【自主レポート】 |
第34回兵庫自治研集会 第13分科会 地域で再生可能な自然エネルギーを考える |
職場環境の改善から始まった、役場庁舎における「グリーンカーテン」設置の取り組み報告。 |
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1. はじめに このレポートは、玖珠町役場の庁舎北側西面のグリーンカーテンの歴史を極々かいつまんでまとめたものです。基本的にはすべてがノンフィクションですが、文章の流れから一部において「捏造」、「脚色」、さらには「私見」がプラスされている個所も散見されます。悪意があるものではありませんので、あらかじめご了承願います。 |
2. 農林業振興課というところ 私が勤務する、玖珠町役場農林業振興課のフロアは、L字の形をした庁舎の北側西面に位置しています。階は1階です。 |
3. 巷で噂のグリーンカーテン 玖珠町庁舎は、古式の水冷クーラー設備であるため、夏場の冷房の効きはあまり良くありません。また、先述のような位置に農林業振興課フロアがあること、さらに、西側の窓面の外は50㎝程の花壇を挟み、職員・来庁者駐車場としてアスファルト舗装していることも重なり、輻射熱や車のボディの照り返しなどで、さらなる温度の上昇を招いてしまいます。このような状況を少しでも打破したいと、2007年(平成19年)から西側の窓面の外の花壇に植えられていたツツジなどの低木を引っこ抜き、蔓性植物を新たに植えて“グリーンカーテン”を設置し、夏の暑さ対策に取り組もうということになりました。 |
4. 実践 グリーンカーテンづくり グリーンカーテンづくり元年の2007年(平成19年)。「さて、なにを植えようか?」と話し合われる中、手軽で管理も簡単、さらに日差しを遮る点では抜群な効果を発揮する『アサガオ』にするか、そこは農林課らしいものにしようかという喧々囂々、侃々諤々の議論があったかどうかはわかりませんが、比較的簡単な食をもたらしてくれる作物で蔓の勢いもあるキュウリを植えることにしようと落ち着いたそうです。当時総務課に勤務していた私も、家庭菜園の参考にさせてもらうため農林課の職員に栽培の注意点などを聞いたりしていました。夏場は太陽光線を遮り、昼食時には収穫したキュウリでお腹を満たしたりと、かなりの効果と満足度、達成感を味わうことができたようです。1年目にしては上出来で、来年以降も必ず続けていこうという意識付けができ今日も続いている点で、この年の英断は後世に語り継がれるものがあるのではと感じています。 |
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この2009年、課内を揺るがす大問題が発生してしまいました。「農政係側は十分日影ができていいけど、畜産係、農林土木係の日差し軽減には影響してないぞ!」とのこと。もともと、花壇スペースは5mしかなく、西側の壁面の1/3程度しかカバーしていません。そこで、この花壇スペースを延長し、さらなる日よけ面積を拡大させ、職場環境の改善を図り、より効率的なグリーンカーテンつくりを目指そうということになりました。早速、同年末に行われた農林業振興課の組合の分会要求として「夏季の気温上昇による冷房効率のアップと省エネルギー対策が見込めるため」との理由から花壇の増設を要望しました。熱心な日陰要望のおかげか、翌2010年(平成22年)6月25日に花壇増設工事が完了し、より効率的なグリーンカーテン運用がスタートしました。工期が6月末までずれ込んだことから、生長の早いゴーヤ、花壇完成を待って別所で育苗していたキュウリ苗、ミニトマトをすぐさま定植、遮光性の高いアサガオの種を花壇にばらまき、新たな壁面緑化の歴史が幕を開けました。悲しいかな、ばらまきすぎたアサガオの間引きもあまりしなかったため繁茂し、素晴らしい遮光カーテンになった反面、ミニトマトはほとんど実をつけることなく、なぜか、ゴーヤもとばっちりを受けてあまり実をつけずシーズンが終了しました。 |
5. これまでの取り組みを通して
手をかけずに、植物を育てることはやはり難しいもので、水やりの程度や管理方法を間違うと途中で枯れてしまう株もいくつかあります。少なくとも、こまめな草むしりや、害虫の駆除など手をかけた分だけ、成果としてその青々と茂った姿を見せてくれることは間違いないようです。 玖珠町内は、ご案内のようにほとんどの土地が林野、田畑などで緑や土が多い郷です。コンクリート造りの建造物等もあまりなく、これまで取り組んできたグリーンカーテンやその背景にある環境問題に関していうと、危機感の薄い地域かもしれません。 |
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