【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第9分科会 農(林漁業)から考える地域づくり |
近年、木材価格の低迷により、森林が伐採された後の再造林が進んでいないことが問題になっている。2009年に労働組合を結成、自治労加盟した東城町森林組合からの相談をきっかけに、広島県本部では、プロジェクトチームを立ち上げ、この問題に取り組んできた。実態の把握、フィールドワーク、県外調査を通して議論した今後の森林づくりの方向性、自治体、森林組合などの事業体、地域のあり方についてまとめました。 |
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1. はじめに (1) 庄原市では伐採後、放置される森林が増加 (2) PTの立上げ |
2. 庄原市で伐採後放置された山の面積を調査 正確に調査した資料がなく、航空写真と聞き取りによる推定しかできなかったが、少なくても市全体で1,700haから3,000ha(民有林面積の2~3%)ぐらいと想定した。このことは1年間にどれだけの木が伐られ、放棄された山がどれだけあるのか、行政も森林組合も把握できていないことを改めて証明することとなった。 |
3. フィールドワーク 庄原市東城町内の伐採跡地(面積182.6ha)で実施。調査目的は、大面積皆伐後どのような被害があるか。もとの環境に戻すにはどうすればいいかの視点で調査を行った。(写真1) (1) 調査を終えた感想 (2) みんなが森に期待するものについて検討 |
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4. 県外調査 視察先は、地方自治職員研修2010年1月号の記事に「森と生きる 21世紀 西粟倉の可能性」を紹介された岡山県西粟倉村を選んだ。ここでは、村長のリーダーシップをとり林業を中心とした経済活動を行っており、住民を巻き込んだ取り組み、豊かな森づくりを学びたいと考えた。 (1) 「100年の森構想事業」と「森の学校事業」 (2) 視察を終えて |
5. 循環型の山にすることが必要 最初は伐採跡には全て木を植え森林を再生させることを考えていたが、活動を進める中で、「木を伐ったら森を再生させ育て、再び伐って使う」この繰返しのシステムを確立させた循環型の山づくりをめざすことが大切であり、そのために何をするべきか考えることとした。 (1) 木を植える目的 (2) 木を植え育てるための作業 (3) 木を育てるための費用 |
6. 私達のめざす理想の「森づくり」 (1) 理想の森づくりを考える (2) 伐採による災害を防ぐ (3) 変わる林業 |
7. 未来の森づくりをめざすための役割分担 (1) 県・市などの行政 (2) 森林組合などの事業体 (3) 地域とのつながり |
8. おわりに 地域とのつながりについては市民運動による啓発活度も必要と考え、逆節的な発想も含め木を伐った跡地に①木を植えてきちんと手入れをする、②木を植えるが手入れをしないで放置する、③何もせずに放置して結果を検証することも視野に入れ、それらを実践する候補地を絞り込みながらどういう啓発活動ができるかを検討したが具体化に至らなかった。課題である地域と協働した森づくりや、行政だけで考えるのではなく市民と一緒に考えるための市民運動のきっかけをどう作るかについて、県本部の協力を得ながら課題別集会等での現地活動などを活用して実践する方法を検討している。 |