【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第1分科会 「新しい公共」と自治体職員の働き方 |
2010年に児童養護施設の調理員が活性化の取り組み「現場からの提案・企画施設調理員の取り組み」を発表しました。その後の、改善と今後に向けた課題を検証し、レポートにまとめました。 |
|
1. はじめに
名古屋市若葉寮は乳児院(定員15人)と児童養護施設(定員29人校就学前までの児童を対象)の児童福祉法に基づく乳児院と児童養護施設を一体とした施設で、家庭において養育困難な乳幼児を入所させて、これを養育・養護することを目的とした複合施設です。1965年4月に現在地である尾張旭市に移ってから47年余が経過しました。建物の老朽化が進み、数年後に児童養護施設ひばり荘(18歳までの施設)との統合計画があります。 |
2. 若葉寮調理員の主な業務内容とこれまでの取り組み
(1) 調理業務
(2) アレルギー食・宗教食・障害児への食事の対応
(3) 厨房内の点検・清掃
(4) 献立、調理方法の検討
(5) 研修の参画
(6) 防災の参画 |
3. 進行中の年間行事スケジュール 前回の自治研でも紹介しましたが、その後さらに練り上げられた行事スケジュールの一部を紹介します。
2月……節分 3月……おこしもち・お別れ遠足・新一年生を送る会(卒園式)⑦ |
4. 現場が行う仕事と今後に向けた課題と検証
(1) 離乳食について
(2) 措置変更に伴う食事データの作成(クッキングの様子も)
(3) お誕生日メニュー
(4) 体調不良児への配慮
(5) 子どもの何故?にどうやってこたえるのか
(6) アフターケアの一環として措置変更した児童の実家になりたい
(7) 3・11 東日本大震災を教訓に施設全体で防災をもう一度見直し |
5. まとめ
名古屋市が2007年に「食育推進計画」を出し、自治労の「現業活性化運動」をきっかけに若葉寮の調理員からも「自分達にできることはないか?」と模索してきた。こうした取り組みは、施設長、保育士、全職員の理解と協力があってこそ出来る事ではないだろうか。今では、現場からの提案・企画を1回限りのイベントにすることなく、恒例行事になった企画もある。このような取り組みが、子ども福祉課の目にとまり、子ども福祉課からの依頼で、名古屋市知的障害者福祉施設連絡協議会、名古屋市児童養護連絡協議会の研修で「施設でのおすすめ献立」・「作る人と食べるひとのコミュニケーション」のテーマで発表する事ができた。はじめに述べたように、ひばり荘との施設統合をすれば、現在の0歳児から6歳児までの施設ではなく、0歳児から18歳までの施設となるため、多様な年齢構成を生かし、お腹を満たすだけの食事ではなく、食事を通じて人とのコミュニケーションができ、人の温もりを感じることができるような大人になってほしいと願っている。若葉寮の調理員も子ども達と同様に、成長していきたいと考えている。 |