【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第1分科会 「新しい公共」と自治体職員の働き方 |
公共機能の一元的な担い手としての自治体象はもはや時代遅れです。これまで自治体が一元的に果たしていた公共機能を分散しつつ維持するテクニックが求められています。「新しい公共」概念を具現化する連携・ネットワーク化の具体策について考えます。 |
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1. はじめに 厚沢部町では2009年から京都ノートルダム学院小学校の修学旅行を受け入れ、町内小学生や青年層との交流を進めています。受け入れには多くの組織が関わり町をあげての取り組みとなっています。 2. 修学旅行受け入れの発端 2009年、厚沢部町教育委員会では国土交通省の交付金「地域の教育力倍増プロジェクト」を活用した新しい学校支援事業を展開しました。ニンテンドーDSを活用した公的塾「計算道場」を町内小学校の協力を得て開講していました。これほど多くのモバイル端末を利用した教育活動の実践は全道的にも異例のことであり、教育委員会では、デジタルコンテンツを活用した教育活動の先進事例を全国に求めました。 |
3. 「素敵な過疎のまちづくり」と交流人口の増加の取り組み (1) 「素敵な過疎のまちづくり条例」の制定 |
(2) 「素敵な過疎づくり株式会社」の発足 |
4. 京都ノートルダム学院小学校「ディスカバリーツアー」の受け入れ (1) 「ディスカバリーツアー」in厚沢部 |
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(2) 教育委員会はなにをしていたか |
(3) 連携とネットワーク構築 (4) 自主事業を手放すな 5. おわりに これまでの行政は、潤沢な経済活動に支えられて、資源(人材・土地・資本)の集約と再配分を行い、公共機能の一元的な担い手として振る舞うことが可能でした。現在では、経済活動の縮小に伴い財政規模が縮小し、人員、予算、あらゆる面での資源が縮小し、従来の方法では政策選択肢が減少せざるを得ません。また、社会の高学歴化・専門分化によって、行政がすべての分野を網羅することが不可能になりつつあります。公共機能は、地域の様々な組織が適材適所で役割分担していくことが不可欠な時代が到来したと理解すべきです。「新しい公共」概念もこのような認識に立ったものと理解しています。 *本報告は、2012年2月16~17日に札幌市道民活動センタービル「かでる2・7」で開催された2011年度地域生涯学習活動実践交流セミナー 演習2「生涯学習の連携・ネットワーク化の実際」 の分科会において船瀬祥太が口頭発表した内容を原稿化したものである。 |