【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第11分科会 地域から考える「人権」「平和」 |
「大分県本部男女がともに担う自治労委員会」が実施した「2012組合員意識調査」の結果と検証から、2012男女平等社会実現統一交渉への取り組みについて報告する。 |
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1. はじめに 大分県本部男女がともに担う自治労委員会では、男女平等参画社会実現にむけ、男女がともに担う自治労委員会大分県本部第3次計画(2009年~2011年)を基に、単組における男女がともに担う自治労委員会の設置及び計画の策定と推進に努めてきました。この間新たに3単組で委員会が設置され、全体として16単組で設置されています。しかし、設置済みの単組においても、県本部委員会と単組委員会との連携が十分とは言い難いことから、単組委員会の活動においてもばらつきが生じています。単組における「男女がともに担う自治労委員会」の設置は、組織強化やワーク・ライフ・バランス社会の実現に不可欠です。そこで、未組織単組へは早急に組織化を促すことで、単組が職場の実態を把握し、課題解決につなげるために県本部男女がともに担う自治労委員会との連携を強化することが重要です。今年度、「男女がともに担う自治労委員会大分県本部第4次計画」を策定するにあたり、第4次計画は第3次計画からの大幅な変更は行わず単組委員会の活性化につながるよう、学習会や代表者会議等を開催し、計画の推進にむけ職場の実態を把握するための調査と分析を実施します。この調査結果と分析により、具体的に取り組みを進めるための目標値を設定し、単組と県本部委員会との連携の強化を図り、「男女がともに担う自治労大分県本部第4次計画」を策定したいと考えます。 2. 男女がともに担う自治労大分県本部第4次計画の策定 (1) 策定にあたっての経過 今年度開催された、第2回・第3回県本部男女がともに担う自治労委員会では第4次計画の策定について具体的な議論を重ねてきました。その中で、3月に実施する「男女平等に関する意識調査」の集約・分析を検証することで、具体的な取り組みへの目標値の設定が可能となることから、6月の「2012男女平等参画社会実現闘争」にむけ、県本部委員会では単組の要求項目の重点課題を学習会の内容に盛込み、要求の説明会を開催しました。また、「男女平等に関する意識調査」結果を検証し、「第4次計画の策定」を第100回の県本部定期大会において提起したいと考えています。 |
(2) 2012年3月実施「男女がともに担う自治労運動(組合員意識調査)」集約 ① 結果:2012年5月15日現在7,989人の全体回答(61.1%) Q1.性別は
Q2.年齢層は
Q3.職場(又は単組内)は男女平等であると
Q4.昇進、昇格で女性差別の事例が自分の組織(単組)で
Q5.職場は年休が取得しやすい体制と
Q6.年休が取得しにくい体制の要因として考えられるのは
Q7.年休取得について、私的理由まで求められることが
Q8.年休を何に使用していますか。3日以上取得したものは(複数回答可)
Q9.育児関係の休暇制度を
Q10.職場は育児関係休暇を取得しやすい体制と
Q11.子の看護休暇制度を
Q12.家庭内で週に何時間、家事や育児に時間を使いますか
Q13.介護関係の休暇制度を
Q14.職場で介護関係休暇を取得しやすい環境作りは
Q15.職場は介護関係の休暇を取得しやすい体制と
Q16.家庭内で週に何時間、介護に時間を使いますか
Q17.セクハラ・パワハラを受けたことが
Q18.セクハラ・パワハラに関する相談窓口があり、相談しやすい環境となって
Q19.組合役員(単組役員・単組補助機関役員など)を依頼されたら
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② 結果:2012年5月15日現在7,989人の男女別回答(61.1%) Q2.年齢層は
Q3.職場(又は単組内)は男女平等であると
課題:男女ともに、職場が男女平等でないと感じている人が2割以上いること Q4.昇進、昇格で女性差別の事例が自分の組織(単組)で
課題:男性に比べ女性の方が1割以上、昇進昇格で女性差別があると感じている。 Q5.職場は年休が取得しやすい体制と
課題:男性が7割年休が取得しやすいとしているのに対して女性は半数近くが取得しにくいとしている。 Q6.年休が取得しにくい体制の要因として考えられるのは
課題:男性で6割近く、女性で7割近くが人員不足による業務量の増加により年休が取得しづらいと感じている。 Q7.年休取得について、私的理由まで求められることが
Q8.年休を何に使用していますか。3日以上取得したものは(複数回答可)
傾向:「家族の用事」「自治会活動」は男性、「家族の看病」「PTA」は女性の方が年休を取得する率が高い。また家族の看病に1割以上の人が年休で対応している実態がある。 Q9.育児関係の休暇制度を
課題:育児に関する休暇について、全部知っている人が1割程度しかいない。周知ができていない傾向にある。 Q10.職場は育児関係休暇を取得しやすい体制と
課題:職場が育児関係休暇を取得しやすい体制となっていると答えた人が半数を切っている。 Q11.子の看護休暇制度を
課題:子の看護休暇を取得できないと考えている人が1割以上いる。また知らないと答えた人も男性が3割以上、女性も1割半以上いるという実態。制度周知ができていない。 Q12.家庭内で週に何時間、家事や育児に時間を使いますか
傾向:男性は「1~5時間」が1番多く、女性は「15時間以上」が1番多い。家庭内ではまだまだ男性と女性の役割が明確に分かれている。 Q13.介護関係の休暇制度を
課題:介護関係の休暇について全部知っていると答えた人が1割に満たない状況である。 Q14.職場で介護関係休暇を取得しやすい環境作りは
傾向:介護関係の休暇を取得しやすい環境は大事と考える人が大半である。 Q15.職場は介護関係の休暇を取得しやすい体制と
課題:Q14で介護関係の休暇を取得しやすい環境は大事と考える人が大半であるにもかかわらず、職場では取得しやすい環境となっているとはいえない。 Q16.家庭内で週に何時間、介護に時間を使いますか
傾向:多くの人が家庭内で介護が必要となる状況にはなっていない。必要となっている人の中の、男女の取得差はあまりないように見受けられる。1割以上の人が常時介護を行っている実態があるので、休暇を取得しやすい環境とするためにも、介護関係の休暇を周知する必要あり。 Q17.セクハラ・パワハラを受けたことが
課題:セクハラ・パワハラを受けたという職員が男女ともに多い。管理職への研修等が必要。 Q18.セクハラ・パワハラに関する相談窓口があり、相談しやすい環境となって
課題:セクハラ・パワハラの相談窓口を知らないと答えている人が半数近くいる。また、相談しやすい環境となっていないと答えた人の多くが、職員には相談できないとしており、第三者が相談を受ける体制が必要。 Q19.組合役員(単組役員・単組補助機関役員など)を依頼されたら
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3. 調査結果の分析から「2012男女平等参画社会実現闘争」の要求項目へ 今回の調査結果から県全体と単組ごとの分析を行い、県本部委員会では取り組むべき課題を重点項目と位置づけました。また、調査結果から、セクシュアル・ハラスメントとパワー・ハラスメントの防止に向けた取り組みが必要と考え、要求項目説明会と併せて心理カウンセラーの講師による「職場におけるハラスメントの防止と対策」の学習会を5月9日に開催しました。さらに、各単組にむけ分析結果を、6月4日の「2012男女平等参画社会実現闘争」の具体的な資料として提供しました。 4. 「2012男女平等参画社会実現闘争」における重点項目および到達目標の設定 【男女平等社会実現に関する要求】 〈仕事と家庭の両立支援策について〉 5. まとめとして 今回の交渉の結果から、「地域行動計画」と「特定事業主行動計画」の策定に向け、当局が積極的に職員に対して周知徹底を図る等の回答を得られました。また、職員に対するセクシュアル・ハラスメントに加えパワー・ハラスメントの防止にむけた研修や、相談窓口の周知徹底、さらに相談体制の見直し等が示されたことは、大きな成果であったと考えます。県本部男女がともに担う自治労委員会としては、今回の意識調査の内容を検証することで来年も同様な調査を行い、単組において数値や意識の変化による職場実態の把握に努めたいと考えています。さらに、職場における課題の解決に向け、単組と県本部委員会が情報を共有し、連携を強化することで男性も女性も働きやすい職場づくりにつながるものと考えます。そして、「男女がともに担う自治労大分県本部第4次計画」を策定し、組合・職場・家庭・地域における男女平等参画社会の実現をめざしたさまざまな取り組みを行うこととします。 |