【自主論文】 |
第32回北海道自治研集会 第Ⅲ-②分科会 地方再生とまちづくり |
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1. はじめに(低迷する柑橘生産・荒廃化する果樹園・追い討ちかける鳥獣被害) 津久見市の農業は、平地の乏しい地域から、山地の傾斜地、いわゆる段々畑を利用したみかん主体の柑橘生産が中心である。 |
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しかしながら、ただこのまま手をこまねいている訳にはいかない。農地はいったん遊休化すると数年たたないうちに農地性を失い、耕作可能な農地への復旧には多大な労力が必要となる。先祖から受け継がれた果樹園地等が、廃棄園に変わろうとしている中、農業委員会では、農林水産課及び関係機関と連携し、認定農業者等担い手に対する優良農地のあっせん(貸借)等諸施策を講じ、現況の耕作地の保持とあわせて放棄園地の解消を目指している。
2. 津久見トントンプランとは |
をキャッチフレーズにインターネット等を利用した「新規就農者」の勧誘活動で、 |
趣 旨 は、 定年退職者の方を中心に「生きがい」「楽しみ」など就農への呼びかけをし、担い手不足等で耕作できなくなった条件のいい優良な農地を「モデル農地」として紹介し、専門家による耕作指導を行っていく。 |
いわゆる「団塊の世代」をターゲットに新規農業参入への本格的勧誘を図り、現況の耕作放棄園地の解消を目指すプランである。 (1) 実施期間 (2) 具体的実施手順 3. 事業の成果 (1) 電話や窓口での受付は、50件超(2005年~) (2) 「津久見トントンプラン」による農業移住者"第1号" |
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4. 今後の課題
(1) 空き農家住宅の情報 (2) 農業収入の増加と安定化を図りつつ、地道に農業をやりたい人を求める。 5. おわりに 2006年4月に農業委員会に配属され今年で3年目になる。異動辞令をもらい、「さてこの仕事、自分に務まるのかな? 何ができるのかな?」半分不安・半分期待の思いで、とにかく自分なりに早く習得しようと職務に励んできたつもり。 以後、日常の用務に勤しみつつ、トントンプランの問い合わせに対応、資料を送っただけのものが多い中、東京から若夫婦が窓口に訪ねてくれたこともあった。 また、福岡からは実際に農業体験をしたいとのことで、農業委員さんから、農園や家庭で相談、実地体験等のお世話をしていただいたこともあった。 でも、移住までに至ることはなかった。出来なかった。 それが昨年の6月、奈良からあった1通の電話が、移住第1号につながった。 |
キラキラした夢一杯の目で話す佐藤さんから、「まちづくりにつながる農業」を目指すための夢と勇気をもらった気がする。 |