(2) 赤穂市のスポーツの現状と課題
① 子どものスポーツ
小学生を対象としたスポーツ少年団には、野球・バレーボール・サッカー・剣道・柔道・少林寺拳法・水泳・空手道・多種目など9種目51団体に949人の団員が登録し、活発に活動しています。
しかしながら、本市の子どもは、10年前と比べて、「走る」「投げる」「握力」などの体力・運動能力が低下しています。子どもの体力低下の問題に対しては、多種多様なスポーツイベントを通じてスポーツの楽しさ、重要性を啓発することが大切です。子どものスポーツに対する関心・意欲を高めるとともに、地域で安心してスポーツを楽しめる環境づくりが必要となっています。
② 成人のスポーツ
スポーツへの関心や意欲は高いものの、スポーツを日常に取り入れたり継続的に実施するまでにはいたっていません。その理由として、多くの人が「時間がない」ことを一番にあげています。
スポーツを日常に取り入れて継続的にスポーツに親しむようにするためには、個々のライフスタイルに応じた施設の利用方法を広く知らせたり、様々なスポーツイベントへの参加機会を増やしたりすることが必要となっています。
③ 高齢者のスポーツ
地域の公園や公共施設を利用して、ゲートボールやグラウンドゴルフなどを楽しむ高齢者が増えています。これからは、スポーツによる健康や体力づくりの効果を活かすだけでなく、スポーツイベントや定期的なスポーツ活動が、交流の場や、生きがいづくりの場として必要となっています。
④ スポーツ施設
市民の身近なスポーツの活動拠点として、城南緑地運動施設や市民総合体育館をはじめ、学校の体育施設や地区体育館などを広く開放しています。しかしながら、多くの市民が生活の中にスポーツを定着できずにいます。これからは、一人でも多くの市民にスポーツを楽しんでもらうため、公共のスポーツ施設や学校体育施設を効果的・効率的に活用するとともに、多種多様なスポーツイベントを通じてスポーツリーダーやボランティアを養成し、人的環境を整えていく必要があります。
⑤ スポーツに関する情報
市民のスポーツへの参加意欲を促進するためには、公共スポーツ施設の利用状況やスポーツイベントなどのスポーツ関連情報が、チラシ、新聞、広報、インターネット等を通じて、より容易に入手できる環境づくりが必要となっています。
2. スポーツ都市宣言
(1) 経 緯
赤穂市では、2006年「のじぎく兵庫国体剣道競技」の赤穂市開催を契機に、翌年の2007年度より、「スポーツ先進都市推進事業」として、指導者講習会、多世代スポーツ交流大会、友好親善スポーツ交流、高校野球親善試合などを実施してきました。
また、のじぎく兵庫国体の開催を記念し、「義士のまち播州赤穂」を広く市内外に発信するため、近畿高等学校選抜剣道大会と赤穂義士杯青少年柔道大会を毎年実施してきました。
2011年11月13日には、赤穂市制60周年記念事業として、「活気あふれる忠臣蔵のふるさと播州赤穂」を全国に発信するため、赤穂市最大のスポーツイベントとなる第1回赤穂シティマラソン大会を開催しました。
赤穂市は、これまでに、健康で活力のあるまちづくりを進めるために、「スポーツ先進都市推進事業」を推進するとともに、スポーツ活動の推進拠点である城南緑地運動施設や市民総合体育館をはじめ、各地区体育館を整備し、市民のスポーツ・レクリエーション施設の整備・充実を図ってきました。そして、市制施行60周年を契機に、生涯を通じてスポーツを親しみ、健康な生活を送ることのできる「健康とスポーツを新機軸としたスポーツ先進都市」を実現するため、「スポーツ都市」とすることを2012年2月に宣言しました。
(2) 宣言内容
「スポーツ都市宣言」
スポーツは、爽快感、達成感など精神的な充実や楽しさ、喜びをもたらしてくれるだけでなく、体力の向上や生活習慣病の予防など健康の保持増進に資するものであり、日々の生活に生きがいや潤いをもたらしてくれます。
赤穂市では、スポーツの持つ多様な意義を踏まえ、恵まれたスポーツ環境を最大限に活かしながら、市民の誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことのできる生涯スポーツを推進します。
また、スポーツを通じて、市民の郷土愛と連帯性を高め、「活気あふれる忠臣蔵のふるさと播州赤穂」を広く市内外に発信し、「健康とスポーツを新機軸としたスポーツ先進都市」の実現をめざすため、ここに「スポーツ都市」とすることを宣言します。
2012年2月23日 赤 穂 市 |
3. スポーツイベントによる地域の活性化
地域の活性化につながるスポーツイベントには、次のような効果やはたらきがあると考えられます。
① 立場や利害が異なる行政や企業・各種団体が一緒になって開催するスポーツイベントは、地域を変える原動力となります。
② スポーツイベントには、人と人、組織と組織を結びつける素晴らしい力があります。
③ スポーツイベントをキッカケに、地域の魅力や特性が広くアピールされ、それが地域の活性化につながります。
④ 市内の沿道や観光地、名所旧跡を走るマラソン大会は、コースそのものがショールームとなります。
⑤ 県内外から多くのランナーや観客が訪れるスポーツツーリズムは、最大の観光資源となります。
4. 赤穂シティマラソン大会
(1) 赤穂市を代表するスポーツイベント
赤穂シティマラソン大会は、「活気あふれる忠臣蔵のふるさと播州赤穂」を市内外に発信する絶好の機会であるとともに、「赤穂の魅力」を全国にPRするために極めて有意義なスポーツイベントです。
大会の成功に向けて市民と行政が一体となる取り組みは、市民の郷土愛と連帯性を高め、市勢の伸展に大きく寄与することが期待されます。
(2) 大会の基本方針
赤穂シティマラソン大会を成功に導くため、次の4つの基本方針を定めました。
① 関係機関、競技団体、地域団体など市民の総力を結集し、赤穂シティマラソン大会が赤穂市を代表するスポーツイベントとなることを目指します。
② 赤穂シティマラソン大会を通じて「赤穂の魅力」と「活気あふれる忠臣蔵のふるさと播州赤穂」を全国に発信します。
③ 赤穂シティマラソン大会を契機に、市民の健康増進とスポーツ振興の充実を図り、全国各地から訪れる多くのスポーツ愛好者との交流の輪を広げます。
④ 赤穂シティマラソン大会を市民と行政が一体となって盛り上げ、市民の郷土愛と連帯性を高めます。
(3) プレ大会
赤穂シティマラソン大会を赤穂市最大のスポーツイベントとして定着するため、スポーツニッポン新聞社とタイアップし、関係機関、競技団体、市民、地域団体など、市民の総力を結集して2011年1月30日にプレ大会を開催しました。
プレ大会は、1周4キロの周回コースが設定できる広大な赤穂海浜公園で開催しましたが、大会会場に参加選手等が待機できる屋内施設がないこと、大会会場が最寄の駅から遠いこと、開催が極寒の1月末であったため競技運営や沿道の応援が非常につらかったことなど、参加者や競技役員から多くの改善点がだされました。
(4) 第1回大会
プレ大会の反省を踏まえ、大会会場を市民総合体育館が隣接する城南緑地公園陸上競技場に移し、開催時期を気候の良い11月に変更するとともに、マラソンコースに赤穂城内や市内の名所・旧跡、風光明媚な瀬戸内の海岸線を加えるなど出来る限りの改善を行い、2011年11月13日(日)に第1回赤穂シティマラソン大会を開催しました。
記念すべき第1回大会は、天候にも恵まれ絶好のマラソン日和の中、全国各地から2,490人のマラソンランナーが参加して盛大に開催されました。
ハーフマラソンの部には、北は北海道から南は九州の熊本県・大分県から803人のランナーが、10キロと5キロの高校生以上の部には691人が、2キロ・3キロの小中学生・ファミリー・車イスの部には、市内の小中学生やファミリーを中心に996人が参加しました。
また、第1回大会にもかかわらず、①楽しめるコース設定、②参加者、応援者も楽しめる大会、③熱心な応援、④独自の特色を持つ大会、⑤素晴らしい大会運営などが参加者から高く評価され、月刊ランナーズの公式サイトで、2011年度の11月開催大会の総合月間ランキングの10位にランクインするとともに、2011年度の大会100撰に選ばれました。
万全を期して開催した第1回大会は、大会会長の市長をはじめ各種団体代表者の大会役員153人と、赤穂市陸上競技協会を中心とする競技役員と各種競技団体の役員をはじめ、各種団体のボランティアスタッフ1,062人、庁内の横断的な協力体制による市職員を主力とする競技会役員257人の合計1,472人がスタッフとして大会運営に携わりました。
特に、走路・交差点の誘導には、市内の消防団員120人と交通安全協会の会員55人が担当。エイドステーションとなる給水所には、市内企業の有志や自治会会員が担当。沿道応援隊には、幼稚園児や保育士有志の和太鼓クラブ、中学・高校・大学の吹奏楽部、鼓笛隊やエイサーなどの市民グループが担当し、市民の総力を結集して大会を盛り上げました。
また、大会役員とは別に、3,000人を超える市民が途切れることのない沿道での熱い声援で、大会をさらに盛り上げました。 |