【自主レポート】

第34回兵庫自治研集会
第5分科会 医療と介護の連携による地域づくり

 2007年に結核予防法が廃止、感染症法へ統合され、新感染症法として新たな結核対策がスタートした。しかし、各担当者レベルの理解度は様々であり、法律的解釈の統一を図るとともに、その理解を深める為に辞意例をとおして、各担当者が抱える疑問点や課題の検討を行った。



結核行政のあり方を考える


群馬県本部/群馬県職員労働組合・結核を考える会 櫻井 昇幸

1. はじめに

(1) 感染症法の改正
 2007年(平成19年)に結核予防法が廃止され、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以後、「感染症法」)に統合された。1951年(昭和26年)に法律制定以来、近代結核対策の根幹となってきた結核予防法の廃止は、これまで結核行政に係わってきた者にとって大きな衝撃であった。

(2) 古い体制からの脱却
 感染症法が改正されたことを好機と捉え様々な改革に着手してきたが、各保健所の担当者は、頭では解っていたとしても事務の取扱いを変更するまでには至っていないのが実情である。
 そのため、我々は、日頃、直面する事例をもとに、事務手続き及び法律的解釈、またその理解を深める為に勉強会を開催した。


2. 内 容

(1) 事例や知識の共有
 群馬県における結核行政は、医師、診療放射線技師、保健師及び臨床検査技師が係わっているが、それぞれ技師会を組織しており、技師会での研修や研究発表会等の取り組みは、活発に行われてきたものの、職種間の交流や合同の勉強会は開催されてこなかった。
 診療放射線技師が主に担当する画像診断のことや、臨床検査技師が主に担当する菌検査のこと等、他の職種にはあまり理解されていなかった。
 本検討会には、その四職種が参加しており、昨年に引き続き本検討会を通じて、それぞれに帰属する分野の内容の研修を行った。

(2) 情報の収集と共有
 さまざまソースから、情報収集を行い共有するとともに、検討を行った。
 例
① 公衆衛生アーカイブス~君たちへ③(機関誌から)
② 結核は今でもコモンディジーズ(ホームページから)
③ 「もしかして……結核?」というケースにであったら(ホームページから)
④ 結核診断の届出は公費負担申請は、ここに注意(ホームページから)


3. まとめ

 近年、市町村も含めた大規模な担当者会議が開催されないなかで、各結核担当者間の意見交換の機会がなく、全体としての見解の統一が図られないままに放置されているのが実情である。
 そのことにより、担当者の認識の差や知識の差が大きくなっているように思われる。
 今回、職種を越え、また自治体を越えて問題の共有や情報の共有を行いながら、2年間の勉強会を行ってきた。また、中核市保健所の担当は、若い職員も多く、経験の少ないなか、その者達の知識への欲求の受け皿になったものと思われる。
 この後は、自主サークルとして本勉強会を継続していくことにより、自治研としての目的を達成できたものと思われる。