【自主レポート】 |
第36回宮城自治研集会 第1分科会 ~生きる~「いのち」を育む・いかす、支えあう |
「公の施設の指定管理者制度」の本格運用が始まってから2016年春をもって10年が経過した。同制度は、公共施設の運用コストの節減手段としても活用され、指定管理受託団体の雇用する施設職員に非正規雇用=不安定雇用を拡大させるなど、いわゆる「官製ワーキングプア問題」の一因をなすとされている。指定管理者制度をはじめ、自治体事業のアウトソーシング化が多様な形で拡大する状況のもと、これに対する自治体労組の果たすべき役割について、函館市の職員組合の取り組みを例に考える。 |
|
1. 指定管理者制度本格運用10年の状況
(1) 制度の概要
(2) この10年の全国状況
(3) この10年の道内の状況
|
2. 指定管理者制度と官製ワーキングプア問題
総務省は2010年12月28日に「指定管理者制度の運用について」を発出し、同制度の運用状況に鑑み、8項目の運用上の留意点を提示して、各自治体に制度導入のそもそもの趣旨に立ち帰り適切な制度運用に努めるよう求めた。この項目の中には、指定管理者の選定は入札と違い単なる価格競争で決めるべきではないこと、指定管理団体には労働法令を遵守する責務があり、職員の雇用・労働条件へ適切な配慮をすること──が含まれている。 |
3. 指定管理者制度と労働組合の役割
(1) 公益社団法人北海道地方自治研究所・非正規公務労働問題研究会の函館市調査
(2) 函館市公サ労の結成の背景
(3) 函館市の指定管理者制度の導入状況と制度運用の特徴
(4) 指定管理者制度下で求められる労使交渉の枠組み、その応用可能性 |