【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第1分科会 「新しい公共」と自治体職員の働き方 |
1912年6月11日の市電運行開始以来、市電、トロリーバス、市バス、地下鉄と、時代の流れとともに形を変えながら、今年で開業100周年を迎えることができた。しかし、時代の変革とともにモータリゼーションの進展や交通手段の多様化、さらに「公営=非効率」という公営交通不要論が各地で蔓延している。そこで、労働組合として、公営交通事業の存続および、京都市内の移動手段は交通局で担うという決意で取り組む活動を報告する。 |
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<地下鉄事業の概要> |
1. はじめに
おかげさまで1912年6月11日の市電運行開始以来、今年で京都市の市営交通は開業100周年を迎えることができました。市電、トロリーバス、市バス、地下鉄と時代の流れとともに形を変えながらも、100年もの永き間に渡り、市民の皆様の生活の足として、入洛される観光客の足として、都大路を走り続けてきました。しかしながら、時代の変革とともにモータリゼーションの進展や交通手段の多様化、ならびに、昨今、「公営=非効率」という公営交通不要論が各地で蔓延し、2011年度末においても、苫小牧・明石・呉の3事業者が廃止に追い込まれた経過があります。また、1947年1月に結成された日本都市交通労働組合(都市交)は、ピーク時の1960年には40組合、7万人を超える公営交通労働者で組織していましたが、直近では25組合、2万2千人にまで減少するなど全国的に厳しい状況が続いています。 |
2. 経営健全化の取り組み
2000年から3ヶ年で実施した「京都市交通事業経営健全化プログラム21」、2003年からの6ヶ年で取り組んだ「京都市交通事業ルネッサンスプラン」、そして、2009年度から10年計画で現在進行中の経営健全化計画では、主たる目標として、法に基づく資金不足比率を、バス事業では2015年度までに、高速鉄道事業では2018年度までに20%未満に引き下げるべく、現在、労使一体となって事業存続の礎の構築に邁進しているところです。
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3. 市民・お客様を味方につける取り組み
(1) 京交エンパワメントプラン
現在、京交傘下には11支部と青年女性委員会が存在し、愛され必要とされる市バス・地下鉄に加えて「ブランド力」の構築に向けて、日夜奮闘しています。特に、将来のお客様に繋がるお子さま向けの取り組みや支部の存在する地域性を生かした取り組みなど、各方面でオリジナリティに溢れた取り組みを行っています。 〈主な活動例〉 自動車関係(6支部)
・全車ピカピカ宣言と題して、直営車両全車を大晦日とGWに清掃
電車関係(4支部)・100周年事業の一環で、デコバスを各営業所で作成 ・御園橋フェスティバルに参画し、風船プレゼントに取り組みながら、ハッピーバスを 展示し「市バス」の魅力をアピール ・廃オイル缶を使った多目的箱の作成 ・支部独自で事故防止研修 ・東寺の終い弘法で案内活動 ・バス車内にクリスマスデコレーションなど
・節電にご協力頂いているお客様に少しでも「涼」を感じていただくためウェットティッシュの配布
本局関係(1支部)・醍醐車庫見学会でスタンプラリーを企画し、特製缶バッジをプレゼント ・地下鉄5万人増客に向けて主要駅で案内活動とキーホルダーのプレゼント ・100周年事業における運転シミュレーターの指導、合成写真のプレゼントなど
・祇園祭に「浴衣で“はんなり”おもてなし」でお客様案内サービスなど
青年女性委員会関係
・初弘法や初天神で、お客様に「市バス・地下鉄」の利用促進PR
上記の何れの取り組みにおいても活動したら終わりでなく、「効果・検証」を行い、次の活動に繋げています。・学生向けに特化した「案内チラシ」を作成し、定期券のPR ・東日本大震災の復興ボランティア in 陸前高田 ・四条通(四条大宮~祇園)の清掃活動など
(2) 社会貢献活動
(3) 「市バス・地下鉄家族モニター」制度 |
4. むすび
世界の「京都」は、歴史・文化・先端技術など優れた観光資源を有する国際都市であります。この世界に誇る先進観光都市「京都」において、公共交通は市民サービスの一端を担う「都市の装置」として大きな役割を果たしています。 |