【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第8分科会 都市(まち)と地方の再生とまちづくり |
町名の由来にもなっている”猪名川”はその源を本町の大野山に発し、大阪湾に至っています。猪名川の源流にあるまちとして、また先人から受け継いだ豊かな自然を守り、自然との共生の心を取り戻し、親しめる河川の環境を創造し、これを次世代に引き継ぐことを目標として町民運動を展開しています。 |
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1. 町民運動がめざすもの
猪名川は“一級河川淀川水系”に属しており、その源を本町の大野山に発し、東西を急峻な渓谷や大阪・兵庫の府県境を形成する形で南下しながら、やがて神崎川に合流して、大阪湾に注ぎだしています。阪神地域を流れる武庫川とともにまちの中心を北から南に流れる猪名川は、豊かな生活を満足させ、またさまざまな産業の発展に貢献してきました。 町民運動がめざすものは、将来を見すえて祖先から引き継いだ猪名川を身近な親しめる河川として回復、新しい川の姿を創造し、次の世代に引き継ぐことを目標としています。 このため、森林や生活における水の利活用についても見直すことにより、河川そのものの浄化・流下環境を回復することにより“清流が流れるふるさとのまち”づくりをめざした取り組みを展開しています。 |
2. 推進体制
この取り組みは、家庭はもとより、だれもが主体的に参画できる自治会などの地縁団体や各種団体等で活動を進めることを基本とし、事業者、行政も一体となって“町民運動”を進め、参画と協働による町民運動を進めるシステムづくりを行いました。主体別の町民運動は次のとおりです。 ○主体別役割 住民:一人ひとりが、また近隣と共同で取り組みます。 地縁・各種周体等:参画を呼びかけ、町民運動のネットワークを広げます。 事業者:住民や行政と協調するとともに可能な限りの協力を行います。 個々の住民の取り組みはもとより、組織体として「清流猪名川を取り戻そう町民運動実行委員会」により、取り組み内容・対象地域を拡充していきました。 |
3. 清流猪名川絵画展の実施
次世代を担う子ども達に河川に関心を持ってもらうことを目的に“清流”をテーマとした絵画展を毎年開催し、今年で5回目を数えました。今年は、町内の小学校・幼稚園・保育園及び町内在住の児童から約400点の作品応募がありました。2012年10月23日(日)に絵画展表彰式を開催し、町のマスコットキャラクターである「いなぼう」もかけつけ、表彰式終了後には「いなぼう」との記念撮影を行う児童の姿が多数見られました。
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4. 河川清掃活動の取り組み
林田地区では、周辺の自治会や地元のまちづくり協議会を始め、清流猪名川を取り戻そう町民運動実行委員会、町職員ボランティアなど総勢66人が参加しました。 当日は、天候にも恵まれ暖かい日の光がこぼれる中、2時間ほどかけて河川周辺約200メートルの草刈りやごみ拾い、不要木の伐採 などを行いました。 民田地区においても、猪名川漁業協同組合が主体となり猪名川漁協「川の案内所」周辺で、マス・アマゴ釣りと河川清掃が実施されました。 女性や子どもの参加者も見られ幅広い年代の方が参加されたことで、この日の清掃活動だけで多くの可燃ごみ、不燃ごみ、ビン・缶、大型ごみなどが回収されました。 日本中で、生物が棲みやすい環境が近年失われつつある中で、河川清掃により猪名川に棲む多くの生物を守ることは我々が生活する上でも、大変重要なことです。 |
5. 里山再生に向けて~ペレットストーブ火入れ式~
清流をめざすにあたり、山の保水・浄化機能の高まりが不可欠との観点から、町では里山再生にも取り組んでいます。その一環として、2011年12月1日(木)“道の駅いながわ”に設置された薪ストーブの火入れ式が行われました。これは、町の財産である里山の機能回復に向け、近年人気の「薪ストーブ」を公共施設にモデル設置することにより、伐採木や木材の利用方法の一例として提示・PRすることにより、社会、生活環境の変革により放置されてきた里山と人の関係を見直し、現代社会における里山と人との関わりを築いていこうとするものです。 |
6. まとめ
本町は、阪神地域の最北部に位置し、都市近郊にありながら四季を通じて豊かな自然が感じられます。町域の8割を占める兵庫県立自然公園などを背景に、町南部丘陵地は昭和40年代から大規模な住宅地として開発が進み、現在では人口3万2,000人を超え、緑とともに暮らす快適な大都市圏のベットタウンとして発展してきました。 |