【自主レポート】

第34回兵庫自治研集会
第1分科会 「新しい公共」と自治体職員の働き方

 とよたエコポイント制度とは、市民の環境配慮行動に対し、市オリジナルのとよたエコポイントを発行し、貯めたポイントでエコ商品等に交換できる制度です。この制度を活用し市民のエコライフを推進しています。



とよたエコポイント制度


愛知県本部/豊田市職員労働組合 中神 泰次

1. とよたエコポイント制度について

 本市では、市民のエコライフ推進のために、CO削減の取り組みに重点を置いた、デジタル管理が可能な「とよたエコポイント制度」を2009年6月1日から開始しています。
 とよたエコポイント制度は、2005年愛・地球博で始まったEXPOエコマネーシステムを活用したポイント制度で、市民の環境配慮行動に対して、電子マネー等のFeliCa(フェリカ)チップの製造番号を利用した電子ポイントを発行しています。ポイント発行については幅広い層が対象となることを考慮し、市民に定着した「豊田市共通シール制度」を継承するオリジナルシール「GREENシール」によるポイントの発行も行っています。発行されたポイントは、名古屋市、日進市、長久手市、瀬戸市等周辺市との相互利用が可能です。
 この制度を活かして、市民の消費行動、通勤、環境学習、ボランティア活動など様々な分野での環境配慮行動の促進、市民活動そのものの活性化、異なる活動分野の横断的連携の促進をはかっています。


2. とよたエコポイント制度の概要

(1) とよたエコファミリー制度
 とよたエコファミリー制度とは、市民に「エコファミリー宣言」をしてもらい、環境配慮行動に取り組んでいただくための制度です。楽しみながらエコライフに取り組む家族を市内全域に広げ、民生家庭部門のCOの削減をめざします。とよたエコファミリーに登録することで、エコファミリーカードが市から貸与されとよたエコポイント制度を利用することができます。

(2) とよたエコポイントの流れ


(3) エコファミリーカード以外でポイントを貯める方法
 エコファミリーカードの家族カードとして、FeliCa機能のついたカードにポイントを貯めることができます。
 ○ 電子マネー(金融系)  ○ 電子マネー(流通系)   ○ IC乗車券 ○ FeliCa対応携帯電話など
 ※ エコファミリーカードに家族カードとしての登録が必要となります。

(4) とよたエコポイント発行メニュー



(5) とよたエコポイント交換


(6) とよたエコポイント発行状況
 ポイントの発行状況は、4月から10月の間は多くても13,000ポイント程度でしたが、夏の節電に対する取り組みに対してポイントを発行することにより、11月は160,000ポイントを超えました。12月からリサイクルステーションの利用とペットボトルの本数に応じたポイントを発行するように制度を拡大した結果、発行ポイントは堅調に増加していて、3月は300,000ポイントを超えました。

2011年度 とよたエコポイント発行状況       (単位:ポイント)

ポイント発行総数に対する電子ポイントでの発行状況(件は件数、Pはポイント)

※リサイクルステーション及びペットボトル回収機は、12月から発行開始。
 ポイント発行総数に対するGREENシールでの発行状況


3. まとめ

 豊田市では、2005年愛・地球博で始まったEXPOエコマネーシステムを、市民のエコライフ推進のためにとよたエコポイントとして活用し、エコファミリー制度との連携をはかりましたが、当初エコポイントの発行メニューは、環境学習の参加、環境学習施設等の訪問、バスの利用等と限定的だったため、発行ポイント数も少なく、交換メニューについてもエコ商品を中心でやや魅力の欠けるもので交換量も少なかった。そのため、エコファミリーの登録数もなかなか伸びない状況でした。
 2011年12月1日から発行メニューと交換メニューを増やし制度の拡大をはかり、具体的には、リサイクルステーションの利用やペットボトルの回収の本数に応じポイントを発行し、また、大型店舗や商工会が発行する商品券を交換商品に加えることで、より市民の関心が高まり、発行ポイント数が大幅に増えるとともに、エコファミリー登録数も大幅に増加することができました。
 2011年度末時点では、豊田市16万8千世帯のうち約15%に相当する24,441世帯が登録し、市民の知名度も人気も上がり、多くの市民が「エコポイントを集めたい」という気持ちになっていて、エコポイント制度を活用し、市民の環境配慮行動の推進しやすい状況になっています。
 今後は、民間事業者のとよたエコポイント制度の参加を推進し、発行メニューを多様化するとともに、交換商品も全市的に拡大し、特に旧町村地域の活性化にこのエコポイント制度を活用していきたいと考えています。