2. これまでの取り組み
当市職員組合では、市民団体が主催するイベントや、市が主催し市民と共に活動できるイベントに積極的に参加し、自治研活動に取り組んできました。
(1) エコミュージアムによるまちづくり
勝山市は、2002年から市の再生と未来への進化を目指した「ふるさとルネッサンス」を理念に、「勝山市エコミュージアム構想」に基づいたまちづくりを進めています。これは勝山市に残る豊かな自然や白山平泉寺などの文化・歴史資産、「ゆめおーれ勝山」などの産業遺産等、また、旧町村単位で、各地に残る資産等を将来にわたって保全・活用し、市域全体を「屋根のない博物館」とする構想です。この構想の主体となるのは、旧町村ごとに組織されたまちづくり団体です。この団体に、住民と共に市職員も参画し、各種イベント等の開催、参加をしております。これまでに、地域や市民の積極的な参画により数々の成果が生まれ、それらの取り組みを通して、新たな魅力を市外に発信できるまでになってきました。また、職員もこれらの活動から得た知識や経験を、自らの業務にフィードバックできるようになっており、今後さらにこの取り組みを発展させ魅力的な郷土を育てていくことが、市民が誇りを持って次代に継承するまちづくりにつながると考えています。
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国史跡白山平泉寺旧境内
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(2) かつやまをきれいにする活動
植栽活動の様子
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市民との協働による勝山市の魅力づくりは、環境を保全する活動にも広がっています。
河川清掃活動は、勝山青年会議所が全市民に呼び掛け「クリーンアップ九頭竜川」事業を積極的に行っています。また、2006年からは市内各地区や事業所が参画する「勝山をきれいにする運動」を展開し、一年を通して様々な組織が、様々な場所で清掃・美化活動を行っています。2012年4月現在の参加団体は118団体にのぼります。清掃活動はまちの美化のみならず、平泉寺地区による国史跡「白山平泉寺旧境内」の清掃活動など、歴史遺産の保全活動として長年続けられている事業もあります。
これらの清掃活動等には、職員もボランティアの一員として毎年参加しております。市民と共に汗を流すことで、市民との交流を深めております。
地域のコミュニティを中心としたこれらの活動は、地域を愛する心を育むとともに、エコ環境都市をベースにしたクリーンな観光都市を目指す勝山市の重要な取り組みになっています。
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(3) 環境教育の充実
赤とんぼと共に生きるプロジェクト活動報告会の様子
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勝山市は、バイカモやミチノクフクジュソウ、ホタル、クマタカなどの貴重な動植物や、希少種の自生する湿原・里地里山を有しており、NPOや市民団体による保全活動や観察会など、様々な取り組みが行われています。
そのひとつとして、2011年から勝山市、小学校、JA等が連携して、「赤とんぼと共に生きるプロジェクト」をスタートしました。赤とんぼ(アキアカネ)は全国的に減少傾向にありますが、勝山市では、まだたくさん見ることができます。農耕文化と密接な関係にある赤とんぼの舞う生態環境を保全するために、「羽化調査」、「移動ルート調査」、「講演会・報告会」、「生息環境の維持」の4つの事業を実施しています。
「羽化調査」と「移動ルート調査」には市内4つの小学校の児童が参加。石川県立大学の上田教授のアドバイスを受け、2011年から配置した環境保全推進コーディネーターが指導を担当しました。赤とんぼの移動ルート調査の過程で、7月に羽化した赤とんぼが8月に高地(法恩寺山山頂)で見つかり、「赤とんぼが平地から高地へ移動すること」を直接確認した日本で初めての発見が生まれました。
子どもたちの環境学習は、環境保全推進コーディネーターが中心となって学校の教職員と連携する形で行っており、また広く市民に対しても環境保全に関する情報を発信し、市民の環境意識の向上を推進しています。
この事業は、昨年に引き続き2012年度も実施しております。今年度は、市民調査員を募集し調査範囲を市内全域に拡大しております。調査員は市民と共に職員もボランティアとして参加しており、互いに協力しながら調査をしております。
(4) 恐竜ブランドを活かしたまちづくり
勝山市北谷町で1988年に肉食恐竜の歯が発見されたのをきっかけに、福井県による恐竜化石発掘調査が続けられており、2000年には福井県立恐竜博物館が開館しました。勝山市では、発掘調査と博物館を活かしたまちづくりを進めています。博物館のある「かつやま恐竜の森」では、年間1万人以上の子どもたちが化石発掘体験に参加しています。
さらに、2009年10月には日本ジオパーク(地球活動の遺産を主な見所とする自然公園)のひとつとして「恐竜渓谷ふくい勝山ジオパーク」が認定され、更なる事業の充実を図っています。
恐竜ブランドを活かしたまちづくりは、観光事業の発展につながる中心的取り組みになっており、職員も協力してブランドの強化活動を行っています。
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かつやま恐竜の森
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(5) 環境自治体会議かつやま会議
2012年5月25、26、27日の3日間にわたり、第20回環境自治体会議かつやま会議が開催されました。環境自治体会議は、環境政策に積極的に取り組んでいる55の自治体で構成され、自治体や団体間のネットワークづくりを推進し、情報を共有することにより、環境施策を推進することを目的としています。
大会は、初日、3日目が全体会、2日目が市内11カ所に分かれて分科会が開催され、期間中全国から延べ3,000人を超える参加者がありました。このような全国規模の大会が勝山市で開催されることは初めてであり、参加者のおもてなしや大会運営など、市民ボランティアと職員が協力して準備にあたりました。
ボランティアで参加した市民の方は、環境やイベントに対する意識が高く、様々な提案や意見を持っており、職員にとってもいい刺激となりました。
かつやま会議受付の様子
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