【自主レポート】 |
第32回北海道自治研集会 第Ⅱ-③分科会 地域からつくる保健福祉のしくみ |
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1. はじめに 私たち自治研センター社会保障専門部会は、昨年のスタート時に2年間を1サイクルとして研究するテーマについて検討した結果『障害者』とすることを決めるとともに、「障害者の就労支援」、「障害者と家族」、そして「障害者自立支援法」をそれぞれ3つのグループにて研究することとなった。 2. 回答者について
アンケートの冒頭に、回答者の性別、年齢と各事業所での立場について回答いただいた。 |
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3. 事業所の種別と従業員規模について アンケートでは事業所の種別についても回答いただいたが、アンケートを作成する側が項目を理解いただけるように作成しなかったため、移行前と移行後のサービス種別を併記する事業所がほとんどで、現在のサービス種別を判別できない結果となってしまった。(※旧法指定施設については2006年10月1日~2012年3月31日までの間に移行することとなっている。)事業所の規模については、10人以下が34事業所、11~20人以下が26事業所、21人~30人以下が5事業所、31人~40人以下が5事業所 、41人~50人以下が3事業所 、51人以上が1事業所であった。 4. 現行の障害者自立支援法についてどう評価されているか ここからアンケートの本題となってくる。まず、現行の障害者自支援法についてどう評価されているかについて回答いただいた。結果は下記のとおりである。 |
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現行の制度については不満のある制度で、現場として困っていることがうかがえる。ただ、「どちらともいえない」という意見も多かったのは、予想外であった。 (1) 制度全体について (2) 利用料金について (3) 施設経営や職員の処遇について (4) サービスについて 5. 現在の仕事についてどのように感じているか
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この質問では、現在の仕事について感じていることを尋ねてみた。その結果、やりがいや人間的成長、能力が活かせる仕事であり知識・技術・体力などを必要とする仕事、精神的ストレスが大きいと認識する一方、社会的評価は高くないと感じていることがわかる。他方、仕事を辞めたい、他の職種に変わりたいという問いに対し「はい」という回答が少なかった。このことは、福祉職に誇りを持ち厳しい職場環境の中でもできることなら今の仕事を続けたいという気持ちが強いことがうかがえる。 6. 仕事上で困っていることや不満について(複数回答可) |
仕事上で困っていることや不満について質問した結果、グラフのとおりとなった。上位は仕事量が多いこと、とっさの判断を求められる、賃金が低い、といった回答が多かった。また、少数ながらセクハラ・パワハラを記入する方がいたが、これも働く環境として問題視すべきである。 7. 健康のことについて(複数回答可) |
健康で気になることについて質問したところ、グラフのとおりとなった。選択肢以外に気になることの記入をお願いしたところ、「よく頭痛におそわれることが多くなった。薬を服用することになった」、「人材不足のうえに事務量が大きく増えて、時間外労働や休日出勤につながり慢性的な疲労蓄積となっている」、「ストレスで過食してしまい太った。健康に不安を感じる」、「忙しい時期に不眠や憂鬱となった」、「ストレスを発散させる時間も余裕もない」、「腰に疲れが出る」、「仕事が終わったあとでも電話がかかることがあり、気持ちの上で休まることがない」、「精神的ダメージが大きいのでフォローしてほしい」「不整脈が頻繁に出るようになり、現在は軽い精神安定剤を服用している」などストレスなどから起きる体調の異常を訴えるようなことが書かれていた。 8. 障害者自立支援法や仕事について アンケートの最後に障害者自立支援法や仕事について意見を書いていただく欄を設けた。書かれていたことの一部を下記に記す。 9. おわりに アンケートの集計を進めていく過程で、猫の目のように変わる障害者施策と障害者やその家族との狭間で何とか福祉に携わっていく現場の方々の厳しい環境を見せつけられた感じがした。書き込まれた意見には厳しいものもあったが、この国の福祉を憂い、また当事者やその家族を案じての書き込みのようであった。また、認定の仕組みやケアマネジャーの必要性など自立支援法そのものの否定ではない意見もあったことは注目される。レポートの字数制限の都合、残念ながらお寄せいただいた意見全てを書くことはできなかったが、少しでもアンケートをいただいた方の気持ちを伝えるべく意見を要約し掲載した。 |