【自主レポート】

第34回兵庫自治研集会
第8分科会 都市(まち)と地方の再生とまちづくり

 神戸市職員労働組合環境支部では、社会貢献活動の一つとして、日ごろの業務と関連の深い取り組みであるクリーン作戦を市役所、東遊園地周辺及び三宮駅までのフラワーロード周辺で実施しています。
 その取り組みについて、報告します。



社会貢献活動「クリーン作戦」の実施
 

兵庫県本部/神戸市職員労働組合・環境支部 中西 寛光

1. はじめに

 神戸市職員労働組合環境支部では、社会貢献活動の一環として、2003年より、①毎年5月30日の「ごみゼロの日」から6月5日の「環境の日」までの約1週間、②旧居留地を中心に開催されるルミナリエ期間、③毎年1月17日に開催される阪神・淡路大震災追悼集会の時期に、神戸の玄関口である三宮駅から旧居留地までの間で、日常業務と関連が深い取り組みである、クリーン作戦を実施しています。この取り組みについて、報告します。

2. 経 緯
市役所周辺の路上喫煙禁止地区及びクリーン作戦実施エリア

 神戸市職員労働組合環境支部が実施しているクリーン作戦は、神戸の玄関口である三宮駅から神戸市役所をはさんで旧居留地までの間で実施しています。
 このエリアは、神戸市が1997年に制定した「神戸市たばこの吸殻及び空き缶等の投げ捨ての防止等に関する条例(ぽい捨て禁止条例)」で、特に環境の美化を推進する必要がある区域として、「ぽい捨て防止重点区域(重点区域)」に指定されており、さらにぽい捨て禁止条例を全面改正して、新たに路上喫煙の防止に関する規定を盛り込んだ「神戸市ぽい捨て及び路上喫煙の防止に関する条例(歩きたばこ禁止条例)」においても、「路上喫煙禁止地区」に指定されています。
 これらの区域では、地域の美化推進団体と協働で、美化活動に取り組まれていますが、市の環境行政に携わる職員として、少しでも地域の美化に貢献したいという組合員の思い、神戸を訪れる観光客の皆様に気持ちよく観光していただきたいという「おもてなし」の心、追悼集会に参加する方や慰霊に訪れる遺族の方に、少しでも気持ちよく来ていただきたいという思いなどから、このクリーン作戦を2003年より開始しました。

3. 取り組みの状況
ルミナリエクリーン作戦への参加者の推移
(最近4年間)
年度
実施期間
のべ参加者数
2008
12/4~15
286人
2009
12/4~14
333人
2010
12/2~13
334人
2011
12/1~12
369人

 環境支部では、このクリーン作戦を、取り組みを開始した2003年以降、毎年、①5月30日の「ごみゼロの日」から6月5日の「環境の日」までの約1週間、②旧居留地を中心に開催される神戸ルミナリエの開催期間(約2週間)、③毎年1月17日に開催される阪神・淡路大震災追悼集会にあわせて、就業時間後の17時30分から18時までの間で実施しています。
 この取り組みも、最初のころは、各職場に「クリーン作戦を実施します」と支部役員が声をかけて、ようやく集まっていただくという状況でした。しかし、最近では、実施時期が近づくと、「また今年もクリーン作戦するんやな」と組合員の方から声がかかるようになりました。また、支部組合員以外の幹部職員や他支部からも多数参加していただけるようになり、「継続は力なり」を実感しています。
 このクリーン作戦を実施しているエリアは、歩きたばこ禁止条例制定後、過料徴収(1,000円)していること、ボランティアや企業などによる美化活動も行われていることなどから、決して普段からごみが多い区域ではありません。
クリーン作戦実施の様子
参加者の様子(クリーン作戦前)
 しかし、神戸ルミナリエ開催期間に実施するクリーン作戦では、ルミナリエ会場付近に多くの屋台が並ぶことから、それを利用した方が捨てたと思われるごみ、先の尖った串、ライター、傘等の危険なもの、財布などの落し物など、「どうしてこんなものがこんな所に」と思うようなものが、路上だけでなく植え込みの中などから見つかることもあります。
 そのため、参加者には、軍手と火ばさみを支部より手渡すとともに、暗い中での作業になることから、支部で作成した上着を、参加者の皆さんに目印として着用していただくなど、安全に十分に注意して実施しています。
  集め終わったごみは、神戸市の分別ルールに従い、それぞれの指定袋に皆さんに分別していただき、廃棄しています。この分別は、環境局職員であることから、手際よく分別されていきます。集め終わったごみをみると、まだまだマナーの悪い人も多くいることを実感させられ、今後の業務で周知徹底を図っていかなければと感じさせられます。
 支部では、これらの取り組みのほか、2002年度には、6月のワールドカップ開催に伴い、試合会場であるウイングスタジアム(現ホームズスタジアム)周辺のクリーン作戦を、2005年度と2008年度には、神戸市職労主催のイベント開催時に、会場の須磨海岸のクリーン作戦をあわせて実施しており、今後も、このような市内での大きなイベント開催時には、引き続き支部でできる「おもてなし」を行っていきたいと思っています。

4. さいごに

 神戸市職労では、本部を中心に、阪神・淡路大震災の際、全国のみなさんから支援をいただいたことから、全国の災害被災地への支援活動をはじめとして、さまざまな社会貢献活動を実施しています。
 市職労環境支部としても、この取り組みの一端を担うべく、支部の特徴を活かしたこの「クリーン作戦」を、今後も継続して実施していきたいと考えています。
 さらに、この取り組みを通じて、支部組合員とのつながりも密にし、その他の活動の際にも「大同団結」して取り組んでいけるよう頑張っていきたいと思います。