【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第3分科会 自然災害に強いまちづくり~災害から見えた自治体の役割~ |
災害時に避難等の行動をとるのに支援を要する要援護者への取り組みが、国や各自治体で盛んになってきております。本市における災害時要援護者支援制度と、被災時に地域での声の掛け合いや救助などの地域福祉・防災の重要性を述べるとともに、岡崎市が平成24年から取り組む、あんしん見守りキーホルダー事業について報告します。 |
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1. 災害時要援護者支援制度 (1) 災害時要援護者 (2) 地域住民の力 1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災は、内陸で発生した直下型地震で、神戸市を中心とした阪神・淡路島の地域で甚大な被害をもたらしました。この震災では、救助を求めていた約3万5,000人のうち、23%(7,900人)は自衛隊・消防隊が救助しましたが、半数は亡くなられていました。これに対し、77%の2万7,000人もの人たちを地域住民が救出し、その8割は生存者の救助でした。 |
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(3) 岡崎市の災害時要援護者支援制度
岡崎市では災害時要援護者として、次のような方を登録の対象者としています。 要援護者の氏名、住所、年齢、登録の区分情報、身体障がいの情報、特記事項(人工呼吸器・酸素ボンベの有無など)、緊急連絡先2人までの氏名、住所、電話番号等を登録していただき、その情報を地域支援者リーダーに名簿としてお渡しします。この名簿配布によって、町内会等では今まで把握できていなかった方を新しく把握する事ができたり、地域支援者毎で同じ情報を共有できるなどの利点があります。2012年4月1日現在では、市で把握している災害時要援護者が13,263人で、そのうち制度に同意されて登録されている方が7,437人となっています。 (4) 災害時要援護者個別支援計画の策定 |
2. あんしん見守りキーホルダー (1) あんしん見守りキーホルダーの概要 あんしん見守りキーホルダーを配布する対象者は、本市の災害時要援護者支援制度に登録されている方々です。見守りキーホルダーには、登録番号(見守りナンバー)と、岡崎警察署および岡崎市消防本部の電話番号が記載されています。 |
このキーホルダーを、普段外出時に身につけられている、かばんや杖などに付けていただきます。緊急時(外出先で倒れた、認知症の方の徘徊等)には、その方を見かけられた地域のかたから警察や消防へ連絡していただき見守りナンバーを伝えていただく事で、要援護者が市に登録している情報を確認し、身元確認や保護、身内の方への緊急連絡等を迅速に行うことができます。警察署と消防本部が連携することにより24時間365日対応できる体制を作っています。 |
(2) あんしん見守りキーホルダーの実施 この見守りキーホルダーは地域支援者を通じて要援護者に配布します。この配布活動において訪問する際に、要援護者と地域支援者が初めて顔を合わせる場合も多く、地域での繋がりを持つことができます。また配布の訪問の際に災害時要援護者個別台帳の作成も推進しており、地域での見守り活動が更に活発となるよう取り組んでいきます。 既に実際にお配りした要援護者やそのご家族の方からは、「大変ありがたい、安心して外出ができます。」「外出する際には本人に住所氏名などを書いた紙を渡していたが、キーホルダーがあれば安心です。」と好評を得ています。 3. 最後に 地域のつながり、地域の力と言うものは非常に大切で、災害時には声を掛け合って避難をする事が出来るとともに、地域支援者とつながりができることで要援護者も安心して地域生活を送ることができます。 |