(3) 人勧期(5月~8月中旬)
公務員労働者と民間労働者の賃金格差を人事院が人事院勧告(人勧)として出すまでに行うたたかい。
今年度は東日本大震災による影響から例年よりも約1ヶ月半遅れて民間給与実態調査が実施されることから、人勧期と確定期の間が短くなることが予想される。
(4) 確定期(10月~12月)
各自治体の予算の関係上、この時期に職員の賃金がほぼ決まるため当局との交渉に入る。秋期闘争。釧根地本青年部では独自要求書行動を提起し主体的な運動を追求している。
※ 自治労北海道本部青年部では、闘争サイクルにあわせて、春闘討論集会・青年部長会議・定期大会と3回の基幹会議の中で「当面する闘争方針」という基本方針が提起される。釧根地本青年部では、この方針に基づき運動を展開している。
4. 年間の集会
(1) 2011釧根地方本部冬季一泊学習会
月 日:2011年3月5日(土)~6日(日)
会 場:釧路市阿寒町「ホテルエメラルド」
参 加:10単組 計50人 内訳 男性31人 女性19人
釧根地本青年部における事実上の春闘討論集会である。春闘期を闘争サイクルのスタートとして位置付け、単組総支部の現状や取り組みに学び、釧根地方本部全体で春闘方針を確認する中から意思統一をするとともに、1年間をたたかい抜くための学習の場として開催するものである。
今年度の春闘は『まずは自分たちのおかれている賃金や生活・職場実態をしっかり把握しよう。そして、仲間との学習・討論から不満や問題をあきらかにし、「ゆずれない要求」を確立していこう。』を具体的目標とし、青年の主体的な運動を追求してきた。
① 目標設定の背景 ~幹事会での議論~
2010秋期闘争総括において、この間の取り組みから不満や不安、憤りや葛藤など様々な思いが出されていた。一方で全部員による意見の共有化がはかれず、課題の残った単組・総支部があったのも事実であった。日々の業務に忙殺される中で、過去数年に渡る新規採用職員抑制の影響による役員の若年化、それにより一部の役員に負担が偏り、単組・総支部での議論が薄れ、なかなか取り組みにつながらない現状が報告されていた。
しかし、青年部の活動は、「取り組みができた・できなかった」という結果は重要ではなく、「なぜ取り組みができたのか・できなかったのか」というプロセスを議論することが大切であることの確認から、「忙しさの原因はどこにあるのか?」「職場になにか問題はないのか?」といった議論から問題点をあきらかにしていき、仲間との討論から掘り下げていく必要がある、との議論に至る。
そのために、まずは自分たちのおかれている賃金や生活・職場を見つめなおすところからかはじめ、実態についてしっかり向き合っていこうと話し合われた。その結果を役員会等で実態討論からつけ合わせを提起した。問題と認識していないことこそが問題であり、その捉え方は話し合いからでしか見えてこない。当たり前だと思うことが実はそうではないのだという「気づき」を引き出していこうと話し合われたのである。
自分や仲間の思いを交換して終わりではなく、自分や仲間の声に向き合い、単組や職場で起きている事実を確認し、もう一歩踏み込んだ学習・討論を積み重ね、仲間の思いに依拠した『ゆずれない要求』を確立しながら、独自要求闘争を強化していくことをねらいとした。
② 具体的な取り組み
『賃金・生活・職場を見つめ直シート』
道本部春闘討論集会の事前アンケートを参考にし、自分の賃金・職場環境についてさらに掘り下げて考えてもらうため項目を答え易い記述式に作り変えたものである。このシートを通じ自分たちの現状を見つめ直し、再認識と仲間との付け合せをしていくきっかけづくりをねらいとした。
集会当日はこのシートを持ち寄って分散会を行った。
③ 講演内容
議題:「話してみないとわからない ~思いを一致させる~」
講師:自治労北海道本部青年部 部長 牧野長武氏
内容:様々な角度から物事を見て課題を探る或いは解決法を見出していく。仲間と話し合い思いを一致させていくことが青年部運動の出発点であるという内容でお話を頂いた。
④ 部長集約
○手法が目的になっていないか。「見直シート」は仲間とともに悩み運動を進めていく手法でしかない。どうして今それを取り組むのか意義についてしっかり考え、取り組んだ先には何があるのか、取り組む過程には仲間がどんな声を上げていたか、丁寧につけ合わせをしていこう。
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手法が目的になった瞬間に“作業”に変わり、主体性がなくなる=ヤラされている感(苦痛) |
○取り組みは思い通りにいかないことが多い。一人の百歩ではなく、仲間と悩みながらも100人の一歩を確実に歩み進めていくことが大切である。「地本が言っているから」「春闘だから」取り組むのではなく、職場や社会に不満・課題があるからこそ、賃金や生活・職場にしっかりと目をむけ、地に足をつけた運動を各単組総支部から主体的につくっていかなければならない。
(2) 2011釧根地方本部青年部政治集会
月 日:2011年3月6日(日)
会 場:釧路市阿寒町「ホテルエメラルド」
講 師:民主党衆議院議員 仲野ひろ子氏
国会議員との対話形式(一問一答)による意見交換会から、政治や国会議員をより身近なものとして捉えていくこと、青年の声を国会議員に直接訴えていくことを目的とした。本集会では、各地域の特色ある質問や、国策・民主党政権にたいするとまどいに関する質問が多く出された。
政治闘争については、この間の青年部の諸集会等でも「そもそも自治労がなぜ政治闘争に取り組むのか。」といった疑問の声が出されている。「政治に無関心でいられても無関係でいられない」という言葉があるように、「私たちがどういう地域をつくりたいか」、「どういう社会をめざしていくのか」仲間との丁寧な学習・討論から、政治闘争の必要性を確認していかなければならない。
今ある「現実」と「理想や夢」をつなぐのが政策、政策を選ぶのが「選挙」であるというこれまでの学びから、全ての労働者が安心して暮らしていける社会、まじめに働く労働者にしっかりとスポットがあたる社会をつくるためにも、政治が私たちの生活や職場・地域と密接につながっていることの確認から、様々な事柄と政治闘争を結合させた取り組みを推し進めていかなければならない。
(3) 釧根地方本部組合員学校
日 程:10月下旬~11月上旬
会 場:未定
新しく組合員になった仲間にわかりやすく組合の意義・権利等を理解してもらい、他単組の現状を学び、交流をする中から各単組・総支部の底上げをはかることを目的としている。
(4) 第24回平和の火リレー
1982年ヒロシマの青年から始まった。広島市平和記念公園に燃えつづける「平和の灯」をトーチに掲げ、「非核自治体宣言推進」などを訴えながら走りつなぐ取り組みで、その後全国に広がった。
昨年、釧根では全23地区を延べランナー142人で走りつなぎ、走っている最中や各自治体到着時には、道行く人や集会に集まっている方にビラやティッシュを配り、地域住民にリレー運動のPRを行ってきた。
釧路地区:7月23日(土)・26日(火)~27日(水)
根室地区:7月25日(月)
【第11回道東青年学生平和友好祭典】
日 程:2011年8月20日(土)~21日(日)
会 場:標茶町「くしろ湿原パーク 憩いの家 かや沼」
主 催:道東平和友好祭典実行委員会
(主管:第29回平和の火リレー釧根総実行委員会)
(5) その他
・自治労北海道本部青年部各種集会、機関会議、道本部学校……
・共闘運動(連合青年委員会、全道平和友好祭典、各種平和の旅への派遣……)
・単組総支部オルグ活動
5. 釧根地方本部青年部の課題
◆年齢構成の2極分化
長引く不況から十数年前から続いた就職氷河期とも言われた新規職員の採用抑制や退職者不補充から一転、ここ数年新規採用職員が一気に増加した。現在の青年部員を年齢ピラミッドで表すと、20代中盤から後半にかけての部員が少なく、採用3年未満の部員が極端に多くなり“三角フラスコ”のような形になっている。個人主義型のライフスタイルが多様化するなかで、労働組合に対する意義や目的が伝わりにくく、労働者としてのものの見方や考え方の範囲が狭められている。担い手育成からみても若年層の仲間への関わりを強めていくことが急務である。
⇒青年の組合員離れ、組合嫌い
◆単組への関わりについて
自治労に加盟する単組の内、2単組で青年部未組織(弟子屈町職、鶴居村職)、1単組で青年部休部中となっているほか、幹事専任者の選出ができていない単組があるのが現状。地本としてどこまで単組総支部に関われていけるかが課題である。全単組総支部オルグの実施が難しい状況の中で、“距離の近い地本”をどう作っていけるか。単組があるから地本があることの再認識、地本が単組のことをどこまで大切に考えているか考えていく必要がある。
⇒組織の拡大と強化。非正規・消防協・未組織単組の青年など多くの仲間とのかかわりからの運動強化
◆単組総支部における活動費の減少
6. 最後に……
多くの仲間と交流し、職場の不満や不安を声に出すことで自分の職場の問題に「気づくこと」、しっかりと職場・生活実態討論や事後の学習を通じ、自分たちの問題は仲間とともに解決していくという強い意識をもつこと、その問題を解決していくために“ゆずれない要求”を確立していかなければならない。「不満や問題、課題がない」ことが課題かもしれないという視点。付け合わせをしなければ見えてこない事実に「気づき」、おかしいということにはおかしいと言える仲間づくり、組織づくりが必要である。職場でおきている問題の矛先を働く仲間に向けられ、本当の敵を見失っているとしたら、当局のおもうつぼではなかろうか。仲間のアキラメやシラケを怒りに変え、一緒に取り組む運動をつくるなかで、組織の強化と運動の強化を進めていきたい。
われ思う……、
『働き易い職場・雰囲気の良い職場→モチベーションが上がる、能率が上がる→最高の住民サービスを提供できる!→地域住民のためになる・豊かな生活→住民の理解→モチベーションが上がる→・……・好循環!!』
☆今やっている労働運動は、自分たちの我がままや主義主張を通すためでは全くない(道本・地本のためでもないし、義務や事業消化でもない。)。働き易い職場を追求していけば、自ずと住民サービスの向上や地域づくりに必ず結びつくことのイメージを持つこと。
☆「だいたい定時に帰れる」「なんだかんだ言っても超勤が付く」「ホショーがある」等、目に見える“労働者としての“当たり前の事実を比較して手を止めるのではなく、公務員労働者は地域のプライスリーダーという『自覚』をもち、自治労が頑張れば労働者全体が元気になるということのイメージを持つこと。
労働運動・職組活動はコソコソ行うものでなく、
もっと×2、堂々と行ってもいいのではないでしょうか……
職場でも、地域でも、友人間でも!!
(勤務時間中はダメです;) |