【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第11分科会 地域から考える「人権」「平和」 |
豊後大野市では、2011年3月に「女性人材リスト集」を完成した。本レポートは、このリスト誕生までの経緯と「活きたリスト」としてスタートしている状況を報告したい。 |
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1. はじめに 豊後大野市では、2011年3月に「女性人材リスト集」を完成した。本レポートは、このリスト誕生までの経緯と「活きたリスト」としてスタートしている状況を報告したい。 |
2. 男女共同参画社会のものさし「女性の登用率」 『2020年30%』これは、現在内閣府がかかげている数値目標の一つである。つまり「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%にする」という目標である。
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3. 解決策として期待される「女性人材リスト」 解決策として「女性の人材リスト」を作成して、人材を提供できるような環境づくりをしている事例が全国にもあり、当市でもリストを作成しようと、2008年5月発行の豊後大野市男女共同参画だより「ハーモニー」で「豊後大野市の地上の星を探しています」と募集をかけたところ9人の登録があった。 |
4. 緊急雇用創出事業への申請 そんなとき、国の緊急雇用創出事業の情報が入り「女性の人材リスト作成事業」として申請することにした。7つ町が合併しているので、7人は取材メンバーが欲しいところである。そして、小さな子どもさんを持つお母さん方が働ける環境も内容に盛り込み、被雇用者の中に保育担当者を3人お願いし合計10人の雇用をし、期間限定で、事業所内保育を実現することを提案したところ採択され、2009年10月~2010年9月までの1年間事業展開できた。
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5. 完成した女性人材リスト 1年間におよぶ取材期間のなかで、7人のスタッフと3人の託児スタッフの悪戦苦闘がうかがえる。取材班は、市から発行した身分証をもっているものの、個人情報のこともあり最初は、なかなか受け入れられなかった様子である。しかし、後半では、人が人を呼ぶことで、だんだん協力者も増えてきた。最終的に、団体65、個人317人の登録をいただくことができた。 |
6. 盛大に開催した第1回女性人材リスト登録者交流会 2010年9月にリストを受け取り、さっそく、10月に交流会を開催した。
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7. 女性人材リストの登録者の活動がスタート 「豊後大野市を癒しの街にしたいなあ」と登録者がつぶやいた。豊後大野市のリストメンバーを中心に、同じ思いの癒し関係の仲間が集まり、リンパマッサージ・ヨガ・ネイル・エステ・心理カードなど、五感を通じた癒しの空間に、手作り作品の仲間のフリマと、仮名習字・フォトセラピー・野草の生け花などの展示、カフェもある癒しの街フェスタを開催することとなり、これまで3回実施。だんだん参加者も増え、なにより実行委員会形式で実施していることがすごい。 リストメンバーが自主的につながり、こういった活動がスタートできたことは、豊後大野市にとって、明るい話題であり、このフェスタには、市外からの参加者もあり、地域活性化に貢献できていることは確かである。 3月に「豊後大野市女性人材リスト集」を発行し、市役所各部署と、登録者全員に配布することができた。市のホームページからも閲覧できるよう環境を整え、登録者の活動情報も掲載することにした。今後のネットワークを鑑み、このリストには、登録者の夢や課題も掲載しているので、リストを見た市民から「○○をしたいので、紹介してほしい」といった問い合わせもあり、このリストをきっかけに、社会で女性が一層活躍し、政策の場にも参画していけるようにつながればと思う。 今年の、登録者交流会は、7月24日に開催する。ネットワークをつくり、又新しい何かが始まる予感がする。 |