【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第1分科会 「新しい公共」と自治体職員の働き方 |
臼杵市行政経営ツールは、財務書類、事務事業評価、施策評価、市民意識調査などそれぞれ必要に応じて個々に作られ、改善・発展してきました。そして、10年経過をした今、個々のツールを関連づけて、有機的に結合しながら、有効的に市政運営に反映できるしくみを構築しました。今回は組合員の皆さんに臼杵市の行政経営システムの状況を簡単に解説していきたいと思います。 |
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1. はじめに 近年の長引く景気の停滞に加え、本市においては日本たばこ産業の撤退など、今後の経済情勢も不透明な中で、市の行財政運営は一段と厳しいものが想定されています。 2. 臼杵市の行政経営に関するこれまでの取り組み (1) バランスシート作成の経緯 (2) サービス検証システム導入の経緯 (3) 施策評価導入の経緯 (4) 市民意識調査(市民アンケート) (5) 各部(課)の主な運営計画・各部(課)重点施策導入の経緯 (6) 業務棚卸し・業務モデル導入の経緯 3. 臼杵市における行政経営システムとは 臼杵市において、これまで取り組んできた行政経営ツールを有機的に結合し、所管部課における事務負担の軽減を図るとともに、各行政経営ツールの相互連携を図ることによって予算編成に役立てるなど、より有効かつ効率的な行財政運営を行っていくことが、行政経営システム構築の目的です。 (1) 行政経営システムのイメージ |
(2) サービス検証システムの流れ |
(3) サービス検証システム(行政評価)について |
「臼杵市総合計画 後期基本計画(2011年~2015年)」(総合計画)は、臼杵市の最上位の計画であり、そこでは2015年までに目指す姿が記載されています。施策評価は、2015年までに目指す目標があり、それに向かって年々の進捗状況はどこまで進んでいるのかをチェックする評価であり、2015年に向かって順調であればそのまま続け、進捗が遅れている場合は、その原因を追究したうえで、今後の対策を検討します。 (4) 行政評価(施策評価、事務事業評価)と市政方針、予算編成との関連づけ 4. 行政経営システムの目指す姿 国によって使途が定められている「ひも付き補助金」の代わりに、地方が使途を同時に設定することができる地方交付金である「一括交付金」が導入されています(2012年度は県政令指定都市を対象)。これによって、これからますます臼杵市役所内部で財源の使途(歳出)を決める必要に迫られる可能性があります。そのため、意思決定を行うための情報をできる限り収集し、それに基づいて適正な意思決定を行っていかなければなりません。そのために、これまでの行政経営ツールを有機的に結合して、適正な意思決定ができるように体制を整える必要があります。 5. おわりに 今回、臼杵市の行政経営システムについて、解説しましたが、本行政経営システムの中で、底を支えるものは、一般職員が行う「事務事業評価」です。この事務事業評価は導入後、13年が経過しますが、この「事務事業評価」自体も、本来の目的を理解し、職員が個々の事業に優先順位をつけ、取捨選択能力を身につけることで、さらなる有効なツールとなります。しかし、この部分が形骸化すれば、システムも本来の効果が得られないことが考えられます。 |