新聞紙上でも記載されていたが、入学を控えた子どもの保護者の懸念されている事柄に「友達ができるか」「勉強はついていけるか」等多くの心配事があるが、その中の一つに「給食を食べられるか」という不安が上位にランクされている。
労働組合と調理技師は、少しでも「給食」の楽しさやおいしさ、安全で安心な食の提供に心がけている事を、一人ひとりの子どもや保護者の方々に周知しなければならないと考えており、まずは入学式に来られる新入生や保護者の方々に給食を見て頂くことは、子どもや保護者に対して給食に関しての不安を和らげる事であると考える。
学校で調理実施校 |
42校 13,345食 |
職員数 1~5人
パート等 1~6人 |
北部学校給食センター対応 |
12校 5,048食 |
職員数 16人
パート等 25人 |
南部学校給食センター対応 |
14校 5,778食 |
職員数 18人
パート等 29人 |
美山学校給食センター対応 |
4校 440食 |
職員数 3人
パート等 2人 |
2006年8月に「福井市の行政改革に関する新たな指針」が発表された。それらの項目に、「平成21年度南部学校給食センター民間委託」「平成22年度北部学校給食センター民間委託」が掲げられ、民間委託の中身は「給食センターの調理業務、洗浄作業のみの委託」となっている。また食材や調味料等の物資の購入や衛生管理、施設管理等については従来どおり公である「市」が行うというものである。
組合としては、給食センターの民間委託に関し、偽装請負の疑いもあるとして労働局へ確認を行ったが、「厚生労働省自体が統一的な見解を出していない」との返答のみであった。しかし、「かなりグレーゾーンの手法である」との見解。これを受け、組織内議員の学習会や協力を得ながら議会対策等を実施している。
福井市ネットワーク労働組合では、調理技師で組織する「学校給食部会」を設置しており、月1回のペースで部会会議を開催している。
特に「食育」に関しては、栄養教諭に任せっきりでなく、実際に調理に従事する立場で「給食」の楽しさやおいしさ、安全で安心な食の提供に心がけている事を周知しなければならないと考えており、そこで、入学式時に給食のサンプル等を展示してはどうかとの案が出てきた。
入学式時の給食サンプル展示については昨年から実施しており、調理業務を実施している学校のみを展示の対象校とし、各学校長に組合から給食のサンプル展示に関しての依頼文を発送した。入学式当日は調理技師が保護者等からの質問に対応した。後日のアンケート結果では、多くの質問があり好評を得ているとの報告が多数あったが問題も何点か発生した。《資料参照》
2008年度については、担当課(保健給食課)も巻き込みながら、すべての学校に対して入学式時に給食のサンプル等を展示する方向で実施することとした。
保健給食課との交渉時に、昨年同様入学式時に給食のサンプル等を展示したい旨を伝え、「今回の展示に関して、各学校への依頼文は保健給食課で出してもらえないか」との依頼に対し、快く引き受けてくれた。
学校給食センターで対応している学校については、サンプル展示は難しい(調理技師ではなく配膳パートを配置しているため、対応できないため)との判断で「給食のパネル」を展示することとした。
学校で給食調理業務を実施している学校については、前年同様に給食のサンプルを展示し、入学式に学校に来られる保護者の対応は調理技師がすることになり、2008年4月7日入学式当日に実施した。
学校給食は学校生活の一部であり、給食を通じた「食育」として授業にも取り入れられている。給食はいわゆる「孤食」や「弁当」とは違い、匂いや雰囲気など多くの児童生徒が食事を共にしながら「食べる」楽しさや「食の必要性」を学び、それこそ生産者から消費者まで重要な過程をも学ぶ場である。
私たちネットワーク労働組合は、今後についても継続的に給食の重要性に関して、子どもや保護者だけでなく地域や市民全体にアピールを継続し、とりわけ入学式時の給食展示は、それらの第1歩にしか過ぎないかも知れないが、調理する立場で何が伝えられるかを考え、子どもや保護者の給食に対する「不安」ではなく「楽しみ」として今回も実施してきた次第である。
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