2. 台風発生からの主な被害状況と自治体職員の対応
(1) 9月2日(金)<準備>
真夜中2時すぎ、主要道路の国道168号線が雨量規制により通行止となり、3時34分、奈良地方気象台から大雨警報を役場総務課が受信、午前6時、十津川村災害対策本部が総務課内(庁舎2階)に設置された。
当時は1号動員(34人体制)であったため、多くの職員は通常業務を行っていた。
午前10時頃、広範囲(約1,400世帯)で停電が発生、この頃から村内のいたる所で、道路崩落被害が出始め、緊急車両も通行不可能な箇所が出始めた。
午後には「土砂災害警戒情報」が発令されたことから、民家への浸水予防のため、消防団(役場本部分団)があらかじめ土のう袋をトラックに積載するなどの出動準備を行った。
午前中、対策本部と村福祉事務所との間で人工透析患者や要介護者などの要援護者状況を再確認と、本部から各大字(54地区)代表者に現在の被害・自主避難状況の確認と今晩の役場の勤務体制について電話連絡を行った。閉庁後、村長をはじめとする対策本部と1号動員(約20人)、消防団員(10人)、倒木等により帰宅不能となった職員の約30人により泊まり勤務体制を執った。
河川の水位計は設置されていなかったが、午後6時頃からは30分毎に「風屋ダム・二津野ダム・小森ダム」の3つの管理事務所から電話とFAXによる放水量の報告が入り、随時情報は入手できた。
午後10時、南部地域で谷水増加による浸水被害の報告があり、役場の消防職員が地元消防団と共同で水防(土のう積み)活動を行った。同じ頃、国道168号線上野地地内で土砂崩れが発生、小原~折立間も車両が通行不能となったことから、9月19日に供用開始予定の「十津川道路(小原~折立間4.3km)」を臨時的に使用した。
(2) 9月3日(土)<不通>
午前10時、上湯川地区で人的被害発生の一報が本部に入り、災害対策本部は3号動員(全職員対応)に変更。
この頃から、固定及び携帯電話が各所で不通となり、防災無線により各戸へ自主避難を呼びかけた。
午後3時40分、出谷地区において、この台風初の避難勧告が発令された。その後、幾分か雨量が弱まったかに感じたが、午後6時50分、119番に入電があり、野尻地区で村営住宅2棟が倒壊し、負傷者4人が役場横の診療所に搬送された。
午後11時40分、役場の電話が全て不通となった。 |