3. 「福山地方自治研究センター」設立に向けた一歩から
(1) 新春特別講演会「旭山動物園 奇跡の再生への道」
① 市職労初となる「地方自治研究集会」の開催について
2010年1月20日(水)19:00からふくやま芸術文化ホール(リーデンローズ)大ホールにおいて、新春特別講演会「旭山動物園 軌跡の再生への道」と題し、市職労初となる「地方自治研究集会」として開催し、市職労と県内の自治労組合員を中心に約2,000人の参加のもと小菅名誉園長から講演を聴きました。
② 旭山動物園が廃園の危機に陥った際の職員の思いや願いについて
この中で、入園者の減少等により旭山動物園が廃園の危機に陥り、
・自分の仕事がどうなるのか
・市民・住民から必要とされているのか
・賃金も税金から賄われている
・旭山動物園を残したい
・お客さんに来てもらいたい
・職場を守りたい
という全職員の思いや取り組みが、冬の動物園観察会や夜の動物園、そして、動物の生態やそれに伴う能力を自然に誘発させてお客さんに見てもらう行動展示というものにつながり、動物園の復活に成功しました。そして、2004年には過去最高の145万人が来園し、月間の入園者数で上野動物園を上回り日本一の動物園としてマスコミで話題となるまでの苦難の話を聴くことができました。
③ 現場職員の情熱と努力の積み上げから『職の確立』へ
この取り組みは、現場職員が情熱と努力を持って入園者や市民の視点に重点を置き、必要とされる仕事の確立のためさまざまな取り組みの積み上げにより、政策が実現し市民や住民から必要とされるサービスが提供される施設となり、やりがいのある職場から最終的には『職の確立』につながった価値ある実践事例であり、市職労の「公務労働拡大」の取り組みに共通するするものでした。
(2) 自治研集会「子どもたちに旬な農作物を」
① 「食の三部会」による自治研集会
2010年10月25日(月)18:30から福山市人権交流センター大ホールにおいて、市職労保育所調理員部会と給食士部会、栄養士部会(食の三部会)の仲間約70人が連携し、横断的な取り組みを進めている「食育・地産地消の推進」にむけて、現場で実践し発想する市職労運動の一環として学習会(自治研集会)を開催しました。
② 食の大切さを伝えていく立場にある大人として「何をすべきなのか」「何ができるのか」
学習会では、「子どもたちに旬な農作物を」という演題で、福山市農業協同組合の友滝和之さんを講師に招き、学校給食で地元食材を取り入れる工夫や、子どもたちに食の保障をしていくために、食の大切さを伝えていく立場である大人としての私たちがしっかり学ぶことと、時代の流れの中で食生活が乱れていることに対し私たちが何をすべきなのか何ができるのかなどを学ぶ機会となり、この学習会をきっかけとして、「食の三部会」の取り組みへと運動的につなげていくことができました。
(3) 市職労年末特別講演会
① 市職労の運動の基盤である「人権・平和・民主主義の確立」にむけて
2010年12月27日(月)18:45からふくやま芸術文化ホール(リーデンローズ)大ホール&小ホールにおいて、市職労の運動の基盤である「人権・平和・民主主義の確立」にむけて、戦場カメラマンでありフォトジャーナリストである、渡部陽一さんを迎えての年末特別講演会を開催しました。渡部陽一さんは大学一年生の時から戦場に取材にいき、これまでルワンダ紛争、コソボ紛争、チェチェン紛争、ソマリア内戦、イラク戦争など130もの国と地域の紛争を取材してきた従軍記者であり、これまでも「人権・平和・民主主義の確立」にむけて地道な活動を続けてきていました。
② 人と人が憎しみ合う中では何も生まれない、まずは「相手を知ること」「互いを認め合うこと」から
この特別講演会には、市職労組合員や家族、地域で共に運動を進めている民間労組の仲間を中心に2,200人の参加があり、自身が経験した戦場での体験や、戦争になれば子どもやお年寄りの方など、いわゆる社会的弱者と言われる方々が一番に犠牲になり、人と人が憎しみ合う中では何も生まれてこないことや、相手を知ること互いを認め合うことの大切さなどを改めて学習する機会となりました。
(4) 「公務労働拡大」の実践を契機として、一連の「自治研集会」の積み上げから生まれた「福山地方自治研究センター」について
① 福山地方自治研究センターの設立について
この間、市民サービスの最前線で働く私たちが、「公務労働拡大」を基軸とした自治研の取り組みから、組織的に議論し具体的な対案(政策)を提案できる力量を構築しながら、さらなる地方自治の確立と発展にむけて、2011年4月1日に福山地方自治研究センター設立という新たなステージを切り開くことができました。
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