「自分の利益の為にやる事を如何にも相手の利益の為であるかのように装う」「過剰に不安を煽って自分の利益を得る」。これは詐欺師の常套手段です。
「日本は今、巨額の財政赤字で破綻寸前だ。」「ケインズ政策、公共事業は無駄だ。」「日本の財政赤字は1,000兆円『超』と言われている。」「赤字公債の増発で住民一人あたりの借金はxxx,xxx円だ。」「高齢化対策などの社会保障費をカバーするためには消費税を再び増税しないといけない。」というような嘘話を利用して、「赤字だから民営化せよ!」「国鉄民営化」「郵政民営化」「道路公団民営化」「自治体財政健全化法」「行政のスリム化、歳出の削減」「賃金削減、福祉切捨て、地方切捨て」「消費税増税」などが正当化されています。
しかし、高橋是清が殺されて以降、ケインズ政策が日本において本格的に実施されたことはなかった(ケインズの想定した社会とは、供給に比べて経済全体の需要が不足しがちな社会。逆に高度成長期の日本は、供給が需要に追いつかず、慢性的なインフレが存在していたので、積極的な支出ではなく、格差是正措置をとりつつ、需要抑制を行っていた)。
1988年の消費税法施行後、1990年には、法人税率の40%から30%への引き下げ、所得税の最高税率75%から37%と、「消費税は福祉目的」という宣伝とは別のことが実施された(消費割合の少ない富裕層を減税しても長期的にみた経済への影響は少なく、経済は再建されない。公平な社会の実現は、所得税の累進性なしには不可能です。低所得者は所得のほとんどを消費に充てるが、金持ちであればあるほど消費の割合は累進的に少なくなり、逆に預金が増える。その預金は不労所得を狙って投資に回る。稼いだお金を他人に回したり吸い上げられるのはイヤだと握り締めたままであれば、売上と利益が低迷し、破綻する企業や高額所得者からの脱落者が徐々に発生するのは、自然な成り行き)。
「財政赤字」とは非常に曖昧な概念であり、経済的に何らかの意味を持つものではない(例えば、国家が永久に存在すると仮定したならば、納税者もまた永久に存在する。将来の支払い義務に関する考え方を押し進めると、財政赤字の概念は消滅する。)。
公債は、債券を購入している投資家がいるわけであり、その人から見れば借金ではなく、資産である(日本の生保などの機関投資家や少数ながら個人投資家が9割以上買っている。外国人投資家と言ってもそれが法人である場合はその原資は日本人が出資している場合が多い。)。「公債の発行によって住民の借金が増えている」というのであれば、それと同時に住民の資産も増えていると言える。
だから、単純に総人口で公債発行残高を割って、「住民一人あたりの借金800万円!」などというのは意味が無い(しかし、公債が増えてしまうと、住民すべてのために使うべき歳出が、公債を買った一部の人への利払いや元本への返済に使われてしまう。したがって、所得再分配機能の低下、財政硬直化を招いたりする。つまり、公債残高が増えると、将来への負担の先送りという将来の問題よりはむしろ、現時点の財政に影響の出る問題である。「財政破綻」はたいした資産を持っているわけではない庶民の被害はまったく無い。銀行や保険会社といった金融会社に壊滅的な打撃を与えたり、政府自身の倒壊を招くのが政府債務のデフォルトなのである。たいした資産を持っているわけではない庶民は「財政破綻」騒動は笑って見ていればいい出来事であり、「財政危機」を楯に公的負担の増大を求めようとするのなら断固拒否すればいいものである。また、日本は大量に『米国債(アメリカ合衆国財務省証券)』という資産を購入している。ちなみに、中国政府は柔軟な発想で政府が保有している外貨資産で国営銀行の不良債権処理をした)。
現在の日本の財政が抱える基本的問題は、巨額の赤字や大量の公債発行そのものではなく、その背後にある行財政の施策や制度にある(「格差社会」と呼ばれるような富の分配の問題で、施策や制度が変化に適切に対応していないことが問題なのである)。
このように、この世界では嘘話を信じさせ、「自分の利益の為にやる事を如何にも相手の利益の為であるかのように装う」「過剰に不安を煽って自分の利益を得る」ということが常に行われています。
「水道水」の世界も同様です。
後志は良質な天然水の宝庫であり、管内には観光資源として有効利用している自治体もあります。地方自治体は行財政コスト削減で壊れにくいもの、手間が掛らないものが求められています。
そこで、自治労全北海道庁労働組合連合会後志総支部では、自治労後志地方本部と共同で、「科学者のための科学でなく、企業のための技術でなく、科学技術は人のため」という信念のもと活動し、世界では一番有名な日本人の水の専門家、元信州大学繊維学部応用生物科学科教授 中本 信忠 様(2008年3月定年退職。特定非営利活動法人 地域水道支援センター理事長。)を2004年から3回招き、おいしい水とはどんな水か、古い水道水浄化法だが日本発の新しい発想の技術「生物浄化法」について講義していただき、今までの発想・常識の転換の場となるよう自治研集会を実施しました。
「おいしい水と生物浄化法」の詳細な内容については、「おいしい水のつくり方―生物浄化法 飲んでおいしい水道水復活のキリフダ技術 ¥2,100(税込) 出版社:築地書館(2005/08) ISBN-10:4806713155 ISBN-13:978-4806713159 発売日:2005/08」と「生でおいしい水道水―ナチュラルフィルターによる緩速ろ過技術 ¥2,100(税込) 出版社:築地書館(2002/06) ISBN-10:4806712434 ISBN-13:978-4806712435 発売日:2002/06」を読んでいただくとして、講演のポイントのみ列挙します。
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