【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第3分科会 自然災害に強いまちづくり~災害から見えた自治体の役割~ |
東日本大震災への支援活動から得た様々な教訓をもとに、被災地支援の在り方を見直すとともに、横浜市が大規模な震災に見舞われた時、従来の防災計画では対応しきれないということが明確になりました。そこで、横浜市でも防災計画の見直しが必要であり、その策定に向けた私たち自治労横浜環境支部の取り組みを報告します。 |
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1. 横浜市における、これまでの災害対策にかかわる取り組み ① 横浜市ではこれまで、阪神淡路大震災や新潟県中越地震・中越沖地震の際、災害支援隊を派遣して現地の復興に協力をしてきました。そして東日本大震災においても、3月13日にし尿収集部隊が仙台市に派遣されて以降、延べにして約500人の職員を被災地に派遣してきました。 |
2. 東日本大震災における横浜市内での対応 ① 3月11日の地震発生時、横浜市では震度5強を観測したことから、横浜市防災計画に則して5号配備が引かれ、全職員が緊急対応に備えることとなりました。地震の発生が午後2時過ぎであったこともあり、現場に出ていた職員も事務所に帰着後待機体制をとるとともに、庁舎や搬入施設等の被害状況の確認を急ぎ、その後次々と入る情報や要請に対し、地域防災拠点となっている小学校への支援活動、防災拠点で必要な防災用品の運搬、また海岸沿いの行政区では津波への警戒を呼びかけるなど様々な対応をしてきました。 |
3. 支援対応から浮かび上がった課題 ① 今回の震災対応においては、直営による迅速な判断と行動がどれだけ重要であるかを職員一人一人が再認識することとなりました。そして、被災地支援に赴くにあたっての体制整備の重要性と、横浜が大きな被害を受けた場合の災害対策の重要性を認識する機会となりました。 |
② 被災地への支援活動をする際の災害派遣体制に関しては、被災地周辺での宿泊場所の確保、また、派遣した車両の燃料の確保など、被災地に負担をかけないのが原則ですが、現実的には被災地の協力が不可欠でした。また、食料の調達についても、現地では食料が不足していたため、横浜から食料を運ぶ必要があり、派遣職員の労働条件、安全衛生体制など、災害派遣体制のマニュアル化も必要であり、他都市との支援体制の確立や情報の共有化なども進めていかなければならず、そのためにも十分な労使協議は欠かせません。 |
4. 直営体制の持つ優位性の発揮と、今後の取り組みの方向性 ① 横浜ではこれまでも当局交渉において、行政が市民に対して果たすべきセーフティー・ネットとしての位置づけを強く訴え、結果として、『さらなるごみの減量化資源化の推進、安定的で確実な収集の確保、災害時の危機管理の観点から、燃やすごみについては本市職員が収集することにいたしてまいります。』との市長答弁を引き出し、家庭ごみの収集をそれまでの行政区委託から品目別の委託に変更し、『燃やすごみ』の収集は直営に戻すことを市当局に判断させてきました。 |
② また災害時の対応は市民にとっても重要な問題であることから、職場においても様々な取り組みを行い、特に災害時のトイレ問題は重要であることから、し尿部門では地域の防災訓練へ積極的に参加し、仮設トイレの使い方や組み立ての実演、簡易トイレパックの使い方を啓発するなどの取り組みを進めてきました。また、分別回収の推進に協力してくれた地域への還元として、簡易トイレパックなどの防災グッズを配布するなども行ってきました。 |