【自主レポート】

第32回北海道自治研集会
第Ⅰ-②分科会 立ちあがれ自治体職員 ― 地方自治の可能性を探る ―

藤沢市職員の地方自治に関する意識調査結果報告


神奈川県本部/藤沢市職員労働組合

 昨年11月、皆様にご協力いただきました「藤沢市職員に対する地方自治に関する意識調査」アンケートの集計がおわり、『藤沢市職員の地方自治に関する意識調査報告書』として取りまとめました。
 アンケート調査につきましては、消防職場を除く全職場(221職場・2,906件)に配布させていただいたところ、199職場・2,041件(回収率70.2%)の回答をいただきました。多くの方のご協力に、心より感謝申し上げます。
 この報告書は各職場に配布させていただきます。「日頃、職員は藤沢市の行政運営(経営)に対してどのように考えているのか?」など、とても興味深い内容となっておりますので、是非ご一読ください。
 以下にはこの報告書から一部抜粋した内容を掲載いたします。

Q:日常の業務に対してどう感じていますか?

  うまくいっている まあまあうまくいっている うまくいっていない
無回答
合計
事務職
55 561 82 7 705
7.8% 79.6% 11.6% 1.0% 100.0%
技術職
11 207 55 3 276
4.0% 75.0% 19.9% 1.1% 100.0%
専門職
10 199 24 4 237
4.2% 84.0% 10.1% 1.7% 100.0%
現業職
48 228 57 10 343
14.0% 66.5% 16.6% 2.9% 100.0%
病院職
5 217 192 3 417
1.2% 52.0% 46.0% 0.7% 100.0%
無回答
1 12 4 46 63
1.6% 19.0% 6.3% 73.0% 100.0%
全体
130 1,424 414 73 2,041
6.4% 69.8% 20.3% 3.6% 100.0%

A:まあまあうまくいってます。

 全体で見ると、「うまくいっている」と感じている職員は1割以下(6.4%)で、約7割(69.8%)の職員は「まあまあうまくいっている」と感じている一方、約2割(20.3%)の職員は「うまくいっていない」と感じていた。
 職種別に見ると、「うまくいっている」という回答が最も多かったのは現業職(14.0%)で、次に多かったのが事務職(7.8%)であった。逆に最も少なかったのは病院職(1.2%)だった。「うまくいっていない」と感じる職員が最も多いのは病院職(46.0%)で、次に技術職(19.9%)が多かった。

Q:前問で日常業務が『うまくいっていない』と答えた人にききます。
  その理由は何ですか?

 
①与えられている業務量が多すぎる
②自分の能力では処理できない
③業務が自分に合わず、仕事に意欲が出ない
④職場の雰囲気が悪い
⑤自分の処遇(役職)に不満がある
⑥業務に見合う賃金でない
⑦その他 回答者総数
事務職
50 15 23 22 3 7 13 82
61.0% 18.3% 28.0% 26.8% 3.7% 8.5% 15.9% 100.0%
技術職
34 11 10 19 3 7 6 54
63.0% 20.4% 18.5% 35.2% 5.6% 13.0% 11.1% 100.0%
専門職
17 3 3 9 2 4 3 24
70.8% 12.5% 12.5% 37.5% 8.3% 16.7% 12.5% 100.0%
現業職
47 6 10 29 3 10 8 57
82.5% 10.5% 17.5% 50.9% 5.3% 17.5% 14.0% 100.0%
病院職
145 23 22 48 9 74 31 192
75.5% 12.0% 11.5% 25.0% 4.7% 38.5% 16.1% 100.0%
無回答
3 0 1 4 0 2 1 4
75.0% 0.0% 25.0% 100.0% 0.0% 50.0% 25.0% 100.0%
全体
296 58 69 131 20 104 62 413
71.7% 14.0% 16.7% 31.7% 4.8% 25.2% 15.0% 100.0%

A:与えられてる業務量が多すぎて……

 全体的に見ると「与えられている業務量が多すぎる(71.7%)」が最も多い理由としてあげられてた。
 「職場の雰囲気が悪い(31.7%)」という回答は2番目に多い回答であった。特に現業職(50.9%)においてその割合が高かった。逆に「自分の処遇(役職)に不満がある(4.8%)」という回答は、すべての職域を通じて最も少ない理由として挙げられていた。病院職では「業務に見合う賃金でない(38.5%)」への回答が多かった。

【自由記入欄】
・スタッフ間の人間関係がこじれていて、修復が困難な状態になってしまっている。
・職員配置等人事に対して大いに不満がある。管理部門に手厚く、末端業務部門にしわ寄せがいっている
・年功序列、昇格の基準が不明瞭、なぜこのような人がと思う人が主査や師長にいる
・業務外の仕事が多すぎ、臨機応変に対応してはいるが、本来やるべきことができない。
・残業ができない。仕事をやる人とやらない人の較差がはげしい
・サービス、持ち帰り残業が多すぎる。有給もとれない。
・課内管理職同士の意思疎通が悪い
・正規職員の数が足りない
・トップダウンの施策が多い
・国の制度が複雑化しており、対応ができない。
・評価制度のために仕事をしている感じがして仕事が楽しめない。



2007年度自治研シンポジウムを開催しました!

 8月1日(水)藤沢産業センター研修室にて、藤沢地方自治研究センターのシンポジウムを開催しました。『藤沢市職員は日頃こう考えながら働いている~職員意識調査からみえる現状と職場実態』をテーマに藤沢市職員の地方自治に関する意識調査報告と職員パネラーによるパネルディスカッションを行いました。

第1部:藤沢市職員の地方自治に関する意識調査報告
 昨年11月に実施したアンケート(消防を除く藤沢市役所内の全職場[221職場・2,906件]を対象に実施。回収率70.2%)について、報告書に基づき(社)神奈川県地方自治研究センター研究員の畠山輝雄氏による調査報告が行われました。
 報告の要旨によると、
① 藤沢市の自治体運営について、おおむね「まあまあうまくいっている」と感じているが、「人員不足」が指摘されている。(報告書P4~7)
② 日常業務についてはおおむね「まあまあうまくいっている」と感じているが「与えられている業務量が多すぎる」との指摘が多い(報告書P10~13)。
③ 今後職員として身につけたい能力は「コミュニケーション能力」、「プレゼンテーション能力」、「交渉力」などがあげられる。(報告書P14、15)
④ 市民から信用されるためには「明るい態度、接遇」、「質問に対する明確な答え」、「安全・安心感」、「ニーズを把握し実行する」ことが必要と考えている。(報告書P16、17)
⑤ 職員のやる気を高めるためには「職場の雰囲気」「業務に見合った賃金」「能力が向上できる環境」「休暇が取りやすい」ことが必要であると考えている。(報告書P18、19)
 など、報告書から見える藤沢市職員の意識とその特徴等についての報告が行われました。詳細については、各職場に配布する報告書をご覧ください。

第2部:パネルディスカッション
 第2部では、日本大学大学院教授・佐野充氏(藤沢地方自治研究センター副理事長)をコーディネーターに、また藤沢市議会議員・伊藤喜文氏、(社)神奈川県地方自治研究センター事務局長・勝島行正氏をアドバイザーに迎え、事務、技術、専門職、現業、病院の各職種の職員パネラーによるパネルディスカッションが行われました。
 職員パネラーからは、日頃職員がどのような想いで市政運営に携わっているのか、またアンケート調査報告から見える職場の実態についての報告が行われました。


新潟県中越沖地震ボランティア報告会