【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第8分科会 都市(まち)と地方の再生とまちづくり |
過疎化による沿線人口の減少と、少子高齢化による利用者の激減、経営安定基金の減少自治体の厳しい財政事情などで、存亡の危機に立たされている「第三セクター鉄道」(三セク鉄道)は全国各地に見られます。2015年春の北陸新幹線開業(長野・金沢間)によって、現在のJRから経営分離される並行在来線の開業準備を通じ、沿線自治体として感じたことなどを踏まえ、三セク鉄道の存続の可能性と展望について考えます。 |
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1. 新潟県妙高市を取り巻く並行在来線の課題 (1) 「並行在来線」とは |
(2) 並行在来線開業に向けた当地域の取り組み |
2. 三セク鉄道の経営状況 国鉄民営化の際、国鉄再建法により、国鉄やJRから経営が切り離された赤字ローカル線(特定地方交通線)や、当地域のように、整備新幹線開業に伴う並行在来線区間を第三セクター会社が肩代わりした鉄道の経営では、国鉄やJRの経営の足かせにならないように切り離すとする趣旨や、設立された経緯から見ても楽ではありません。 |
3. 施設老朽化等への対応 三セク鉄道は、国鉄時代の問題を引きずっているところが多く、近年は、線路やトンネル・橋梁などの施設、電気・信号設備や、リニューアルしていない駅舎など、施設・設備の老朽化が目立っています。中には、開業時に購入した車両は、既に20年以上使用しているところも多く、安全確保の面からも更新を迫られる状態にあります。 4. 三セク鉄道問題の経緯 従来の地方交通線問題は、沿線人口が少なくなり、自動車の一般家庭への普及で公共交通の輸送需要が落ち、鉄道の経営が維持できなくなったことから端を発していました。しかし、近年では、整備新幹線の開業により、当地域のように、在来幹線鉄道が地方交通線になるという新しい形体の問題が生じています。 |
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5. 三セク鉄道の今後を考える 鉄道は、大量輸送という特性と高速・定時運行という長所を生かせるところに存在意義があります。しかし、大量輸送の特性を発揮しているのは全国の三セク鉄道では、数者のみで、第三セクターでこうした鉄道特性を生かしたところは少ないのが現状です。 |