【自主レポート】 |
第32回北海道自治研集会 第Ⅱ-①分科会 子育て支援と児童虐待 |
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1. はじめに 子育て世帯への経済的支援や、出産・育児後も安心して働ける環境整備などを始めとする少子高齢化への対策は喫緊の課題として早急な対策の充実が求められている。 |
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少子高齢化に歯止めをかけるため、2007年4月には3歳未満の乳幼児の養育者に対する児童手当の額を第1子及び第2子について倍増し、出生順位にかかわらず一律月1万円に引き上げられた。松江市においても不妊治療助成(年間3万円を上限に2年間)や保険診療医療費の3歳未満の無料化、妊婦検診の7回までの公費負担、赤ちゃん訪問、訪問型子育てサポート事業など様々な取り組みが行われている。 |
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これは、松江市の0~5歳までの年齢区分の人口が10,112人(2006年9月30日現在)であることから、0~5歳までの約63.5%が保育所・幼稚園に入所・通園していることとなる。また、松江市次世代育成支援行動計画によると、3歳までには約78%の子どもが保育所か幼稚園に入所(園)し、4歳までには、この割合は約97%になる。以上のように、今日の社会情勢においては、子育てをするにあたり幼稚園・保育所は不可欠な存在である。 |
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以上のことから、我々も松江市として低コストで何か新しいことができないか、また、子育てを担える有能な人材の確保に向けて実施できることはないかという視点で改善策を提案する。 2. 提案内容 (1) 出生祝い品制度 |
<参考>出産祝い品(記念品の贈呈等):地方自治体の独自子育て支援施策の実施状況調査 |
(2005年3月内閣府実施) |
(2) 赤ちゃん用品リサイクル事業 (3) 保育士、幼稚園教諭の年齢制限緩和 |
松江市職員採用試験受験状況(縦軸:人 横軸:年度) |
新卒者の採用事情に目を向けてみると、全国的には売り手市場にあると言われ、公務員人気も松江市の受験状況をみても明らかなように低下傾向にある。また、団塊の世代の大量退職により公務員でも職種によっては、人材確保に躍起なところもある。このように公務員人気が低下傾向にあるにも関わらず、幼稚園教諭・保育士共通区分では、毎年一定程度受験者数が確保されていることから、幼稚園教諭・保育士は、根強い人気職種であると言える。 |
幼稚園・保育所職員年齢構成 |
3. おわりに 以上が、松江市の未来を担う子どもを育てる環境づくりについて検討した結果の一部である。実現性については難しいという意見を持たれるかもしれないが、取り組み方次第では抱えている諸問題に一筋の光をもたらす可能性を有している。財政状況の厳しさが増す中で、費用を抑えながらも松江市としての独自性をいかにして出し、市民サービスの向上に繋げるかを長期的視野に立って見た場合、人材確保は重要なものであり柔軟な姿勢で創意工夫のある施策を展開していくことが求められている。 |