題を優先するのでは本末転倒である。また、ここ数年、道の財政悪化を受けて外部資金に対する試験課題の応募が奨励されてきた。しかし、外部資金による試験研究では北海道の未来に向けた明確な方針を持った試験課題とはなり得ない。産業に対して「試験研究」の寄与は表面から感じにくいが、建築物でいうと「基礎」や「支柱」であり、ここで手抜きをすると産業全体の耐震強度が下がり崩壊を招く。
③ 畜産試験場の存在意義:畜産試験場は維持経費が莫大であるといわれ続けており、そのことが独立行政法人化を視野に入れた縮小が叫ばれている一つの理由である。しかし、北海道の畜産業は単純な畜産生産額で4,000億円を超え、2次的、3次的な経済波及効果を考えるとその規模は計り知れない。畜試では一般の家畜生産者では到底行えないような特別な処理、新技術の利用、極端な飼育条件で研究することもある。行政は畜産試験場の規模を縮小したいがため、現地(畜産農家)での実証試験を推奨している。しかし自然科学である以上試験研究にはリスクが伴い、それは生産者にリスクを押し付けることに他ならない。「絶対成功する」ことが保障されている試験はないのであり、それを請け負うのが公的研究機関の重要な役割ではないのだろうか。そして畜産試験場は試験研究だけではなく、道の政策に基づき種畜(牛・受精卵・種鶏)配布事業、JA等関係団体への研修会や講演、各種学会・研究会の事務局的役割も果たしている。このように畜産試験場は北海道畜産に関して多くの貢献をしており、他都府県などと比較しても人員が多すぎるとか研究予算が浪費されているという批判は当てはまらないと考える。畜産試験場では農科系大学、独立行政法人では実行困難な北海道に根ざした労力のかかる課題を担ってきたことでその存在価値を高めてきたのである。
④ 畜試の組織体制と今後について:2005年には151人であったが、先に述べたように2008年現在畜産試験場の職員数は132人とこの3年間で20人も減員されている。この間、粗飼料生産や場内管理の委託を余儀なくされてきたが、それら委託業者の契約や管理などで職員1人1人の業務量は増大している。「研究職員」のイメージとしては白衣を着て実験室で試験管やフラスコを振っている姿を想像されるかもしれない。しかし、特に家畜管理に関わる研究科では、実際にはつなぎと長靴で、体重測定・採血・移動・発情監視などの作業、畜舎での家畜の変調や不慮の事故による招集など、家畜管理作業に費やされる時間も多い。今後「成績第一主義」により評価される仕組みとなりつつあるが、このような直接論文や研究報告にかかわらないような作業の評価は誰がどのように行うのであろう。
またこれまで畜産の試験研究において重要な役割を担ってきた「農業技能員」の職名が廃止され、「技師」または「主事」に職名変更となった。特に畜産の農業技能員は、365日、祝祭日を問わず家畜管理体制にたずさわり、専門的知識と経験において研究をサポートしてきた。職名が変わってもこのような体制を維持できるような機構編成を切に願う。
さらに詳細な検討もなく、農業試験場の独立行政法人化が進められようとしているが、この移行作業に畜産試験場の調査だけで数億円単位の費用が必要であるとのこと。そのお金があるくらいなら、今でもできることで改善を図ることは可能ではないだろうか。
現在ほぼ全ての科が欠員を抱え、病気による長期休職による離脱や公務災害の増加など厳しい労働環境を強いられているが、今後労働環境はより劣悪になる懸念がある。このような状況でいずれ訪れるであろう国際的な他国との農産物・食糧調達競争の激化の嵐に北海道農業が耐えうるような技術提供を続けられるかどうか懐疑的にならざるを得ない。
(3) 解決へ向けて
畜産試験場では研究職員の組合員による「研究員会議」という組織がある。現在その中で「農業生産現場における課題と解決策」を各科担当者が発表し、見解を共有するといった取り組みを行っている。このような話し合いの場を農政部に広げて、関わる行政職員と研究職員とで、これまでの研究課題検討会議の合間などの片手間ではなく、同じ場所で論議する場を設けることが必要ではないか。まずは北海道の財政状況抜きで、今後の北海道農業の課題解決に向けて自由な意見を交わせるような状況で。今の課題検討方法では一瞥して却下されそうな実現不可能と思われるような課題でも、これまで人類は技術の進歩により不可能を可能にしてきたのだから、今は無理でも将来何とかなるかもしれない。
もちろんわれわれ職員一人一人がそれぞれに意識をもって切磋琢磨し、現在行わなければならない課題に対応していくことが何より重要で、それは今日からも取り組み可能な事項である。
4. 緑ヶ丘病院
1953年、帯広市に精神科専門病院として開設(精神145床)、十勝第三次保健医療福祉圏の精神医療を担ってきた。1984年、現在の十勝支庁音更町に移転し、社会復帰施設を併設するなど、隣接圏域を含む道東地域における精神医療センターとして役割を果たしている。
【概要】 精神・神経科単科病院 270床 (運用216床)
〈特徴〉・「児童」「高齢者」「アルコール」などの専門外来を開設
・精神科訪問看護を実施
・精神科救急医療システムに参加
・機能別に病棟運営
〈実績〉外来患者数 一日平均210.4人 入院患者数 一日平均176.4人
※ 臨床検査業務(主に生理検査)
総検査件数 24,500件(検体検査90%、生理検査5%、外注5%)
現在、代替の医療機関がない広域医療や法的設置義務がある精神医療などは、北海道が責任を持って行うべき不採算の政策医療であるが、公営企業としての経済性を求められている。
これらに対しては、不採算医療に対する一般会計からの繰出基準を明確にすることや、道民に対して道が責任を持って医療体制を供給するために、地方公営企業法の全部適用など直営で病院を運営するべきである。
また、現行制度による組織体制では、病院の運営や経営に対する責任体制が不明確であるため、管理者に権限を付与し、経営責任を明確にすべきである。しかし、道は公立病院の見直し方針を打ち出し、北海道としての責任を放棄し、医療を切り捨てる姿勢しか示していない。
5. 十勝保健福祉事務所
十勝保健福祉事務所は、十勝管内の保健医療福祉行政(医療施設の指導、難病・エイズ対策、障害者関係、食品衛生、環境衛生、各種検査等の業務)を担っている。
[推進委員の業務]
・障害者自立支援医療(精神通院)受給者証の交付事務
(精神障害者が通院治療を受ける時に、医療費の公費負担を受けるための受給者証を交付する。)
・精神保健福祉手帳の交付事務
(精神障害のために日常生活の制約があることが認定された人に手帳を交付する。)
職場の問題点としては、保健師等の有資格者が産休や育休で休職した時に、臨時職員による職員の補充が行われるが、市町村や民間の医療機関の方が賃金が高いため、求人募集を出しても資格を持つ人は募集してこない。そのため、臨時主事の任用となり、休職者がいる係は負担が増すかたちになっている。
これらの問題に対しては「特例賃金単価の設定」を本庁に申請したが、設定は困難であると回答が出され、現場の実態を無視した状況である。
こうした状況では、賃金が市町村や民間より安いため、有資格者は他の賃金が高いところへ流れていってしまい、結果道行政としての保健福祉体制が不安定なものとなってしまう。
やはり、賃金単価を上げなければ、有資格者の確保は難しく、求人情報が潜在有資格者の目につくような募集案内を検討する必要がある。
6. 十勝森づくりセンター
(1) 業務内容
森林整備(立木販売、森林の公益的機能の維持管理)(推進委員の仕事)・治山ダム、林道の管理、森林機能の早期回復(植栽など)・森林ボランティア活動、イベント(学習会など)の開催(学校、市町村など)・入林許可、山火事予防、保安林管理などを行っている。
(2) 職場の問題点
職場の問題点としては、悪路や、狭い道(2m位のところも)危険な落石がある林道を毎日通行しながら、熊や蜂、滑落の危険と隣り合わせで業務をしている。しかし、それに対する保障も十分ではなく、公用車運転においても個人責任を問われる傾向もある。また、公宅の老朽化が激しく、修繕費も十分ではないため、労働・生活環境としては十分ではないものとなっている。3人一組でチームを組む中では、一人の欠員も業務に支障を来すことから欠員の補充をしっかり行うべきである。
「森づくり」が道民にどのように見えているのか。『森を守ることは水と空気を守ること』
私たちの働く環境と、森林を守る体制をどう考えていくのかが、この広い北海道の大自然を守り、水と空気をどのように守るのかにつながり、『環境』を考えるきっかけを与える。
サミットでは環境がテーマであり、「地球温暖化」と「食糧」などがテーマであるが(6月時点で記載)、農林水は北海道の大事な基幹産業である。(農林水の連携が必要。庁内の『横のつながり』が薄い。同じような事業を縦割りでそれぞれ別々に行っている。例えば『小学校出前授業』。こうした問題は仕事上での職員同士の交流が少ないためではないだろうか)
その「木の幹」を守るものとして、「森づくり」を考えていきたい。
7. 農業大学校
(1) 農業大学校の業務内容
総務、会計、畜産、畑作園芸、研究、研修の各部門に分かれ学生指導、各種研修、農場運営などの業務を行っている。内、自分の担当する畜産班の業務内容は下記のとおりである。
畜産班の業務内容
① 学生指導
② 農場管理 乳牛・肉牛の飼養管理、飼料作物の栽培収穫、生乳の出荷、肉牛の販売など
③ 農場運営物品の要請、予算管理など
(2) 職場で起きている問題と議論した結果について
執行委員会で検討した内容について紹介する。
① 旅費制度について
農業大学校は本別町にあり、出張の際、鉄道利用の場合は池田までバスで移動することになる。また、航空機利用の場合も同様に空港までの移動に不便がある。接続の関係で、場合によっては、早朝や夜遅くの移動となる。公用車での移動や自家用車の利用を認めてほしいとの要望がある。
執行委員会では、職場内部で公用車の移動が可能かどうか確認することとした。
② 公用車の移動距離
学校訪問や、学生の研修先訪問など全道各地の出張があるが、農場などは交通不便地のため公用車での移動となる。農業大学校の組合確認事項で、一般職員の公用車運転は1人200km、2人で300km以下となっている。この距離を超過せざるを得ない場合が発生するので、組合協議で認めてほしい。
執行委員会では、職場内部で解決できる方策を検討することとした。
③ 公用車の高速利用
上記に併せて、長距離移動の負担を軽減するために、高速道路の利用を認めてもらいたい。
執行委員会では、職場内部で解決できる方策を検討し、2008年7月より、十勝管外への出張で、短縮効果があると、事前の決裁で認められた場合は、公費で利用可能となった。
④ 予算の執行について
旅費や物品など、年度末に予算消化のために執行されていて、このような時代でも節約しないことが疑問だとの意見が出た。予算消化は次年度の予算執行のため必要で、返したら大変なことになるという恐怖があり、上の段階での議論が必要との意見があった。
執行委員会では、この問題は組合で解決できる問題ではないが、だれも意見を出さないと、何も変わらないので「まず声を上げてみることが大切だ」との思いで自治研に提案することとした。
⑤ その他意見
公宅料や特地手当などに関する意見・要望もあがったが、自治研ではなく総支部への要望として要請することとした。また、残業などの問題については、担当内での業務の整理が必要なので、検討してもらうこととした。議論の場が必要な場合組合として対応することとした。 |