【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第3分科会 自然災害に強いまちづくり~災害から見えた自治体の役割~ |
近年、国内外を問わず、震災や風水害など、甚大な被害を与える自然災害が多発しています。神戸市においては、阪神淡路大震災の際、多くの地域や自治体から多大な支援を受けたことで、現在にまで復旧・復興することができました。その経験や教訓を活かすべく災害が発生した際の事前準備、支援の決定および実施手続きなどを円滑・迅速に行うことを目的として神戸市では災害支援マニュアルを作成し、支援時に活用しております。東日本大震災以降も各地で災害が発生し、緊急時の自治体の危機管理体制が大きく注目されるなかで、今後も起こりえる災害時に、迅速かつ的確な活動展開に向けて今回、環境局災害支援マニュアルを紹介します。 |
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1. マニュアルの趣旨・目的 神戸市広域災害支援マニュアルに基づき、環境局の災害支援を容易にするため、その準備、手続き等をマニュアル化することで、円滑・迅速な支援を行うものとする。 2. マニュアルの構成 (1) 事前準備 (2) 災害発生 (3) 支援の検討・決定 庶務課長は危機管理室が招集する災害支援検討会議に出席し、協議に参画する。 ② 環境局災害支援本部の設置 ア 災害支援が迅速に行えるよう局長をトップに局災害支援本部を設置する。メンバーは、局長、次長、庶務課長、業務課長及び関係課長とする。 イ 本部は先遣隊の派遣、情報の集約・分析、支援策等の内容の決定を行う。 ③ 先遣隊の派遣 ア 被災地の被災状況の把握と支援活動のスムーズな展開を図るため、必要に応じ先遣隊を現地に派遣する。 イ 先遣隊は業務課長をトップに作業計画等に携わる者・現場作業に精通している者(業務課・事業所等)及び後方支援等に携わる者(庶務課)を含め、数名で構成し、2台以上の車両で派遣する。 ウ 先遣隊は作業計画・派遣規模・期間等の立案を行うための被災状況を調査するとともに、被災都市と打ち合わせを行い、ニーズの把握を行う。 エ 本隊が現地でスムーズに活動できるよう、作業計画担当は積み込み場所、経路、処分場等を把握する。また、後方支援担当は宿泊先、駐車場、ミーティング場所、給油所、昼食場所、物資補給場所、医療機関等、派遣に必要な情報を収集する。 オ 先遣隊は情報収集した結果をすみやかに局本部に報告する。 ④ 支援内容の決定 局本部は被災都市等からの支援要請や災害支援検討会議の結果、先遣隊の調査結果を総合的に検討し、すみやかに支援内容((ア)支援の種類 (イ)支援先 (ウ)支援の規模 (エ)支援期間)を決定する。 ⑤ 支援決定 局本部が決定した支援内容を災害支援検討会議に報告し、同会議の協議を経て、市長が支援を決定する。 ⑥ 報道発表 報道発表については、危機管理室と調整し、支援決定後すみやかに行う。 (4) 支援決定に伴う具体的業務 ア 派遣にあたっては隊員を一堂に集め説明会を行う。ただし、緊急で、事前に開催できない場合は、派遣の当日行うこととする。 イ 説明会において、現地の状況説明、安全作業の諸注意、携行資機材の配布等を行う。 ② 作業ミーティング ア 現地到着後、作業が円滑に行えるようにするため、隊長及び作業の責任者等は、被災地とミーティングを行い、作業に着手する。 イ 作業ミーティングは毎日、作業着手前及び作業終了後行うものとし、ミーティング結果は作業員に周知する。 ③ 作業結果報告と支援状況の把握 作業結果と支援状況については、日々整理し、局本部に報告するものとする。 |
(6) 結果報告 派遣先からの支援状況について、局本部は取りまとめを行うとともに、危機管理室に報告する。また、派遣内容の変更が生じた場合も同様とする。 ② 支援内容の検証 派遣先での支援が終了した段階で支援活動状況を集約し、今後の支援活動に役立てるため、その内容の検証を行う。 ③ 経費の支出・報告 支援活動の終了後、要した経費を支出するとともに、経理係を通じて、危機管理室及び行財政局財政部財務課に報告する。 |
環境局災害支援メニュー
○ 職員の派遣 廃棄物処理計画作成スタッフの派遣 |
3. まとめ 災害支援マニュアルは、あくまでも災害支援活動を効率的にするために定めたものであり、このマニュアルを活用することで円滑・迅速な支援を促すことはできますが、より効率的な支援活動に向けて重要なことは、日常の業務や取り組みにおいて形成されている地域でのコミュニティを維持・継続させることが重要です。これにより、地域における特性や災害時での弱点などを把握することが可能となり、より強固なセーフティ-ネットを確立することができるため、日頃から地域住民と協働した取り組みを行うなど、地域に根ざした活動を展開していくことが最も重要であると考えています。 |