【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第10分科会 「地域力」「現場力」アップにむけた学び合い |
小規模自治体において、政策実現を行うには、地域住民の理解なくしてはありえません。 |
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1. はじめに 本町は、2010年国勢調査人口3,900人の、典型的な山間過疎地域であり、現在は県内では最も人口規模の小さい自治体である。 |
2. 常識を超える行財政改革の推進 単独町政を選択した本町が生き残っていくため、まず、これまでの常識を超える抜本的な行財政改革を行わなければならなかった。2005年度から2009年度の5か年で取り組んだ「川本町第2次行財政改革プラン」は、地域住民にとっても我々職員にとっても過去に経験したことがない厳しいものであった。 |
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行財政改革プランの中で私たち職員にとって大きな負担となったのが、職員数の削減である。 |
3. 厳しい行財政改革の中での職員のモチベーション 行財政改革プラン等による職員の処遇は大変厳しいものとなったが、このような状況下でも、職員は意欲を失うことなく前向きに取り組んでいった。その理由は、「自分たちの町を守りたい」という熱い思いからであり、職員がこの町を、単に「働く職場としての川本町」としてではなく、「守るべき自分たちの川本町」として再認識したからであろう。 |
4. 地域を支える役場職員 職員が地域に愛着を持ち続けいるという一つの根拠として、職員の地域活動への関わりの大きさがあげられる。職員組合として、あるいは役場組織としてのイベント参加等ももちろんであるが、職員一人ひとりが一住民として様々な活動に参加している。この度、これらの関わりを詳細に把握するため、全組合員を対象に、「組合員の地域活動に関するアンケート」を実施した。このアンケート結果及び考察について以下に記述する。 (1) 自治会活動への参加について (2) 音楽・文化・伝統芸能・スポーツ活動への参加について (3) 営農活動、ボランティア活動、NPO活動等への参加について (4) PTA役員等の関わりについて (5) 地域防災活動への参加について (6) 地域活動に対する意識 |
(7) 地域活動に関する自由意見 |
5. 川本町職員が地域に求められるもの このところ、国においても、公務員に地域活動への参加を促す動きが出始めている。「新しい公共」や「地域協働」といった、行政と地域住民の間に新たなパートナーシップを構築する政策が進められている中で、公務員がいかに住民目線で業務を推進できるかが問われている。また「地域に飛び出す公務員を応援する首長連合」といった、「公務プラスワン」の意識を持つ職員を後押しする地方自治体の首長も増え続けている。 |
6. おわりに 今回の自治研レポートの作成にあたり、私自身も職員の地域活動への関わりについて、様々な視点から考える良い機会となった。このような論考を試みながらも、自分自身の地域への貢献は他の職員に比べてもまだまだ少なく、今後もっともっと住民と接する機会を作らなければならないと感じた。また、全組合員へのアンケート調査を通じて、各組合員もあらためて自分の地域への関わりについて考える良い機会となったのではないかと思う。何よりも感謝したいのは、短い期間の中で、全組合員がこのアンケートに対する趣旨を理解し、回答に協力してくれたことである。このまとまりこそが、小規模自治体、小規模職員組合の強みであり、川本町が様々な試練を乗り越えてきた理由であると実感することができた。 |