【自主レポート】 |
第32回北海道自治研集会 第Ⅳ-②分科会 地域で教育を支える~教育行政・生涯学習・スポーツ・文化~ |
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1. はじめに 廿日市市は、広島県の西部に位置し、北はスキー場のある吉和地域から南は海水浴場のある世界遺産の宮島を有しており、四季折々の山海の幸に恵まれています。平成の大合併により2003年3月に佐伯町・吉和村、2005年11月に大野町・宮島町と2度の合併を行い現在の状態となっています。 |
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2. 学校給食の概要
3. 地産地消の取り組み 子どもたちに、より安全で安心できる給食を提供するため、自校直営給食を実施している学校では、地域性を活かした地元の旬の食材を使用した「地産地消」に取り組んでいます。
地元農家の旬の野菜、地元漁協の旬の魚介類など安価で新鮮な地場産物を食材に使用しています。また、子ども達が自ら学校菜園で収穫した野菜も利用しています。 |
廿日市市でのカキの水揚げ風景 |
廿日市市吉和特産のまいたけ |
(1) 学校給食に使用する地元食材 |
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地元のたまねぎ |
② 地元漁協より |
吉和のアマゴ |
廿日市市大野の手掘りアサリ |
廿日市市特産の生カキ |
廿日市市大野でのカキ打ち風景 |
秋:栗ご飯、鶏と栗の煮物、芋ご飯、大学芋、スィートポテト、大豆と芋のかりんとう、レーズンと芋のかさね煮、さつま芋のクリームシチュー、さつま芋ピラフ、さんまの塩焼き、かば焼、きのこのサラダなど 4. 自校直営だからできる取り組み
(1) 作って終わりでない給食(心の通う給食)
給食の時間に悲しい顔をしている子どもは見かけたことがありません。みんな楽しそうに当番をしています。時には、服装チェックもします。給食着のボタンをとめていなかったり、帽子・マスクを着用していないと注意します。もちろん「手洗いをしてきましたか?」と確認もします。誰が給食を作っているのか知ってもらい、安心で心が通い合う給食を食べてもらいたいからです。 私たち給食調理員は、ただ作るのでなく、作った給食が教室でどんな風に食べられているのか?など、栄養士・担任と連携して給食時間の様子を見たり聞いたりして、積極的に声をかけていくことを続けています。 その他、ランチルームで食事中に子どもと対話をしたり、生徒との交換日誌でつながりを持っているところもあります。 同じ自校方式の給食施設でも、食数や職員数により施設によって取り組みは様々ですが、心のこもった安全でおいしい給食作りを続けていきたいと思う気持ちは同じです。子どもたちからの「おいしかったよ!」という声や、いろんな反応は、私たちが給食を作る励みであり、元気の元になっています。
(2) 手作りへのこだわり (3) 地域との交流(市民へのアピール) |
給食室で他校の調理員も共同作業 |
イベント会場で販売とレシピの紹介 |
(4) 自校直営で現在行っている取り組み一覧表
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(5) 三期休業期間の取り組み 5. 衛生管理の徹底 ●食は命
そして、あらゆる面で「安心安全」が求められます。そのためには、調理従事者として、まず衛生面の基本的な知識と実践が必要です。 ・年一回の保健所等から講師を招き、正職員、臨時職員共に食中毒予防の方法、細菌などについての学習会を開き全員が同じ意識を持って作業をする ・施設面では、ウェット方式の調理場(ドライ設備でない調理場)でも、床に水を落とさないよう工夫を凝らし、よりドライ方式に近い安全な方法で湿度を下げ細菌の増殖を防いでいる。 ・食材は、なるべく地産地消を心がけ、添加物の少ない調味料や加工食材(ハム・ベーコン)を取り入れている。 ・年度初めに衛生マニュアルの確認 ・異物混入を防止するため青いゴム手袋を使用(白い手袋では、破損して食材の中に入った際、探しにくい) 6. 合併による情勢の変化 合併により退職補充がされなくなるなど給食現場を取り巻く状況が変化してきた。
7. 今後の課題 私たち給食現場を取り巻く状況は、公務職場の民営化への動き、退職者不補充による臨時職員の増大の問題、国の恣意的な現業職賃金への攻撃などますます厳しくなっており、2・3年先のことでさえ予想が付かない状況です。 |