【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第12分科会 被災地における女性への支援と保護~伝えられなかった真実~ |
県本部執行委員となり3年。「女性ワク」で(いきなりに)さまざまな場面を経験させてもらいました。その“場面”の情報、経験に向き合うことが、問題の解決を図り、次の行動に移ることへの大きなステップを踏ませてくれました。社会を担う一員として、責任と自覚を持ち、臆することなく、女も男もさまざまな人を巻き込んで、ともに次のステップへ臨む社会づくり、組合活動への視点を模索しました。 |
|
1. 女性労働施策の波からワーク・ライフ・バランスのビッグウェーブへ
男女平等の運動は、もちろん多くの女性の先人たちの積み上げてきた今日があります。今日につながる運動を、何度も何度も振り返り、振り返り、今の活動に結び付け、繰り返し、繰り返し行動としています。1985年「男女雇用機会均等法」を一つの起点に今日では2007年「ワーク・ライフ・バランス憲章」、「仕事と生活の調和推進のための行動指針」策定へと大きなうねりとして、男も女も、あらゆる人すべてをのみこむ運動へと展開しています。 2. 災害対策を実際何もしていなかった 3・11東日本大震災の前を振り返って、私たちは実際、災害対策として一体何をしてきていたか。54基の原子力発電所、エネルギー対策にどう取り組んでいたか。男女平等、共同参画推進にどう向き合っていたか。実際のところ……。 3. こういう社会をめざしてきたのか 2008年9月15日リーマン・ショックから一気に“派遣切り”や“翌日には住むところを失う”日本社会の情け容赦のない様をさらけ出した時、失われた倫理観、理念のなさ、あまりのその露骨さ、日本の貧しさに唖然としました。こんな日本の“社会”を作ってきたのではないと心の底から叫んでいました。 |
4. 一国ではなく、世界が一つに
3・11東日本大震災、原発事故後に至っても政治、行政、経済はどこを向いているのでしょうか。なぜ変えられないのか、そのブレーキを誰が、何がかけるのか。 |
結局のところ世の中(日本)はそう簡単には変わらないのでしょうか。でも世界は勢いをつけて変わっています。米国も変わり、日本を取り巻く環境は激変。この世界観にたった日本の進路は変わらなくていいのでしょうか。 5. どのような“社会”が必要か (1) どういう社会にしたいか 誰も完全ではない、すべての人がハンディキャッパー、人である限り、死、病、老い、失業を背負います。その人間を支える政治、行政、経済ではないか。安心、安全、平等、機会均等、自由、平和…どれも福祉、膨大なお金のかかることです。自分たちが社会をつくり、政府も自分たちが自身のためにつくるものです。どういう社会にしたいかです。 |
(2) フランスの少子化の歯止めがなぜかかったか ・3歳になるまで父母どちらかが取る育児休業の充実 ・育児手当は国から約7万円 ・完全休業ではなく時間短縮の選択も ・家族手当は収入に関係なく子どもが2人いる家庭は子どもが20歳になるまで約1万6千円。3人以上は増額、学費がかさむ11歳以上の子どもはさらに加算・税金面の優遇(N分N乗方式の所得税制) ・施設利用などの特典 ・ベビーシッターの利用に関する補助金 ・保育園整備や多様な保育サービス etc。 ドイツはなぜ出生率が低いかは、児童手当等の現金給付は手厚いが、合計特殊出生率は低迷(1.34)。保育サービスが不足、学校は半日制、給食はなく、子どもは昼前に下校するため、母親のフルタイム就業は事実上困難。フランスよりも性別役割分業意識が強いこともあいまって、女性は就業か子育てかの二者択一を迫られる状況です。 |
6. 男女平等、男女共同参画の視点で社会づくり 人びとが、市場における競争と対立に翻弄されることなく、人間らしい生活を営みうる社会をつくる必要があります。男性か女性か、社会的責任を有するか否か、正規か非正規かを問わず、誰もがやりがいのある仕事と充実した生活の両立が選択可能となるような社会を築くため、労働の尊厳を取り戻すために、それを支える政策やシステムの構築をはかることが必要ではないでしょうか。
|
7. 終わりに~今を乗り越えてはいけない、解決を 過去と未来をつなぐ間の場所に、微妙な危うさの中に立っていると思います。「これからどうすべきなのか」私たちは世界に目を向け、生活基盤の“社会”を作り上げていかなければなりません。社会は不条理に満ちています、問題意識が、戦慄するが如く胸にこみ上げてくるその不条理に対する怒りに目を向け、自らも波、風をおこしながら、このビックウェーブに乗っていきたいと思います。 |
<参考資料等> |