【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第6分科会 地域での子育ち支援 |
食物アレルギーへの学校給食での対応の現状と問題点に対する問題提起。 |
|
1. はじめに (1) 食物アレルギーとは
(2) 食の障害者
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2. 現 状
(1) 弁当持参者の家庭では (2) 給食を提供できない子どもが存在する理由 (3) 本当の問題は 3. 弁当持参者の思い もし、あなたの子どもに重度の食物アレルギーがあったら……と考えてみてほしい。毎日の給食の時間に、「このおかずおいしい」とか「俺、お汁おかわりする」とか「やったあ、今日給食にゼリーがついちょん」とか、皆が給食に関係する会話で楽しんでいても、給食を食べられないので会話に入ることができない。そしてそれが当たり前になってしまう。当然、『食物アレルギーがあるから仕方ない』と理解できるところはある。でも、『できれば子どもに給食を食べさせてあげたい』というのが本音だろう。 |
4. 可能性のある施策 (1) 食材からメニューを考える
|
(2) 農薬、化学肥料、添加物のアレルギー 食材の種類だけで考えれば、給食の提供を行うことは可能だが、食材の調達が次の課題になってくる。農産物の大量生産による弊害である農薬、化学肥料のアレルギーを保有する場合があるためだ。まず、国外産の農産物であれば、農薬・化学肥料にプラスしてポストハーベスト農薬も加えられることになるため論外だ。理想は、地元産の無農薬・無化学肥料の野菜だが、日出町内で有機農業を行っているところは数えるほどしかないため、これも実現は難しい。そう考えると、県内産または国内産のそれで対応することが現実的だろう。 5. 問題点と解決方法 提供できる給食を作ることが可能になっても、解決しなければならない問題がいくつかある。それらについて考えてみる。 (1) 給食費の問題 (2) 摂取カロリー等の問題 (3) いじめの問題 そもそもアレルギーがない子どもに対しても同じ給食にしなければならない理由があるのかという問題点が浮かんでくる。単に、弁当持参者に給食を食べさせたいというだけならそこまでする必要はない。だが、全員同じものにこだわることには理由がある。 学校給食法の第2条第3号に『学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。』という一文があり、それが達成されるよう努めなければならないという規定がある。例えば、同じ給食を食べられれば子どもらに共通の話題ができ、学校生活が豊かになるのではないだろうか。というより、給食とは本来みんなが同じものを食べるものなのだから、そういった空間が提供されるべきところではないだろうか。また、食育の観点から考えれば、同じ給食を食べることで食事することの楽しさを学ぶことができるのではないだろうか。もちろんこれらだけではなく、『アレルギーがある子どもに皆と同じものを食べさせてやりたい』という個人の思いも汲んでほしいとも思う。 (1)~(4)に挙げた以外にも多くの問題があると思うが、どれもクリアできない問題ではないと思う。“無理”と諦めるのではなく、“どうすればその問題をクリアできるか”が重要ではないだろうか。 6. まとめ 食物アレルギーについては、障害者のように法の整備がされているわけではない。かといって、アレルギー保有者は法の整備を望んでいるわけではない。もっとアレルギーがある人のことを分かってほしいだけだ。まずは『どんなことで不便と感じ、どんなことを望んでいるのか』それを理解してほしい。除去給食対応の子どもに対しても、除去しているから良いではなく、皆と違うものを食べているということを理解しておいてほしい。 |