【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第13分科会 地域で再生可能な自然エネルギーを考える |
淡路市では、地球温暖化抑止を目的に2010年11月から合計1,000kWの設備容量を持つ太陽光発電施設、いわゆる「メガソーラー」を稼働しております。また、今、原子力発電に頼らないエネルギー政策が模索されているところですが、安全な再生可能エネルギーといった点でも、これからの日本はもちろん地球規模で普及させなければならない電源といえます。本レポートでは、本市がこの施設を建設するに至った経緯、淡路島でのエネルギー自給の可能性について報告します。 |
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1. はじめに 環境省は地球温暖化対策推進法に基づく二酸化炭素排出削減などの地域計画と地域の活性化を同時に推進する目的で「地域グリーンニューディール基金」を創設しました。この基金を活用した兵庫県の環境保全基金事業により淡路市が主体となり兵庫県と連携して地球温暖化抑止を目的に2010年11月に合計1,000kWの太陽光発電施設を完成させました。 2. 事業実施の背景 (1) 淡路市の気候特性 (2) 事業効果が見込める敷地 (3) 環境立島への取り組み これらの事業実施のための条件が整ったことから、事業採択を受け、4億6,000万円の事業費をかけ実施しました。 3. 施設概要 この施設の名称は、「あわじメガソーラー1(ワン)」といいます。これは市民から募集して決定したネーミングですが、「1」には、この施設は後述する「あわじ環境未来島構想」に先駆けたものであり、環境島への「最初の一歩」という意味を込めています。約1.9haの土地等に合計5,022枚の太陽電池パネルを並べており、ここで発電した電気を「市役所本庁舎」「津名浄化センター」「防災あんしんセンター」の市が所有する3施設で使用しています。 |
4. 普及への課題 年間約110万kWhの発電を見込んでいますが、これは上記3施設の年間消費電力量の約半分に相当する量であり、発電した電気だけで3施設を稼働させることはできません。また太陽が出ている昼間しか発電しません。太陽光発電を普及させる課題として ①初期投資がかかる ②設置する広大な土地等が必要 ③不安定な電源である ということが掲げられます。 5. 施設の活用 この施設の稼働以降、見学の受入れをしています。東日本大震災による原発事故が契機となり、再生可能エネルギーがより注目されるようになりました。更に今年7月からの再生可能エネルギーの全量買取制度が施行されたこともあり、様々な分野の多くの方が見学に来られています。この施設を実際に見ていただき、地球温暖化はもとよりこれからのエネルギーについて考える契機にしていただければと存じます。 |
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6. 淡路島の可能性 兵庫県と淡路島内にある3市の4者で「生命つながる持続する環境の島」をスローガンに「淡路環境未来島構想」を打ち出しています。これは恵まれた地域資源を有しながら、人口減少、経済縮小等の課題に直面する淡路島で、閉塞感を打破する新しい地域振興モデルを創るため、持続可能な地域づくりをめざすというものです。その柱の一つに太陽、風、緑などの地域資源を活かした「エネルギーの持続」を掲げ、多様な地域エネルギーの創出を探ろうとしています。将来的にはこれらを組み合わせて「エネルギーの地産地消」ができることをめざしています。 7. まとめ いずれは石油、ガスといった化石燃料は枯渇するといわれており、資源の乏しい日本にとっては、エネルギーの地産地消は必要なことです。もちろん安全であることが大前提です。地球温暖化抑止の観点から始めた事業ですが、エネルギー政策の転換期の今、この施設を淡路島の可能性を実証するモデルケースとして、ここから淡路島はもちろん日本の将来のエネルギーの可能性を考える契機になればと存じます。 |