【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第10分科会 「地域力」「現場力」アップにむけた学び合い |
越前市職自治研推進委員会等では、まちづくりや防災など様々なテーマに、講演会や学習会、イルミネーション設置活動等に取り組んでいます。取り組みを通じて、職員組合と市民活動団体が共に学んでいく場の必要性を感じるとともに、職員組合が地域から求められることの重要性を学びました。今後も、働きやすい・働きがいのある職場にする取り組みで、市民に「ありがとう」と言ってもらえる取り組み、そんな「自治研活動」を行っていきます。 |
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1. はじめに (1) 越前市の概況 (2) 越前市職員組合 |
2. 取り組み事例 (1) パネルディスカッション「東日本大震災に学ぶ」 ② 場所:越前市生涯学習センター 4階第1講義室 ③ 目的:被災地で支援活動を行った者から報告を聞き、災害時に職員がどうあるべきか、どのような組織づくりを行うべきかを学ぶ。 ④ 内容:2011年3月11日に発生した東日本大震災。津波により役所や学校の倒壊、押し流された家屋や車、さまざまな衝撃映像が、テレビ・新聞等で報道され、災害の怖さを目の当たりにしました。しかし、災害時には職員は最前線に立って取り組まなければならず、東日本大震災で実際に被災地へ行き、復興支援活動を行った4人のパネリスト(市職員、組織内議員)から、報道では伝わらない現地の状況、復興支援活動の内容など写真を交えながら報告を受けました。その後、被災地職員の状況や避難されている住民との関わり方について、それぞれ違う立場で感じたことを話していただきました。「報道で見るよりも、実際に現地に行き自分の目で見てくるべき。」、「こちらが支援に行っているのに、逆に避難者に元気をもらった。」、「派遣が終わる頃には『このままでは終われない、何年後かにどうなったかもう一度見に行きたい。』と決意した。」と現地に行って感じた熱い思いを話されました。最後に、「被災地の現状を見ると、役所機能が残っている自治体ほど復興が早い。やはり、職員が復興の重要な役割を担っている、合理化だけで職員を減らすべきでない。また、県も市もボランティアは終わっているが、今後も何らかの形で継続をしなければならない。」とまとめ、今後の継続的な支援等の重要性を学びました。 (2) 庁舎イルミネーションの設置(青年部自治研推進委員会) |
(3) 講演会「市民との協働を改めて考える」 ② 場所:越前市福祉健康センター 多目的ホール ③ 目的:昨今、市民と行政との「協働」が重要視されています。「協働」と名がつけば、すばらしい、先進的だという評価がある一方で、「協働」を言い訳に、行政の責任を市民に押しつけるような場合もあるのではないかと思います。果たして市民と「協働」して地域を活性化させるというのはどういうことか、また職員がどのように地域に関わるべきか。過疎・限界集落といわれた集落において、若者の定住促進や農産物の高付加価値化に取り組み、3年間で高齢化率を7~8%減少させた、石川県羽咋市職員の高野誠鮮さんから学びました。 ④ 内容:講演会では、ローマ法王へのお米の献上の話や若者との交流事業、農家だけで作った株式会社の運営の話等を通じて、集落・町は会議や印刷物では決して変化しない、本質を見抜き対応することや行動してみて「失敗」して、どうすればうまくいくのか考えることが重要であると学びました。 |
(4) 学習会「自治体財政分析」 ① 日時:2012年5月31日(木) ② 場所:越前市生涯学習センター 4階第1講義室 ③ 目的:越前市の財政状況について学ぶ ④ 内容:普段、気にすることのない市の財政。国の借金が1,000兆円を超える勢いであり、また夕張市のように財政破綻した自治体もある今日、市の財政を把握し、分析することが必要なのではないか、これが学習会を開催するきっかけです。そして、分析する前に少なくとも基礎的な財政用語や数字の見方等について学ぶ必要があると考えました。そこで、県内自治体の財政分析の比較を行った経験がある伊藤藤夫さんを講師にお招きし、決算カードの見方や財政用語について、わかりやすく、また丁寧に解説していただきました。 【応用編】 ① 日時:2012年6月27日(水) ② 場所:越前市市民ホール 2階 第3会議室 ③ 目的:前回の基礎講座を受けて、越前市の財政状況を他市との比較の中で学ぶ。 ④ 内容:前回に引き続き伊藤藤夫さんを講師にお招きし、学習会を開催しました。 決算カードの数字を見ているだけでは、何もわからないけれども、グラフにすると一目瞭然になること。また、それぞれの自治体によって、財政の面で特徴づけられる点がいくつもあることを学びました。県内全ての自治体の財政状況を把握することはなかなか困難でも、越前市や類似団体だけでも、毎年継続して調査・分析することが重要であると感じました。 (5) 今後の課題と方向性 3. おわりに 「自治研」とは何か。私の答えは、職場と地域の両方が元気に、また幸せになる取り組みです。言い換えれば、働きやすい・働きがいのある職場にする取り組みでありながら、かつ市民に「ありがとう」と言ってもらえる取り組みのことです。つまり、活動のテーマや熟度は問題ではない。そのことを、これまでの市職の取り組み、またここに記述できなかった丹南自治研センターとの協働の取り組みの中で学びました。 |