【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第1分科会 「新しい公共」と自治体職員の働き方 |
学校給食調理員の夏休み、冬休み、春休みの三期期間中(以下『三期期間』という)における業務について、年間の実稼働日数などの指摘を外部から受ける状況にあった。逆に、保育園給食調理員においては、調理員全体で研修等を受けることが困難であることから、全体的な水準の維持が課題であった。そこで、両調理員が参加する調理員協議会を中心に三期期間の有効活用と業務の拡充を課題として運動の展開を検討してきた。 |
|
1. 背 景 (1) 少人数職場の弊害 (2) 不安定な職場 (3) 多様化への対応 2. 保育園給食調理員の業務 保育園の調理現場では、通常の給食調理は勿論のこと、10時と3時のおやつや、アレルギーを持った子どもに対するアレルギー食、乳児に対する離乳食など、多岐にわたっての調理業務を行っている。 |
|
||||||||||||||
※ 「食育基本法」2005年(平成17年)制定 子どもたちが健全な心と身体を培い、未来や国際社会に向かって羽ばたくことができるようにするとともに、すべての国民が心身の健康を確保し、生涯にわたって生き生きと暮らすことができるようにすることが目的であり、この法律の第5条には、「食育は、父母その他の保護者にあっては、家庭が食育において重要な役割を有していることを認識するとともに、子どもの教育、保育等を行う者にあっては、教育、保育等における食育の重要性を十分自覚し、積極的に子どもの食育の推進に関する活動に取り組むこととなるよう、行われなければならない」とされており、先生や保育士、給食調理員が一体となって取り組む課題であることは明白である。 ※ 「山口市食育推進計画」2007年(平成19年)作成 他の市町村と違う山口市独自の計画の特徴としては、山口市全体の食育を推進すると共に、特に次世代を担う子どもに焦点を向けて食育推進に取り組むことである。 |
3. 実施に向けて このような状況を踏まえ労使協議を行い、学校の三期期間を利用し、学校給食調理員が保育園へ出向き、保育園給食調理員の応援業務(業務の把握や補助)を行うことを提案した。 (1) 年間計画~実施可能日数 (2) 対 象 (3) 調整課題 (4) 内 容 4. 研修実績・今後の取り組みの展開 |
この間、3回の研修を実施してきたが、研修期間だけでは代替業務を行える業務把握は困難であることから、調理員協議会など業務時間外に調理員が集まり、それぞれの施設の特徴や子どもの状態など情報共有を頻繁に行ってきた。 山口市には、保育園が17園あり調理員は71人(学校53人、保育園18人)おり、保育園の業務経験がない職員もまだ多いため、誰でもそれぞれの保育園調理場の状況を把握し、代替業務を行うという目標を果たすためには、現状の研修実施状況においては困難である。 そこで、目標の達成に向けた研修の実施状況に大幅に見直す必要があるという意見から、2012年(平成24年)夏期の研修では、対象保育園・参加者・実施日数を大幅に増やす方向で検討しており、調理員協議会を通して両当局に調整を働きかけている。 まだまだ反省すべき点や問題点は多々あるが、研修や調理員協議会での議論を重ね、アレルギー児対応をはじめとした多様化する住民ニーズに応え、安心安全な給食を一貫して提供し、質の高い公共サービスの維持向上をめざす。 |